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キーワードでわかる臨床栄養

第8章経腸栄養法

8-5:栄養剤の細菌汚染

栄養剤の細菌汚染
 栄養剤の細菌汚染下痢,敗血症(参考文献8-5-6)や,肺炎の原因となることがあり,注意を要する.われわれの検討では,デカンターに移したLRDは6時間目頃から細菌の繁殖があり,8時間後では103 cfu/mL,12時間後では105 cfu/mLにまで増殖した(図1).また,細菌汚染と下痢について検討すると栄養剤投与終了時の細菌汚染が104 cfu/mL以上で下痢の発生と有意の相関がみられた(表1)(参考文献8-5-5).したがってデカンターは8時間ごとには交換すべきである.

図1●経腸栄養剤細菌培養試験
滅菌された栄養剤をデカンターに移しかえて投与した場合は,投与後6 時間目頃から細菌の汚染がみられ,8 時間後では細菌のコロニー数は約103 cfu/mL と増殖し12 時間後では105 cfu/mL,24時間後では107 cfu/mL であった.しかし,クローズド・システムで投与できる密閉されたバッグ詰め(ready to hang:RTH)の製品は24 時間まで細菌の汚染はみられなかった.以上より,デカンターの使用1 回あたり8 時間以内に投与を終了しなくてはならない.cfu: colony forming unit
(文献8-5-7より引用)

表1

(文献8-5-5より引用)

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