NUTRI ニュートリー株式会社

医療従事者お役立ち情報

キーワードでわかる臨床栄養

第8章経腸栄養法

8-1:経鼻栄養チューブ[enteral feeding tube]

経鼻栄養チューブ[enteral feeding tube]
 経鼻的に胃,幽門後(十二指腸および空腸上部)にチューブの先端を留置する栄養剤投与専用のチューブである.外径の大きさは種々あり,成人の場合は6~10 Fr(1 Fr=1/3 mm)が使用されるが,LRDの場合は8 Frで十分である.先端に錘がついているのは幽門後に留置するチューブで胃用チューブよりも長い.デカンターラインへの取り付け口は誤接続防止用(静脈栄養用ラインとの)の大きな取り付け口になっている.

経鼻栄養チューブの材質
 栄養チューブの材質は塩化ビニール,シリコン,ポリウレタン製がある.塩化ビニール製は消化液で硬くなり,ときには消化管の穿孔も起こしかねないので,24時間以上留置するには適さない.シリコン製はポリウレタン製に比して肉厚である.したがって外径が同じ場合には内径が小さく閉塞しやすい.ポリウレタン製は体温で柔らかく,なめらかになり,最も生体になじみやすく違和感も少なく長期留置しても安全である.

② エレファント・ノース型固定
 栄養チューブの固定法に注意をはらわないと鼻翼に潰瘍をつくる.図1はエレファント・ノース型といって象の鼻のようにチューブを下方に向けて鼻翼に接触しないように固定する方法である. 図1●エレファント・ノース型栄養チューブ固定法

図1●エレファント・ノース型栄養チューブ固定法
鼻腔栄養チューブは鼻翼に接しないように固定する.接着テープ幅約1cm, 長さ約5cmを用い,先端3cmを縦に分割して使用する.分割しない端を鼻梁に固定し,分割した部分を双方向からチューブに巻きつけて固定し,チューブを下方に向けて鼻翼にチューブが接しないよう固定する.

おすすめコンテンツ