第6章栄養療法の実践
6-2:エネルギー消費量(EE)[energy expenditure]
■エネルギー消費量(EE)[energy expenditure]
エネルギー消費量(energy expenditure:EE)は最近では簡便な自動間接熱量計(indirect calorimetry)の開発普及により病床で測定可能となった.これは,呼気ガス分析により酸素消費量と二酸化炭素産出量を測定し,これにより呼吸商(respiratory quotient:RQ)と安静時エネルギー消費量(resting energy expenditure:REE)を間接的に算出する方法である.エネルギー源となる物質は糖質,脂質,タンパク質があるが,どのエネルギー源が主たるものであるかはRQから推定され,これは産生されたCO2と消費O2との商としてあらわされる.
[RQ=VCO2/VO2]
この公式のRQが1以上のときは糖質が利用され,脂肪合成に向かえば理論的にはRQが9以上にもなりうるが,臨床的には1を超えることはめったにない(表1).
