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キーワードでわかる臨床栄養

第2章栄養素とその代謝

2-4:胆汁酸[bile acid]

胆汁酸[bile acid]
 胆汁酸は強い界面活性作用をもっており,脂質を乳化し,ミセルを形成することによってトリグリセリドやコレステロール,脂溶性ビタミンの消化・吸収を促進する.
 胆汁酸は,肝臓でコレステロールから合成される.コレステロールがヒドロキシル化されて,7α-ヒドロキシコレステロールが生じる,この反応はコレステロールによって正に調整され,胆汁酸によって負に調整される.7α-ヒドロキシコレステロールからは,2つの経路でそれぞれコール酸とケノデオキシコール酸が生成する.これらは一次胆汁酸といわれる.この後,タウリンあるいはグリシンと結合して胆汁酸塩として分泌される.
 小腸に分泌された胆汁酸は,腸内細菌の作用でタウリンやグリシンが離脱し,さらに,二次胆汁酸とよばれるデオキシコール酸あるいはリトコール酸に変換され,小腸末端(回腸)から吸収されて肝臓に戻る.これを腸肝循環とよぶ(図10).再吸収された胆汁酸は小腸に分泌された胆汁酸の98~99%で,残りの1~2%は糞便に排泄される.これはコレステロールを体外に排出する主要な経路である.
図10
図10●胆汁酸の腸肝循環

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