第9章静脈栄養法
9-3:アポリポタンパク[apolipoprotein]
■アポリポタンパク[apolipoprotein]
アポリポタンパクとはリポタンパクに結合しているタンパク成分であり,リポタンパクの代謝を調節するさまざまな作用をもつ.例えばCMは小腸で合成されるとき,構造アポタンパクとよばれるアポリポタンパクAやB48を結合する.その後血中において末梢アポタンパクとよばれるアポC群やアポEを高密度リポタンパク(high density lipoprotein:HDL)から受け取り成熟したCMとなる.アポリポタンパクC群はLPL活性を調節して,CMは効率的に加水分解される(図4).
図4●CMとアポリポタンパク
アポリポタンパクA,Bは構造アポタンパクと称され,生成時に結合している.アポリポタンパクC群とEは血中においてHDLより転送される.