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第10章各疾患の栄養管理

10-7:インスリン分泌低下とインスリン抵抗性[impairment in insulin secretion and insulin resistance]

インスリン分泌低下とインスリン抵抗性[impairment in insulin secretion and insulin resistance]
 血糖値を上昇させるホルモンには,グルカゴン,カテコールアミン,コルチゾール成長ホルモンなど複数あるが,低下作用を有するのはインスリンのみであり,インスリン分泌の低下あるいはインスリン抵抗性の増大により血糖値は上昇する.
 インスリン分泌低下は,1型では膵臓ランゲルハンス島β細胞の破壊,2型では遺伝的素因や高血糖に伴う糖毒性により生じる.インスリン抵抗性は,肥満や運動不足に伴う内臓脂肪蓄積によるアディポサイトカインの異常〔アディポネクチンの低下,TNF-α(tumor necrosis factor α)やPAI-1の上昇など〕で生じる.高齢者では加齢に伴う骨格筋の減少と相対的な内臓脂肪の増加などにより助長される(参考文献10-7-5).また,インスリン抵抗性および高インスリン血症は,高トリグリセリド血症や高血圧症,アテローム性動脈硬化症の原因となる.インスリン分泌能および抵抗性の評価法を表1に示す.
表1

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