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キーワードでわかる臨床栄養

第5章栄養状態の評価

5-3:総コレステロール(TC)[total cholesterol]

コレステロール(TC)[total cholesterol]
 基準値130~220 mg/dL
 生体の細胞膜成分であり,副腎皮質ホルモンや性ホルモンなどの各種ステロイドホルモン,および胆汁酸の前駆体として重要である.脂質異常症は虚血性心疾患や脳血管障害などの動脈硬化性疾患の危険因子として重要である.

●善玉コレステロール〔HDLコレステロール(HDL-C)〕
 基準値40~70 mg/dL

●悪玉コレステロール〔LDLコレステロール(LDL-C)〕
 基準値70~139 mg/dL

 コレステロールは血液中に流れ込むと,タンパク質と結合してリポタンパク質という物質になる.リポタンパク質にはいくつかの種類があるが,特に重要なのは低密度リポタンパク質(LDL-C)と高密度リポタンパク質(HDL-C)である.LDL-Cは肝臓でつくられたコレステロールを全身に運ぶが,その量が多すぎると血液中にたまってしまい行き場がなくなり,動脈内壁に付着することによって動脈硬化発症の原因になる.逆に少なすぎると脳出血の原因にもなりうる.LDL-Cにはこうした作用があるため「悪玉」とよばれ,反対にLDL-Cを回収する働きのあるHDL-Cは「善玉」とよばれている.「善」だ「悪」だとよばれてはいるが,悪玉コレステロール(LDL-C)自体で身体に悪影響はない.

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