第9章静脈栄養法
9-3:リポタンパクリパーゼ(LPL)[lipoprotein lipase]
■リポタンパクリパーゼ(LPL)[lipoprotein lipase]
LPLはtriglyceride-richリポタンパクを加水分解する酵素で,実質細胞で生成され毛細血管内皮細胞に転送され存在する.triglyceride-richリポタンパクの親水基であるリン脂質に親和性をもち,脂肪粒子と結合し,トリグリセリドを加水分解する(図3).LPLはtriglyceride-richリポタンパクに結合しているアポリポタンパクC-Ⅱによって活性化されると同時に,アポリポタンパクC-ⅡはLPLと脂肪粒子の接触を誘導する働きがある.脂肪粒子とその活性および生成速度は生体の環境,特にホルモンに影響され,絶食では筋肉のLPL活性は亢進しトリグリセリドを分解し脂肪酸を供給する.
図3●リポタンパクリパーゼ(LPL)による加水分解
脂肪粒子は毛細血管壁に存在するLPLと接触し加水分解され,脂肪酸を遊離する.LPLの活性を制御するのがアポリポタンパクC群である.