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キーワードでわかる臨床栄養

第6章栄養療法の実践

6-2:エネルギー消費量(EE)[energy expenditure]

エネルギー消費量(EE)[energy expenditure]
 エネルギー消費量(energy expenditure:EE)は最近では簡便な自動間接熱量計(indirect calorimetry)の開発普及により病床で測定可能となった.これは,呼気ガス分析により酸素消費量と二酸化炭素産出量を測定し,これにより呼吸商(respiratory quotient:RQ)と安静時エネルギー消費量(resting energy expenditure:REE)を間接的に算出する方法である.エネルギー源となる物質は糖質,脂質,タンパク質があるが,どのエネルギー源が主たるものであるかはRQから推定され,これは産生されたCO2と消費O2との商としてあらわされる.

[RQ=VCO2/VO2

この公式のRQが1以上のときは糖質が利用され,脂肪合成に向かえば理論的にはRQが9以上にもなりうるが,臨床的には1を超えることはめったにない(表1).
表1 呼吸商
一方,RQが0.7のときは脂肪利用を示し,0.7以下の際は飢餓状態でケトン体産生(ケトーシス)を示す.ごく最近では,安静時では呼吸商が一定であると考えてよく,個人の呼吸商のばらつきも0.78~0.87であり,呼吸変動を考えると無視してよい数値であるため,呼気中のCO2の測定を行わなくても安静時の消費エネルギーの測定はO2消費量からの推定でよいとする考えもある(参考文献6-2-2).この考えにもとづいた,さらに簡便に小型化され携行も可能な簡易熱量計も開発され,臨床にも応用されている.

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