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キーワードでわかる臨床栄養

第2章栄養素とその代謝

2-7:葉酸[folic acid]

葉酸[folic acid]
 血清葉酸基準値:3.6~12.9 ng/mL
 葉酸は,葉酸群としてプテリジン二環リング,p-アミノ安息香酸に1つのl-グルタミン酸が結合したプテロイルモノグルタミン酸(folic acid)と複数のl-グルタミン酸が結合したプテロイルポリグルタミン酸(folate)が存在している.食品中に含まれる葉酸は,主にプテロイルポリグルタミン酸である.摂取後,ポリグルタミン酸は小腸で加水分解され,モノグルタミン酸型になり,吸収され,小腸細胞内で5-メチルテトラヒドロ葉酸となり,血中に出現し,各組織に運搬される.組織に取り込まれた後にはポリグルタミン酸型としてタンパク質と結合して存在している.
 葉酸は,細胞内で葉酸補酵素として,アミノ酸代謝,ヌクレオチド生成,メチル基の供与などに関与している.
 葉酸の欠乏症としては,巨赤芽球性貧血や神経障害が起こる.胎児では,ミエリンのメチル化の阻害により神経管閉鎖障害のリスクが高くなる.過剰症は,通常の食事摂取時には発生しないが,プテロイルポリグルタミン酸強化食品を摂取した場合に悪性貧血のマスキング,神経障害が起こることが報告されている.

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