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キーワードでわかる臨床栄養

第10章各疾患の栄養管理

10-9:心臓リハビリテーション[cardiac rehabilitation]

心臓リハビリテーション[cardiac rehabilitation]
 心臓リハビリテーションとは,心臓疾患で入院し治療を受ける患者に対して,QOLの改善と再発予防を目的に行われる一連の介入を指す.
運動療法のみを指すものではなく,生活指導,栄養指導,服薬指導などの患者教育や心理的カウンセリングなど,多岐にわたる患者支援を含んでおり,理学療法士のみならず,医師,管理栄養士,看護師,薬剤師などがチーム医療として行うことが多い.心臓リハビリテーションの歴史は古く,従来は心筋梗塞が主な対象であった.しかし,現在のわが国での心臓リハビリテーションの適応は心筋梗塞以外にも狭心症や開心術後,慢性心不全,大血管疾患,末梢閉塞性疾患と多岐にわたる.心臓リハビリテーションの定義は,医学的な評価,運動処方,冠危険因子の是正,教育およびカウンセリングからなる長期にわたる包括的プログラムと示されている(参考文献10-9-9).このなかで再発予防の観点からの栄養指導の意義は大きく,冠動脈疾患の危険因子である肥満,高血圧,糖尿病,脂質異常症の原因は食生活であるといっても過言ではない.服薬を行っているために検査値が落ち着いている場合も少なくないため,栄養指導前には,医師はじめ薬剤師や看護師などと情報の共有を行う必要がある.

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