第2章栄養素とその代謝
2-8:食物繊維
■食物繊維とは
食物繊維に関する統一した定義はなく,さまざまなものがあるが(表Ⅰ),基本的には消化管で消化されない多糖類であること,または生理機能を有する難消化性の炭水化物を指しており,日本食物繊維学会は,これら消化抵抗性の食品成分を包括的に合わせて,ルミナコイド(luminacoid)という用語を提唱している.分類も,食物繊維の由来をもとにして水溶性食物繊維(soluble dietary fiber)と不溶性食物繊維(insoluble dietary fiber)に分ける方法(表Ⅱ)や,ホモグルカン,ヘテログルカンなど化学構造をもとにして分ける方法などがある.また,日本で食品表示に用いられる食物繊維には,表Ⅲに示したものがある.
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(文献2-8-1より引用)
日本人の食事摂取基準(2020年版)による食物繊維の目標量は,1日20 g程度であるが,2017年の国民健康・栄養調査結果では,14~15 g/日を推移している.