第7章経口栄養療法
7-6:嚥下食用増粘剤[thickener for dysphagia diets]
■嚥下食用増粘剤[thickener for dysphagia diets]
嚥下調整食分類2013に基づいて嚥下食や介護食を調理する際に,欠かすことのできない食品が嚥下食用増粘剤である.
この食品は主原料にゲル化剤,増粘多糖類,でんぷん類などを用い,液体へのとろみ付けやゼリー,ムース,ペースト状の食品を調整するための物性改良剤のようなものであるが,ほとんどは食品というジャンルで販売されている.
特に,液体へのとろみ付けに用いる食品は「とろみ調整食品」とよばれ,飲料の種類や温度に関係なく,粉末を加えて混ぜるだけでとろみを付けることができる.
市販されている製品の一部を表5に紹介したが,ほとんどの製品がキサンタンガムとよばれる原料を用いている.

特別用途食品である「とろみ調整用食品」の規格基準は,これらのキサンタンガムを主原料としたとろみ調整食品を参考に設定されている.
一方,食品をゼリーやムース状に固めるための食品は「固形化補助食品(またはゼリー剤など)」とよばれ,こちらも数多くの製品が販売されている(表6)が,製品ごとにさまざまな特長があるので,使用方法や出来上がり状態を十分確認して提供する必要がある.
