第10章各疾患の栄養管理
10-3:施設ごとの重症患者経腸栄養プロトコール[enteral feeding protocol]
■施設ごとの重症患者経腸栄養プロトコール[enteral feeding protocol]
経腸栄養開始プロトコールは,早期経腸栄養の実現,経腸栄養投与量の増加,教育効果などが報告されており,各ガイドラインで推奨されている(参考文献10-3-3),(参考文献10-3-4).プロトコールでは,目標投与量の設定,開始の方法,胃残留量の取り扱い,胃管フラッシュの頻度,投与量の増減(調節・中止する方法),合併症の取り扱いに関する指示(便秘・下痢,胃残留量が多いなど)を含む内容がよいとされている.当施設では,プロトコール導入(図1)とともにNSTカンファレンスの強化も行い,早期経腸栄養を実現することができた.その他,栄養療法にかかわるプロトコールとしては,嚥下評価・経口摂取開始のプロトコール,排便障害に対するプロトコールなどがある.各プロトコールは相互に関連するため,作成にあたっては多職種で知恵を出し合って共有・浸透させることが重要であり,そうすることによって重症患者の診療全体のレベルアップにつながる.
