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キーワードでわかる臨床栄養

第10章各疾患の栄養管理

10-17:サルコペニアの摂食嚥下障害[sarcopenic dysphagia]

サルコペニアの摂食嚥下障害[sarcopenic dysphagia]
 サルコペニアの摂食嚥下障害とは,全身および嚥下関連筋の筋肉量減少,筋力低下による摂食嚥下障害である.医原性サルコペニアによって摂食嚥下障害を生じた場合,医原性摂食嚥下障害といえる.診断には,サルコペニアの摂食嚥下障害診断フローチャートが有用である(図1)(参考文献10-17-7).急性期病院である当院リハ科に摂食嚥下リハの依頼があった入院患者のうち,32%がサルコペニアの摂食嚥下障害の可能性が高い,もしくは可能性があると診断された(参考文献10-17-8).つまり急性期病院では,サルコペニアの摂食嚥下障害の患者が少なくない.サルコペニアの摂食嚥下障害の可能性あり,もしくは高いと判定された場合には,理想体重1kgあたり35kcalの攻めの栄養管理とリハの併用が有用な可能性がある.
 2019年に日本サルコペニア・フレイル学会,日本摂食嚥下リハビリテーション学会,日本リハビリテーション栄養学会,日本嚥下医学会の4学会によって,「サルコペニアと摂食嚥下障害」のポジションペーパーが公開された(参考文献10-17-9).
図1

図1●サルコペニアの摂食嚥下障害診断フローチャート
(文献10-17-7より引用)

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