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キーワードでわかる臨床栄養

第10章各疾患の栄養管理

10-13:炎症性腸疾患と鉄,フェリチン[iron, ferritin]

■炎症性腸疾患と鉄,フェリチン[iron, ferritin]
 フェリチンは可溶性の組織タンパクであり,肝・脾・胎盤などの体内の組織に存在している.血清中のフェリチン濃度は体内の貯蔵鉄量を反映している.血清フェリチンが増加するときは貯蔵鉄の増加を意味し,低下は貯蔵鉄の減少を意味する.消化管出血が続くと慢性的な鉄欠乏状態に陥り,鉄欠乏性貧血が起こる.フェリチンは炎症反応により増加するが,鉄欠乏を知る有用なマーカーでもある.ただし,悪性腫瘍,肝障害,心筋梗塞,感染症などでは組織破壊に伴い血中への逸脱があるので,貯蔵鉄量とは無関係に上昇することがある.

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