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キーワードでわかる臨床栄養

第5章栄養状態の評価

5-3:血糖(BS)[blood sugar]

血糖(BS)[blood sugar]
 基準値 110 mg/dL 以下
 血中に含まれるグルコースを血糖という.食物の消化吸収,肝臓での糖新生,グリコーゲンの合成と分解,末梢組織における消費,腎臓における排泄などさまざまな器官の影響を受けて値が変動する.この血糖調節に最も重要な因子はインスリンというホルモンである.インスリンには血糖値を下げる働きがあるため,インスリンが不足すると高血糖となり,過剰になると低血糖となる.インスリンの拮抗ホルモンにはグルカゴン,コルチゾール,カテコールアミンなどがある.
 臨床の場で高血糖状態で問題になるのは,血液が濃縮され,脱水状態になり,糖尿病や心筋梗塞・肝硬変といった病気にかかりやすくなる点である.逆に低血糖は,症状としては,集中力がなくなる,無気力になる,落ち着きがなくなるなどの変化が認められ,さらに悪化すると,頭痛や吐き気,めまい,冷や汗などの症状が現れ,意識低下や昏睡状態に陥るなど,生命が危険な場合もある.特殊な例では意識障害で救急搬送された際に脳血管や心疾患を精査したが問題なく,原因不明で腹部を確認したら手術瘢痕があり,胃全摘術後のダンピング症候群による低血糖が原因として隠れているということもある.

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