第5章栄養状態の評価
5-3:血清総タンパク(TP)[total protein]
■血清総タンパク(TP)[total protein]
基準値 6.7~8.3 g/dL
血液は血球(細胞成分)と血漿(体液成分)からなる.血漿から血液凝固因子を除いたものを血清といい,ここに含まれるタンパクを総称して血清総タンパクという.
血清総タンパクは血清中の6~8%を占め,多種類のタンパク成分から成り立つ(表1).62~72%がアルブミン,11~20%がγ-グロブリンである.血清総タンパク値が変動する要因としてはタンパクの合成,分解,体外喪失があげられるが,アルブミンの増加およびγ-グロブリンの減少がみられることはまずない.そのためほとんどの場合,血清総タンパクの増加はγ-グロブリンの増加を反映し,減少はアルブミンの低下を反映する.
