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キーワードでわかる臨床栄養

第10章各疾患の栄養管理

10-16:発がんと脂肪酸[fatty acid and carcinogenesis]

発がんと脂肪酸[fatty acid and carcinogenesis]
 欧米で多いとされている癌腫,そして日本で増加しつつある癌腫における動物を用いた研究では,n-6系脂肪酸ががんの発育を促進し,n-3系脂肪酸が抑制することが明らかにされている.リノール酸-アラキドン酸-エイコサノイドというリノール酸カスケード(アラキドン酸カスケードともいう)の亢進が発がん率を上げるといわれている.これは,①n-6/n-3比の低い魚油,シソ油(エゴマ油)などが発がんを抑制する,②NSAIDsなどの薬剤がリノール酸カスケードを抑制する機序で発がんを抑制する,③リノール酸カスケードにかかわる酵素の遺伝子や受容体の抑制により発がんを抑制する,などの研究から仮説が立てられたが,臨床的に十分なエビデンスが存在するとはいえない(参考文献10-16-33).

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