第12章在宅栄養管理
12-2:食べる力の評価[evaluation of eating competence]
■食べる力の評価[evaluation of eating competence]
在宅患者において,摂食嚥下機能低下や障害をもっているケースは多い.疾患に起因することもあれば加齢・老化による場合もあるが,それら複数の要因が関係するケースがほとんどである.嚥下造影など病院で行う嚥下評価を在宅で行うことは困難であるが,より安全に食事ができる支援を行うことは可能である.摂食嚥下障害は,口腔機能の低下に起因することが多く,まずは「食べられる口づくり」が必要になる.総合在宅医療クリニックでは,全新規患者にCNAQ-J(食欲),MNA®-SF(栄養状態),EAT-10(嚥下機能),FIM(ADL),FOIS(食事形態),MMSE(認知機能)のスクリーニングを行い,さらに必要な患者には,口腔機能測定を実施している(図3).口腔機能測定では,舌圧測定,口唇閉鎖力測定,口腔乾燥度測定,口腔細菌数測定,咬合支持領域確認(アイヒナー分類)を継続的に実施し,食べる力を点数化して評価している.食べる力をレーダーチャートで見える化して伝えることで,患者・家族のモチベーションを高めることにつながる.
図3●口腔機能測定