第8章経腸栄養法
8-3:イントロデューサー法[introducer technique]
■イントロデューサー法[introducer technique]
イントロデューサー法(図2)においては,胃壁腹壁固定の併用が必須とされている.その手技は膀胱瘻造設の原理に似ている.まず,トロカール針を経皮的に胃内腔に向けて穿刺する.続いて,内針を抜去し外筒シースの内腔を通してバルーン型カテーテルを体外から胃内腔に向けて挿入,バルーンを膨らませて固定する(参考文献8-3-4).なお,イントロデューサー変法ではバンパー型ボタンが装着される.
図2●イントロデューサー法の手技
(文献8-3-4より引用)
●プル・プッシュ法とイントロデューサー法の選択
両者の造設方法には一長一短があり(表1),その特性を理解したうえで,患者側の条件,術者の経験,介護者の状況などを考慮して選択する(参考文献8-3-4).一般的には造設直後から太い内径のカテーテルを使いたい場合はプル・プッシュ法を,咽頭・食道にカテーテルを通したくない理由がある場合はイントロデューサー法で施行する.それは,特殊症例の手技選択(表1)においても同様で,咽頭に高度狭窄やMRSAがある場合はイントロデューサー法を,減圧胃瘻目的であれば十分な吸引を行える太い内径のカテーテルを一期的に装着するプル・プッシュ法を選択する(参考文献8-3-5).胃切除後の残胃でプル・プッシュ法を使用することが多いのは,穿刺針が細く穿刺しやすいからである.
(文献8-3-7より引用)