第5章栄養状態の評価
5-2:上腕三頭筋部皮下脂肪厚(TSF)
■上腕三頭筋部皮下脂肪厚(TSF)
上腕三頭筋直上の皮下脂肪厚を測定した値.ACと同様,利き手と反対側の上腕中点を専用のキャリパーを用いて測定し,日本人の身体計測基準値JARD2001(参考文献5-2-4)の年齢・性別の中央値と比較する(図2).
図2●上腕三頭筋部皮下脂肪厚(triceps skinfold thickness:TSF)の測定法
a:
①患者を座位または仰臥位にし,計測者は測定する腕(ACと同側)の肘を直角に曲げ,上腕部は胴体にむかって平行に沿わせる.
②肩先(肩峰:A点)から肘先(尺骨の肘頭:B点)の距離を中心点とし,水性マジックなどでマークする(注:マークせず指で押さえても可).
③測定する腕を楽に胴体に添わせる.
b:
④計測者は上腕の中心点から1 cm上方の皮膚を脂肪層と筋肉部分を分離するようにつまみあげる.
⑤キャリパーの口をつまみあげた脂肪層の中心点に垂直にあて,圧力線が一定になるまではさみ,3秒後に計測値を読み取る.視差による誤差を避けるために,計測者は目盛の位置まで目線を下げる.目盛は2 mmの近似値まで読み取る.この計を2回行い平均値をとる.
(文献5-2-14より引用)