第4章栄養と免疫,および生体防御機構
4-3:プロバイオティクス[probiotics]
■プロバイオティクス[probiotics]
プロバイオティクスは,概念の起源には諸説あるが,1989 年,Fullerら(参考文献4-3-9)により「腸内常在菌のバランスを変えることにより宿主に保健効果を示す生きた微生物」として定義された.1998年にはSalminenら(参考文献4-3-10)により「宿主に保健効果を示す生きた微生物またはそれを含む食品」として「ヒト試験研究を通じて解明され,表示されるべきもの」と再定義された.現在の定義は,2001年に行われた国連食糧農業機関(FAO)と世界保健機関(WHO)との合同専門会議において提示された「適正な量を摂取したときに宿主に有用な作用を示す生菌」とされている(参考文献4-3-11).
プロバイオティクスの効果としては多くの生理的機能が期待されている(表1).
