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キーワードでわかる臨床栄養

第10章各疾患の栄養管理

10-17:攻めの栄養管理[aggressive nutrition care management]

攻めの栄養管理[aggressive nutrition care management]
 攻めの栄養管理とは,体重や筋肉量の増加を意図的にめざした栄養管理である.炎症のないもしくは軽度の炎症しか認めない低栄養による体重減少の場合,1日エネルギー必要量=1日エネルギー消費量+1日エネルギー蓄積量(200~1,000 kcal)と計算して,食品強化やタンパク質エネルギー補給を行えば,栄養状態の改善を期待できる.1日エネルギー蓄積量を何kcalにするかは,リハ栄養ゴール設定によって決まる.理論的には7,000~7,500 kcalのエネルギーバランスで,体重が1 kg増減する.例えば,1カ月で1 kgの体重増加というゴール設定をした場合,1日エネルギー蓄積量を250 kcalとする.一方,1カ月で3 kgの体重増加をめざす場合には,1日エネルギー蓄積量を750 kcalとする.ただし,運動療法と併用しないと筋肉でなく脂肪で体重が増えるため,攻めの栄養管理には運動療法,特にレジスタンストレーニングの併用が欠かせない.攻めの栄養管理の実施時は,高血糖,脂肪肝,腎障害,脂質異常症,電解質異常のモニタリングが必要である.

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