第10章各疾患の栄養管理
10-12:高炭水化物・低脂肪食[low fat-high carbohydrate diet]
■高炭水化物・低脂肪食[low fat-high carbohydrate diet]
SBS患者での比較試験では,大腸が残存している患者において高炭水化物・低脂肪食では低炭水化物・高脂肪食に比べ,便中のエネルギー損失が500 kcal/日減少し,また,エネルギー吸収は有意に高かった.一方,大腸が残存しない末端空腸瘻患者では高炭水化物・低脂肪食と低炭水化物・高脂肪食で効果に差は認められなかった.
また,炭水化物の種類に関しては,単純炭水化物(単糖類)はSBS患者では浸透圧性の下痢を起こすことがあり,発酵による短鎖脂肪酸への変換もしないため,複合炭水化物の方が単純炭水化物よりも望ましい.
【各章目次】
- 第1章:栄養障害と栄養療法
- 第2章:栄養素とその代謝
- 第3章:侵襲に対する生体反応
- 第4章:栄養と免疫,および生体防御機構
- 第5章:栄養状態の評価
- 第6章:栄養療法の実践
- 第7章:経口栄養療法
- 第8章:経腸栄養法
- 第9章:静脈栄養法
- 第10章:各疾患の栄養管理
- 第11章:高齢者の栄養管理
- 第12章:在宅栄養管理
- 付録
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