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キーワードでわかる臨床栄養

第12章在宅栄養管理

12-2:看取りの食支援[nutrition support at the end of life]

看取りの食支援[nutrition support at the end of life]
 終末期においては,食の役割はすでに栄養補給ではなく,患者自身にとって食べることが楽しみにならないことがある.しかし「食べなければ元気になれない」,「何とか食べ続けてもらいたい」と願う家族は多い.家族が,食を提供することに大きな役割と充実感を感じていることも事実である(参考文献12-2-10).患者と家族のそれぞれの思いに寄り添い,「きずなとしての食」を支援することも必要である.食は人によって在り方がさまざまのため,それぞれの家々にその家庭だけの食文化がある.大切な思い出や懐かしい記憶のなかに「特別な料理」も存在する.家で望むものを食べられることは患者にとっては喜びに違いないが,残された家族にとってもその喜んでいる姿はずっと心に残るはずである(参考文献12-2-11).それが家族のグリーフケアにつながっていく.食は医療行為ではなく日常のひとこまである.家族ができることを一緒に見つけていくことが食楽支援につながっていく.

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