NUTRI ニュートリー株式会社

ニュートリーの歩みEvolution of the company

人が本来持つ自然治癒力に着目、「栄養療法」を通じて向き合うひとの力になりたい。
その思いをカタチにしてきたニュートリーの歩みをご紹介いたします。

1960~1980年代

粉末状の「アイオール」が誕生。
名前の由来は「愛がすべて」。
「薬でなく、食品に出来ることがこんなにあるのか」と
薬から食品へ転換していく。

AIALL (powder product) was released.
The name signifies “AI (love) ALL (is all).”
With the recognition, not medicines but
foods could do so much good,
the Company shifted from medicines to foods.

1963年2月
三協製薬工業株式会社設立

1963年9月
経管濃厚流動食「エグロン」発売

チューブで食事を摂る入院患者の栄養不足を解決すべく、当時“高栄養”の代名詞であった卵から、経管濃厚流動食「エグロン」を開発する。

1972年5月
経管濃厚流動食「アイオールP」製造開始

5大栄養素を配合した粉末状の、初代「アイオール」が誕生(OEM品)。名前の由来は「愛がすべて」。病院で栄養が全く摂れなかった患者に提供され、患者の様子がみるみる変わっていく。「薬でなく、食品に出来ることがこんなにあるのか」と製薬事業から食品事業へ開発軸が移行していく。

1990年代

うまく食べることができず患者さんが困っている。
そうであるなら、「食べられるようにしましょうよ」と。
当たり前のことを考え、純粋に仕事にした。
それがニュートリーの原点。

There are patients who are distressed because they cannot eat well.
If this is the case, why do we not help them eat?
This was the simple thought that led to our business.
This is the origin of NUTRI.

1991年11月
代表取締役社長 川口 晋 就任

医療現場で、鼻からチューブを入れ栄養剤を投与される患者の姿を見て小さな疑問を抱く。「なぜチューブからしか食事が摂れない人がこんなにいるのだろうか?」。当時、嚥下機能が低下した人の食事の選択肢は非常に少なかった。嚥下障害があっても口から食べられるのではないか?液体が飲み込みにくいのであれば、ゼリーではどうか?現場を見て、課題を抽出し、解決策を導くために、純粋に思考を重ねていく。

1993年2月
たんぱく質、 カルシウム補給食品
「プロッカ」発売

「病院給食で牛乳の残食が多い」という栄養士の一言に牛乳代替食品ができないか?と製品開発に着手し、たんぱく質とカルシウムを補給できるゼリーを開発。たんぱく源はコラーゲンペプチド。今でこそさまざまな分野で用いられるコラーゲンペプチドだが、当時、医療領域の製品で利用されたことは画期的だった。

プロッカ歴代パッケージ

1994年5月
微量栄養素補給飲料「ブイ・クレス」発売

1994年、医療保険制度が改定され、ビタミン剤の投薬において保険適用が制限されるように。入院患者のビタミン欠乏が相次ぎ、危機感を覚えた管理栄養士からの要望を受け開発に至る。“Vitamin”と“Victory”の頭文字と、 “だんだん強く”を意味する音楽用語で“Crescendo(クレッシェンド)”から「V CRESC(ブイ・クレス)」と名付ける。

ブイ・クレス歴代パッケージ

1996年2月
東京支店開設

1997年1月
水分補給用ゼリー「アイソトニックゼリー」発売

「嚥下障害の方は飲む水がない…」という状況を変える、水分補給ゼリー「アイソトニックゼリー」を発売。医療業界に衝撃を与える。

2000年代

すでにあるものは、つくらない。
市場性ではなく、いわば私情から。
「こうなったらいいのに」と純粋に
思考を重ねる。
だから、後追い製品はありません。

We do not produce what is already on the market.
We develop not from marketability,
but from our personal feelings.
We deepen pure thoughts, pursuing our wishes.
This is why we do not produce follow-up products.

2000年9月
とろみ材に革命
テクスチャー改良材「ソフティア」発売

とろみが消えない、濁らない、味を邪魔しない、全く新しいとろみ材の開発へ。当時「とろみ材」は、べたつきがあり、独特の匂いや白くダマになる特性があった。当然患者の食事も進まない。そんな状況に憤りを感じた開発者が「嚥下障害があっても、食事を楽しめることを当たり前にしたい」との想いから、第3世代とろみ材の先駆けとして「ソフティアS」の前身、「ソフティア」を開発。第3世代のとろみ材(クリアタイプ)の概念がなかった発売当初はなかなか受け入れられなかったが、実際に試した医療関係者に、これまでのべたつくとろみ材は飲み込みにくいものだった、と気付きを与える。以降加速度的に広まり、今や「当たり前」の存在に。
※発売時は、冷たい状態ではとろみ、加熱し冷却するとゼリーになる、とろみゲル化一体型。翌年にとろみ材・ゲル化材としてそれぞれ発売された。

2001年
「家でも買えないか?」高まるニーズを受け、
通信版売を開始

全国の病院や介護福祉施設で採用されるとともに、退院し在宅で療養する患者、さらには患者を支える看護師や管理栄養士などの医療従事者から個人購入のニーズが生まれた「ブイ・クレス」。声に応えるため、通信販売を開始し、医療の現場でその魅力を知った人から紹介や贈答を通じて広がり始める。

2005年11月
三重県四日市市富士町に本社工場を移転

2006年5月
単なる栄養補給ではなく、食べる楽しみを
新発想からうまれた「アイオールソフト」発売

飲み込みに配慮しながら効率よく栄養を補給できるゼリー状の流動食は、甘いものが多く飽きてしまう。食事は毎日のことだから、甘いものだけでなく和食・洋食・中華、冷たいものや温かいもの、気分や好みにあわせてバリエーションも楽しみたいはず。そんな想いから、豆乳ベースでプレーンな味付けにし、アレンジ次第で飽きずに毎日食べられるように。昭和47年に誕生した初代「アイオール」は、リニューアルを重ね現在はさらに高栄養になり、名前に込められた「愛がすべて」の想いは受け継がれる。

アイオールソフト歴代パッケージ

2006年5月
ニュートリー株式会社に社名変更

NUTRIとは、Nutrition(栄養)とNew History(新たな歴史)を融合した言葉。単に栄養補給という観点に留まるのではなく、常に新しい方向から栄養療法をとらえ、エビデンス( 科学的根拠)に基づいた製品づくりによって、多様化し、複雑化していく医療ニーズに応えたい。強い願いが込められている。

NUTRIロゴ

2008年9月
「食べられないなら食べられる方法を」
現場に提案すべく嚥下チームを立ち上げる

ルーツである純粋な想いを医療現場で形にするために、専門チームを立ち上げる。提案する嚥下食は飲み込みやすさはもちろん、栄養価・味、そして「食べる楽しみ」を追求することも欠かせない。

2009年3月
水分を付加した
半固形状流動食「カームソリッド」発売

医療現場で多く使われる「液状流動食」だが、患者の合併症や心身への負担が課題になるケースがある。その対策として使われる「半固形状流動食」は、短時間投与が可能で、口から食べる訓練、リハビリ、家族とのコミュニケーションなど自由な活動時間の確保につながる。 当時、高濃度が主流であった流動食に水分を配合して上市した「カームソリッド」は、家族や介護者の水分補給の負担を軽減できる製品として新しい選択肢を提案した。

2010年代

ずっと、変わらない根源。
ただ売るのではなく、
栄養療法という考え方を伝えていく。
そして、自由な発想力で新たな可能性を
追求する。

Our fundamentals never change.
We disseminate the idea of nutritional therapy,
instead of merely selling products.
We pursue new possibilities with a free imagination.

2010年8月
「アイソトニックゼリー」が第1号
えん下困難者用食品の表示許可を取得

「アイソトニックゼリー」が、誤嚥を防ぐ目的で使用される「特別用途食品 えん下困難者用食品」として日本で初めて表示許可を取得。医療機関での使用実績や製品の各種要件を国が審査し、本来食品には認められていない特定の機能や嚥下障害者への使用について表示できるようになった。
患者にとってもわかりやすく、安心して製品を選択できるよう、以降も特別用途食品の制度を積極的に活用し、現在、ニュートリーは、そのまま飲み込める性状である「許可基準Ⅰ」を最も多く取得している。※2024年6月時点

2012年3月
YouTubeニュートリー公式チャンネル開設

栄養療法の専門チャンネルとして開設。以降、医療・介護の分野で重要性が高まっている「栄養療法=メディカルニュートリション」とは何か。「栄養療法の世界」、「マンガで解説シリーズ(床ずれ・肺炎・感染症の栄養指導)」、「嚥下食レシピ」といったスタディ&ハウツー動画を配信。

ニュートリー公式YouTube

2012年11月
全国47都道府県の地方新聞社と開催する
「県民のための嚥下食セミナー」始動

ニュートリーと下野新聞社が地域に根づいた「郷土食」を飲み込みやすい「嚥下食」にしてみようと「県民のための嚥下食セミナー」を始動。その後、ご当地嚥下食WORLD事務局を立ち上げ、約5年の歳月をかけて全国47都道府県でセミナーを開催。各県のメディアから波及して反響を呼ぶ。

2012年12月
日本メディカル ニュートリション協議会設立・加盟
代表取締役社長 川口 晋 同協議会初代会長就任

需要、市場ともに拡大を続けるメディカル ニュートリション=「栄養療法」食品。医療・介護の現場への適切な情報提供・公正な販売を通じて栄養療法食品が適正に使用されることを目指して設立。患者・利用者のために業界全体の発展が必要なフェーズを迎える。

2013年6月
「終章を生きるシンポジウム」を
世界遺産・日光東照宮で開催

2025年に65歳以上の高齢者が総人口の30%を突破する日本。「老い」をテーマにした連載記事「終章を生きる 2025年超高齢社会」を編集し、日本医学ジャーナリスト協会賞 大賞を受賞した下野新聞社とタッグを組みシンポジウムを共催。豊かな終章への提言の一つとして、「見た目もおいしい嚥下食」を日光東照宮客殿から発信、その話題性から300人超を動員。

2013年7月
コラーゲンペプチド10,000mg配合
「ブイ・クレスCP10」発売
テレビCM全国放映

ビタミン・ミネラル配合のブイ・クレスシリーズにコラーゲンペプチドを10,000mg追加配合した「ブイ・クレスCP10」を発売。同時にテレビCMの全国放映、駅広告掲出を開始。CMはニュー・モントリオール国際映画祭最優秀監督賞を受賞した映画「好きだ、」、「ペタルダンス」などの監督・石川寛監督が手掛け、キャストに尾野真千子さんのほか、高橋努さん、五味優人くんを起用。

2013年11月
ナース専科出版レシピ本
「おうちでできるえんげ食」編集・技術協力

飲み込みやすさ、調理のしやすさ、見た目のおいしさなど技術改良を重ね、嚥下食の品質を追求してきたニュートリーが、今後、医療・介護施設から介護現場がシフトしていくと予想される一般家庭の介護者に向け、情報提供として書籍の出版に協力。その知識・ノウハウを在宅現場に伝える。
2014年にはクックパッド株式会社後援のもと、株式会社エス・エム・エスと一般の方向けの実践イベントを共催。翌年以降、NHKカルチャーからの要請を受け講師を派遣し、「おうちでできるえんげ食」カルチャー教室を全国で開催した。

2014年10月
三井製糖グループ入り

2017年2月
海外大使館・海外メディアに向けて
「嚥下食WORLDシンポジウム」開催

公益財団法人フォーリン・プレスセンターで、~食べることをあきらめていたあの人へ “嚥下食”で口から食べる喜びを最期まで~をテーマに開催。国内外のメディア、在日大使館員、医療・介護関係者に向け、高齢社会を支える「食」のヒントを提言。厚生労働省 医薬・生活衛生局長や、雑誌「暮らしの手帖」 元編集長 松浦弥太郎氏らが登壇。ニューヨーク・タイムズや米国公共ラジオNPR、イタリア経済新聞「Il Sole 24 Ore」などに取り上げられる。

2017年4月
株式会社三和化学研究所ニュートリション事業
一部譲受

総合的な栄養療法の提案を行う専門メーカーを目指し、製品ラインナップを補完・拡充する。

2017年4月
新型容器「イノボックス」でテクスチャー改良材
「ソフティアシリーズ」を出荷

これまで主流であったビニル製のスタンドパックにおける「使用中に倒れやすい」、「詰め替えが手間」、「奥まで手を入れるため不衛生」などの現場の課題を解決するために新型容器「イノボックス(innobox)」を開発。それを機に新工場を建設・稼働し、国際認証規格FSSC22000及び新工場で製造している「ソフティアシリーズ」にハラール・コーシャ認証を取得。国内外の高まる需要に備え、生産能力は以前の3倍に拡大。

2017年12月
経済産業省より「地域未来牽引企業」に選定

地域経済への影響力、成長性、地域経済牽引への期待、高い付加価値の創出などが評価され、経済産業省より「2017年度地域未来牽引企業」の「未来挑戦」部門に選定される。

2018年10月
"とろみボタン"付き「カップ式自動販売機」を
共同開発

ボタンひとつで好きな飲み物に自動でとろみをつけられる、新機能を備えた自動販売機を株式会社アペックスと共同開発。医療・介護現場の慢性的な人手不足や、外出時のとろみ付けのハードルに対する新たなソリューションとして、とろみを必要とする方が好きな飲み物を好きな時に楽しめるよう、病院や高齢者施設、公共施設等へ提案。全国紙をはじめ、テレビ報道、バラエティー番組まで広く取り上げられ、話題に。

2018年11月
韓国ソウル特別市中区に韓国支店開設

2019年2月
キユーピー株式会社濃厚流動食
および関連商品の一部販売権譲受

医療・介護施設・調剤薬局等の幅広いニーズにきめ細かくお応えできるよう、更なる製品ラインナップの補完・拡充を推進。

2020年代

どこまで対象疾患を拡大させ、
製品価値を高められるか。
超高齢社会の課題先進国として、
その叡智を日本へ、世界へ。

To what extent can we expand our target diseases and
enhance the value of our products?
People are stronger than they think.
This is why we intend to disseminate our
wisdom throughout Japan and the world,
from the country having an urgent issue of aging society.

2020年8月
日本初“デュアルユースの紙製容器” を採用した
液体流動食「サンエットK2」発売

流動食を召し上がる長期療養患者を想定したこだわりの栄養組成と、便利なデュアルユース容器の流動食。これまで市場になかった容器をデバイスとセットで発売し、新しい流動食の形を提案。
プラスチック製の容器が主流のバッグタイプ流動食市場において、紙製への切り替えを促進することで環境配慮をいち早く推進する。

2021年8月
国内初 “褥瘡” に “栄養” でアプローチできる
「ブイ・クレスCP10 ミックスフルーツ」

「ブイ・クレスCP10 ミックスフルーツ」が、日本で初めて「褥瘡を有する方の食事療法として使用できる食品」として消費者庁より特別用途食品 個別評価型病者用食品の表示許可を取得。高齢化に伴い増加する褥瘡の課題解決に栄養からアプローチできる食品として、医療・介護施設や在宅医療の現場に情報提供とあわせて提案。

2021年9月
食べられないを解決するWEBマガジン
「食べラボ」開設

食べラボ

2021年10月
粘度可変型とろみ状流動食
「リカバリーニュートリート BeSolid」 発売

患者、介護者双方の負担軽減を叶える、日本初「粘度可変型とろみ状流動食」。在宅介護でも簡便に利用可能で、一人ひとりの状態に合わせたラインナップを拡充し、高齢者や被介護者を栄養面から支援。

2021年12月
中国で粘度調整食品「要順」発売、
翌年10月より「要順」「REF-P1」の
現地製造開始

「液状流動食」の課題対策として注目される流動食の「半固形化」。「半固形状流動食」において国内トップシェアのニュートリーは、「半固形流動食」の概念をアジア諸国に定着させることを目指し、第一歩として粘度調整食品の輸出、現地製造を開始。

2022年4月
もっと、嚥下食を当たり前に。
WEBサイト「enge.jp」開設

enge.jp

2022年7月
DM三井製糖の100%子会社化、
代表取締役社長 武政 栄治 就任

2022年9月
韓国で粘度調整食品「REF-P1」発売

2022年12月
テルモ株式会社栄養食品及び一部関連製品譲受

テルモ株式会社から医療分野で強みを発揮してきた栄養食品事業を譲受。超高濃度化技術を駆使した半固形/とろみ/粘度可変型流動食等の豊富な製品ラインナップを拡充することで、個々の患者さんを重視した更なるソリューションの提供を目指す。

2023年2月
設立60周年

設立60周年

これからも変わることなく、
すべてのヒトにとって生きる喜びの一つは「食べること」と考え、
みなが笑顔になる社会を目指します。

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