第10章各疾患の栄養管理
10-16:がん悪液質の治療[therapeutic approach for cancer cachexia]
■がん悪液質の治療[therapeutic approach for cancer cachexia]
がん患者のQOLは,その20%が栄養摂取状況で,その30%が体重減少の有無によって規定されるという報告がある(参考文献10-16-22).また,anorexia(食欲低下)の1つの症状である早期満腹感を認める症例は30%死亡率が増加するという報告もあり(参考文献10-16-23),食欲不振悪液質症候群に対する治療は重要である.治療法としては食事栄養療法,薬物療法に分けられる.
① 食事栄養療法
a. カウンセリング
がん患者個人への食事などのカウンセリングや介入は栄養状態の悪化を抑制し,QOLを改善させることが報告されている(参考文献10-16-24).
