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キーワードでわかる臨床栄養

第10章各疾患の栄養管理

10-14:分岐鎖アミノ酸療法[branched-chain amino acid treatment]

分岐鎖アミノ酸療法[branched-chain amino acid treatment]
 肝硬変では,肝細胞障害により尿素合成の低下による高アンモニア血症をきたすことがあり,増加したアンモニアが代償性に筋肉や脳で代謝される.筋肉や脳ではアンモニアの解毒が分岐鎖アミノ酸(branched-chain amino acid:BCAA)の酸化と共役的に行われるため,BCAAの減少をきたす.このアミノ酸代謝異常に起因する高アンモニア血症の治療を目的にBCAA高含有の輸液が開発され,血漿BCAAが著しく低下した肝性脳症に対して一定の効果が認められている(参考文献10-14-2).蛋白不耐症における脳症の予防には,BCAA高含有の経腸栄養剤の併用が有効である.蛋白不耐症がなく低タンパク血症を認める例にはBCAA顆粒(リーバクト®)の補充が長期予後の改善に有用であることが報告されている(参考文献10-14-3).図1に当科におけるBCAA製剤使用基準を示す.
図1

図1●分岐鎖アミノ酸製剤の使い分け(岩手医科大学肝臓内科)
ALB:albumin(アルブミン),BTR:BCAA/tyrosine molar ratio(総分岐鎖アミノ酸/チロシンモル比)

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