第6章栄養療法の実践
6-3:ビタミンの必要量の算出[vitamin requirement]
■ビタミンの必要量の算出[vitamin requirement]
ビタミンは体内で合成できないため,一定量を体外から投与する必要がある.経口・経腸栄養時には「日本人の食事摂取基準(2020年版)」による推奨量などをもとに,病態による変化を考慮して,算出する(表3)(参考文献6-3-3).TPN施行時には,原則的に推奨量の総合ビタミン製剤を投与する.また,静脈栄養時にはASPENのガイドラインも参考になる(参考文献6-3-6).ビタミンB1のように,静脈栄養時と経口・経腸栄養時の必要量が大きく異なるビタミンもある.静脈栄養時にはブドウ糖代謝が活発になるため3 mg/日のビタミンB1が必要となる.また,末梢静脈栄養法(peripheral parenteral nutrition:PPN)施行時においても,病態によってはビタミンB1が欠乏する可能性があるので,注意を要する.
(文献6-3-3,6-3-6をもとに作成)