ブイ・クレスCP10（ミックスフルーツ）製品の安全性情報

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ブイ・クレスCP10（ミックスフルーツ）
製品の安全性情報
コラーゲンペプチドの安全性情報
ブイ・クレスCP10（ミックスフルーツ）の
副次的作用情報

ブイ・クレスCP10
（ミックスフルーツ）製品
の安全性情報

褥瘡患者に対する公表された情報（論文、学会発表・症例報告など）

※論文、学会発表・症例報告の詳細内容につきましては、各掲載誌または掲載ウェブページにてご確認下さい。

論文

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論文名	A multicenter, randomized, controlled study of the use of nutritional supplements containing collagen peptides to facilitate the healing of pressure ulcers
年	2017	学会名・雑誌名	Journal of Nutrition & Intermediary Metabolism　Volume 8, June 2017, Pages 51-59	更新日	2021年8月
著者	HideharuY.MD, PhD et al
要約	【目的】コラーゲンペプチド（CP)の臨床効果を実証する目的で多施設共同ランダム化比較試験を実施した。【方法】2014年3月～2015年4月にセンター方式により登録された66例の経管栄養もしくは経口摂取の褥瘡患者を対象とし無作為に非投与群、CP含有飲料投与群（CP10群）、アルギニン（Arg）含有飲料投与群（Arg群）の各群に割り付けた。非投与群は研究開始前から研究期間終了まで栄養摂取内容を変更せず、CP10群にはブイ・クレスCP10（CP10.0g）、Arg群にはアイソカルアルジネード（Arg2.5g含有）を付加し、1日1本を経管もしくは経口投与した。研究期間は4週間とした。日本静脈経腸栄養学会と日本褥瘡学会の医師が所属する22施設にて実施した。褥瘡治癒の評価はDESIGN-Rを用い、深さD3～4滲出液e0～E6大きさs3～S15炎症/感染i0～i1肉芽組織g1～G5壊死組織n0~N3ポケットp0～P6 の全条件を満たす症例を対象とした。DESIGN-Rは研究開始前、1，2、3、4週間目に記録し、2、4週間目に血液生化学的検査を行った。【結果】解析対象は51例（非投与群16例、CP10群18例、Arg群17例）となった。DESIGN-R実測値の合計スコアは、全ての群で最終スコアは、摂取開始前と比較して低下（改善）した。CP10群では非投与群と比較して、摂取2週間後以降および最終スコアで有意に低値となった。Arg群では摂取2週目までは低下したが、その後は低下しなかった。DESIGN-R変動値の合計スコアは、CP10群では非投与群と比較して、摂取4週間後および最終スコアにて有意に低値となった。血清総蛋白、アルブミン、プレアルブミンは全ての群で前後で有意な上昇は認めなかった。【結論】蛋白栄養指標に有意差が無く、付加栄養剤によって褥瘡治癒に有意差を認めたことからCP摂取によるCP独自の機序を介した褥瘡治癒促進効果があると考えられた。

学会発表・症例報告

日本褥瘡学会

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演題名	O-124 コラーゲンペプチド高含有飲料の褥瘡治癒促進効果-多施設共同前向き臨床研究 Pilot Study-
年	2014	学会名・雑誌名	第16回日本褥瘡学会学術集会	更新日	2021年8月
発表者	社会医療法人若弘会若草第一病院外科　山中英治　他
要約	【目的】褥瘡治癒は栄養も重要である。治癒促進効果を期待した栄養剤も市販されているがエビデンスは乏しい。動物試験ではコラーゲンペプチドの摂取により褥瘡治癒が促進された報告がある。コラーゲンペプチド高含有飲料の褥瘡治癒促進効果の無作為化比較対照試験を行うべく，多施設共同前向き臨床研究Pilot Study を実施した。【方法】研究期間は平成25年７月～平成25年11月。本人または家族から同意を得た褥瘡患者を対象に，３週間以上コラーゲンペプチド10g 含有CP10®を１日１本投与し，投与期間中の褥瘡面積，DESIGN-R スコア，血液検査値の推移について評価した。投与経腸栄養剤の種類，投与量は研究開始前と同製品で同熱量とした。【結果】症例数７例。CP10® 投与３～４週間後において，褥瘡面積比では有意（p＜0.01）に減少した（100％→55.5％）。DESIGN-R スコアの合計点では14.4→14.1，DESIGN-R の各項目では，深さ，大きさ，肉芽組織の項目が減少した。TP［g/dl］6.8→7.0，Alb［g/dl］3.1→3.4，PreAlb［mg/dl］18.2→19.4，Zn［μg/dl］55.6→74.0（p＜0.05）の各値は増加した。BUN［mg/dl］が21.1→22.6と増加したが安全域であった。問題となる有害事象は無かった。コラーゲンペプチドのジペプチド（ProHyp, HypGly）血中値の増加が確認された（ProHyp［nmol/ml］1.3→13.8，HypGly［nmol/ml］0.012→0.63）。【考察・まとめ】CP10® 投与による栄養状態の改善，褥瘡治癒促進の可能性が示唆された。コラーゲンペプチドの摂取により血中のProHyp やHypGly のジペプチドが高濃度となったことから，これらのジペプチドが褥瘡治癒に関与すると推察される。

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演題名	O-129 コラーゲンペプチド高含有飲料の褥瘡治癒促進効果に関する多施設共同研究
年	2015	学会名・雑誌名	第17回日本褥瘡学会学術集会	更新日	2021年8月
発表者	社会医療法人若弘会若草第一病院外科　山中英治　他
要約	【目的】褥瘡治癒には局所の適切なケアに加えて十分なエネルギーと蛋白質が必須である。さらに上乗せ効果のある栄養素としてアルギニン（Arg)やコラーゲンペプチド（CP)などが挙げられるがエビデンスのある臨床研究に乏しい。我々は昨年の褥瘡学会において、Pilot Studyとして褥瘡患者を対象に3~4週間CP10（コラーゲンペプチド10g含有）を1日1本投与し、褥瘡患者でも健常人と同様に、投与後にCP関連血中ジペプチド濃度は上昇、CP10投与３～４週間後に褥瘡面積比が有意（p＜0.01）に減少、有害事象はなかったことから、ランダム化比較試験を行う意義があることを発表した。そこで今回はCP含有飲料の褥瘡治癒促進効果について、臨床効果を科学的に検証するランダム化比較試験を実施したので報告する。【方法】H26年3月～27年4月の期間に同意を得た褥瘡患者を対象とし、適切な褥瘡ケアと栄養サポートのできる多施設で、非投与群、CP群、Arg群の3群に割り付けてランダム化比較試験を行った。褥瘡の深さはD3またはD4を対象とし、研究期間は4週間、各投与群には各製品を1日1本投与し、研究期間中の褥瘡面積、DESIGN-Rスコア、血液検査値の推移について評価した。研究期間前から期間中の褥瘡ケアと（試験飲料分を除く）栄養投与量は同じとした。【結果】症例を登録した施設数は25施設、1月末時点で56例が登録された。適切な褥瘡ケアと栄養投与により3群とも褥瘡面積は縮小した。群間比較については全症例の研究期間が終了してから報告する。

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演題名	O-065 難治性褥瘡を有する患者へのコラーゲンペプチド高含有飲料投与における創傷の経過と栄養状態の評価
年	2016	学会名・雑誌名	第18回日本褥瘡学会学術集会	更新日	2021年8月
発表者	社会医療法人水和会倉敷リハビリテーション病院特殊疾患病棟瀧　ひとみ　他
要約	【目的】コラーゲンペプチドの経口摂取は，褥瘡治癒促進に効果があると明らかになっている。褥瘡の寛解と悪化を長期間に渡り繰り返す褥瘡患者にコラーゲンペプチド高含有飲料（以下CP10）の投与を試みた。【方法】難治性の褥瘡を有する遷延性意識障害患者４症例に現行の看護・治療を継続し，CP10を１日１本１ヵ月間投与した。投与前と１ヵ月後の状態を創傷・栄養の面から評価した。【症例】症例１：60歳台男性，仙骨部から殿部にDU-e3s3I9G6N3P9：33,TP6.5, Alb2.9, Hb8.5。症例２：60歳台女性，尾骨部にD3-e1s3i3g0n0p0：４, TP6.8, Alb3.5, Hb12.8。症例３：20歳台男性，仙骨部にD3-e3s9i0G4n0p0：16, TP6.2, Alb4.3, Hb8.5。症例４：90歳台女性，仙骨部にD4e3s12i0g3n0p0：27, TP8.2, Alb3.6, Hb9.3，全症例経管栄養管理，拘縮著明，ADL は全介助である。【結果】投与後１ヵ月の状態は，症例１：DU-e3s3I3G6N3P9：27, TP6.5,Alb3.3, Hb10.4。症例２：治癒，TP6.8, Alb4.0, Hb12.6。症例３：D3-e3s6i0g3n0p0：12, TP7.6, Alb4.8, Hb10.1。症例４：D3-e3s9i0g3n0P9：24, TP8.5, Alb3.7, Hb9.5であった。DESIGN-R は全症例において改善を認め，副作用は見られず投与を継続できた。平均Alb 値0.4g/dℓ, TP 値0.8g/dℓ, Hb 値1.0g/dℓの上昇が見られた。【考察】現行の看護・治療を継続した状態にCP10投与を追加することで，DESIGN-R や血液データに明らかな改善を認めた。下痢などの消化器症状の出現もなかったことが，有意な結果につながったと考える。【結論】CP10は安全に投与でき，難治性の褥瘡保有患者に有用であると示唆された。

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演題名	O-012．抑うつ症状による食思不振を伴う仙骨部重度褥瘡患者への管理栄養士のかかわり
年	2021	学会名・雑誌名	第23回日本褥瘡学会学術集会	更新日	2022年6月
発表者	公益財団法人ときわ会常磐病院栄養課山中　優奈　他
要約	【背景・目的】今回，抑うつ症状による食思不振を伴い，栄養管理に非常に難渋した，仙骨部重度褥瘡患者を経験したので報告する。【症例】84歳女性。左尿管腫瘍にて手術目的に入院。脊柱管狭窄症にてほぼ寝たきり。入院時より食欲不振と仙骨部に重度褥瘡あり DUe3s3i0g0N6p0。入院時Alb 3.2g/dℓ。【経過】左腎尿管全摘術施行。13病日，褥瘡の悪化あり，電気メスにてデブリードマン施行 D4-E6s9I3G6N3p0。Alb2.6g/dℓ。創傷治癒を目的としコラーゲンペプチドを含むCP10を付加した。41病目，Alb2.5g/dℓ，eGFR37.3mℓ/min と，Alb 低下，腎機能の悪化あり。腎機能をモニタリングしながら，リーナレンLP を付加。45病目より陰圧閉鎖療法を開始。62病目，D4-E6s8I3G4N3p0。CP10で嘔気・嘔吐あり。嗜好を確認しアイソカルゼリーに変更。76病目，食事摂取量は１～５割と少なかったが，栄養補助食品の摂取良好であった為，アイソカルゼリーを増量。90病目，Alb1.7g/dℓとさらに低下。腎機能から褥瘡治療に重点を置き，エネルギーと蛋白質確保の為，メイプロテインZn，メイバランスミニへ変更。104病目，Alb1.8g/dℓと若干上昇。創傷治癒を目的とし，亜鉛やアルギニンを多く含むアルジネートウォーターを付加。125病目，Alb1.7g/dℓと低下。しょっぱいものが好きと話あり，毎食練り物を付加。167病目，Alb1.4g/dℓとさらに低下。抑うつ症状みられ，食事摂取量の低下が続く。本人の希望にて，梅干しを付加するなどしたが，食事摂取量はすすまず。169病目，中心静脈栄養を開始した。仙骨部褥瘡はD4-E6I3G4N3p0。【考察】栄養状態の改善に向けて，嗜好を確認しながら食事と栄養補助食品での必要栄養量の確保に努めたが，改善には至らなかった。食思不振の原因は抑うつ状態と推察され，非常に栄養管理に難渋した。

外科代謝栄養学会

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演題名	WS2-6 コラーゲンペプチドの褥瘡治療への臨床効果-多施設共同ランダム化比較試験
年	2016	学会名・雑誌名	外科代謝栄養学会外科と代謝・栄養50巻（2016）3号	更新日	2021/3/15
発表者	若草第一病院外科山中英治　他
要約	【目的】褥瘡は栄養不良では治り難く十分な栄養摂取と局所のケアで治癒するが、上乗せ効果があるとされる栄養素のエビデンスは乏しい。コラーゲンペプチド（CP)は経口摂取で吸収し血中濃度が上がる事や線維芽細胞を刺激することが報告され、ヒトのRCTでは4週間の経口摂取で皮膚の弾力性が有意に改善する等の報告があり、創傷・褥瘡治癒の促進が期待される。今回CPの臨床効果を実証する目的で多施設共同ランダム化比較試験を行った。【方法】2014年3月～2015年4月にセンター方式により登録された6例齢の経管栄養もしくは経口摂取の褥瘡患者を対象とし、登録前に本人または家族からの同意を得た。症例は無作為に非投与群、CP含有飲料投与群（CP10群）、アルギニン（Arg）含有飲料投与群（Arg群）の各群に割り付けられた。非投与群は研究開始前から研究期間終了まで栄養摂取内容を変更せず、CP10群にはブイ・クレスCP10（CP10.0g）、Arg群にはアイソカルアルジネード（Arg2.5g含有）を付加し、1日1本を経管もしくは経口投与した。研究期間は4週間とした。日本静脈経腸栄養学会と日本褥瘡学会の医師が所属する22施設にて実施した。褥瘡治癒の評価はDESIGN-Rを用い、深さD3～4、滲出液e0～E6、大きさs3～S15、炎症/感染i0～i1、肉芽組織g1～G5、壊死組織n0~N3、ポケットp0～P6 の全条件を満たす症例を対象とした。DESIGN-Rは研究開始前、1，2、3、4週間目に記録し、2、4週間目に血液生化学的検査を行った。本研究の実施に際しては、医療機関の倫理審査委員会の承認を得た。【成績】解析対象は51例（非投与群16例、CP10群18例、Arg群17例）となった。摂取エネルギー量、摂取開始前のDESIGN-R合計点、アルブミンなどは各群間で偏りはなかった。DESIGN-R実測値の合計スコアは、全ての群で最終スコアは、摂取開始前と比較して低下（改善）した。CP10群では非投与群と比較して、摂取2週間後以降および最終スコアで有意に低値となった。Arg群では摂取2週目までは低下したが、その後は低下しなかった。DESIGN-R変動値の合計スコアは、CP10群では非投与群と比較して、摂取4週間後および最終スコアにて有意に低値となった。血清叢蛋白、アルブミン、プレアルブミンは全ての群で前後で有意な上昇は認めなかった。【結論】蛋白栄養指標に有意差が無く、付加栄養剤によって褥瘡治癒に有意差を認めたことから、CP摂取によるCP独自の機序を介した褥瘡治癒促進効果があると考えられた。

JSPEN

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演題名	S11-05 褥瘡治癒に有効と言われている栄養剤のエビデンスの検討
年	2015	学会名・雑誌名	第30回日本静脈経腸栄養学会学術集会	更新日	2021/3/15
発表者	社会医療法人若弘会若草第一病院外科　山中英治　他
要約	【はじめに】各種病態に有効という栄養剤のうち、褥瘡に有効と言われているのは、亜鉛とビタミンの他に、アルギニン（Arg）、コラーゲンペプチド（CP）、HMB等である。このうちCPについてのエビデンスを検討中であり経過を報告する。【背景】褥瘡は自分で動けず痩せて骨突出のある患者に発生し易く、栄養不良では治り難い。必要十分な栄養を摂取して、適切な体圧分散と局所のケアを行うことで治癒するが、上乗せ効果があるとされる栄養剤のエビデンスは乏しい。効果を実証するにはヒトでのRCTが必要である。【研究１】褥瘡モデルラットにCPまたはArgを経口投与して治癒効果を比較した検討では、対照群に比して創面積比総和はCP群で有意に低値となった。治癒日数はCP群とArg群で有意に短縮された。【研究２】ヒトでのRCTのPilot Studyとして、経管栄養の褥瘡患者を対象に、3～4週間CP10（CPを10g含有）を1日1本投与した。褥瘡患者でも健常人と同様に投与後にCP関連血中ジペプチド濃度は上昇した。CP投与3～4週後に褥瘡面積比が有意に減少し、血清Alb、PreAlb、亜鉛濃度は上昇した。下痢などの副作用は無かった。【研究３】多施設共同でRCTを開始した。必要量の栄養を摂取できていて、適切な局所のケアが行われている重篤な合併疾患の無い褥瘡患者を対象とした。CP10、アルジネード（Argを2.5g含有）、非投与の3群を無作為抽出した。投与日数は4週間で、投与前、2週後、4週後で、ブレーデンスケール、DESIGN-Rスコア、栄養指標などを比較検討した。【考察】動物実験ではCPはArgと同等または優る褥瘡治癒促進効果を認めた。ヒトを対象としたPilot StudyでCPは有効に吸収され、褥瘡治癒に有用な可能性を認めた。

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演題名	P-12-10 93 歳、大動脈弁・僧帽弁置換術後、慢性硬膜下血腫合併の患者が褥瘡になった
年	2023	学会名・雑誌名	第38回日本臨床栄養代謝学会学術集会	更新日	2023年6月
発表者	高浜豊田病院外科　長谷川正光他
要約	93 歳、大動脈弁・僧帽弁置換術後、慢性硬膜下血腫合併の患者が褥瘡になった。今回我々は慢性硬膜下血種を合併した 2 弁置換後の褥瘡治療を経験したので報告する。患者さんは 1928 年生まれ、2009 年 2 弁置換を受けた。息子と同居、施設入所も検討されていたが娘が 2022年 3 月に引き取った。バイアスピリン、ワーファリンを内服。 8 月初旬から食欲低下。15 日レベル低下・熱発を認めたため近隣基幹病院受診、頭部 CT で慢性硬膜下血腫を指摘され、血液検査では腎前性腎不全と判断された、左大転子部に 6.5㎝× 4.5㎝の DU の褥瘡、左腸骨部に 4.0㎝× 3.0㎝のｄ 2 の褥瘡を認めそのまま入院加療となった。急性期の治療終了後、褥瘡治療目的 9 月 8日転院。左大転子部に 5.5㎝× 4.0㎝の DU の褥瘡、左腸骨部はハイドロサイト使用。身長 130㎝体重 35 ｋｇ ①機械弁が無効になると生死に直結すると考えて、出血性合併症も考慮し PTINR を 2 から 2.5 の間にワーファリンを調節。②ペースト食＜ E1200、P45、水分 1500 ＞にプロッカ 3 ＜ E240、P18.6、水分 173.1 ＞を付加し治療を行った。入院後家族が CP10( ジュース ) ＜ E80、P12、水分 110 ＞を持参し使用を希望された。一度はお断りしたがプロッカ同様ビタミン K を含まないため併用。11 月 21 日褥瘡は治癒したが Cre0.96、BUN53と上昇、同時に 38.5 度まで発熱、補液を行った。24 日には PTINR が 3.87 になりワーファリンを減量したが、摂食量が減り凝固能に影響を与えたかもしれない。12 月 9 日 PTINR1.41 ワーファリン量を復帰、退院調整後 12 月 20 日退院。食べられない時用に半消化態栄養剤（薬品：ビタミン K17.5 μ g/250ml）を希望されたが、コントロールが微妙なのでワーファリン処方の医師に相談すべきと話した。退院後 28 日には Cre0.65、BUN27.8 と改善 PTINR2.91 で用量調整が行われている。

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演題名	P-09-1 新特殊栄養食品採用のための工夫と活用
年	2024	学会名・雑誌名	第39回日本臨床栄養代謝学会学術集会	更新日	2024年6月
発表者	遠山病院栄養科飯田恵利
要約	１．目的当院管理栄養士業務は主に病棟での栄養管理、入院や外来の栄養指導の業務を中心とし、献立作成から厨房業務の調理は全面委託である。日々新しい特殊栄養食品が開発されるが、栄養組成が当院の患者層に必要としても特殊栄養食品は当院の食材費として計上されるため、栄養組成だけで採用とするのは難しい。今回食材費や在庫管理を工夫し、ブイ・クレスＣＰ１０（ニュートリー（株）、以下ＣＰ１０）採用に至った経緯を報告する。２．方法ＣＰ１０はその栄養組成からたんぱく質、亜鉛、鉄強化、コラーゲンペプチド含有など幅広く当院患者層に使用できるため採用を検討したが、特定の疾患を対象とした場合、対象者が不在となれば不動在庫となる。そこで献立に組み込むことで滞りなく使用することとした。ビタミン調整用飲料を週７日５種類提供から、ＣＰ１０を含めたことで種類全般の見直しを行い栄養素も充足しつつ週５日５種類へ変更、１人当たり９３円／週の食材費削減となった。ＣＰ１０の栄養組成をふまえた献立調整を委託業者に依頼し、1 日の栄養量を調整した。３．結果ＣＰ１０採用で定期献立以外に、褥瘡、経管栄養、消化管手術後のクリパス、化学療法、維持透析、嚥下障害、また亜全胃温存膵頭十二指腸切除術後繰り返す吻合部潰瘍治癒（第３８回ＪＳＰＥＮ発表）も含め、必要な患者に多場面で活用している。献立で不足しがちな栄養組成の充実も図れている。４．結論今後も新しい特殊栄養食品が開発されるであろうが、患者ファーストとした採用選定を行い、当院に必要であれば採用できる工夫は直営管理栄養士だけでなく、委託業者も含めた協議で不可能が可能となることもある。今後も新しい特殊栄養食品をまずは検証、運用面の考慮、採用後は必要な患者に必要なタイミングで勧められる管理栄養士の知識や判断が何より不可欠な要素である。

コラーゲンペプチドの
安全性情報

コラーゲンペプチドの安全性情報

※コラーゲンを含めたコラーゲンペプチドの安全性情報の内容詳細につきましては、独立行政法人国立健康・栄養研究所「健康食品」の安全性情報にてご確認下さい。

独立行政法人国立健康・栄養研究所「健康食品」の安全性情報

＜一般＞

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Ⅰ型コラーゲン、コラーゲンペプチドの短時間の適切な摂取は、安全性が示唆されている。 II型コラーゲンの摂取は、安全性が示唆されている。ニワトリのII型コラーゲンの摂取は、食欲不振、嘔吐、胃の不快感、口内炎、膨満感、吐き気、げっぷなどの胃腸症状、トランスアミナーゼ濃度の上昇などを生じる可能性ある。
引用	独立行政法人国立健康・栄養研究所　「健康食品」の素材情報データベースより引用（2021年時）	更新日	2021年8月

＜妊婦・授乳婦＞

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Ⅰ、II型コラーゲン、コラーゲンペプチドの安全性は信頼できる十分な情報がないため、自己判断での摂取を控えること。
引用	独立行政法人国立健康・栄養研究所　「健康食品」の素材情報データベースより引用（2021年時）	更新日	2021年8月

＜その他＞

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ゼラチンなどコラーゲン含有食品に対するアレルギーを有する人はII型コラーゲンの摂取を避けた方がよい。
引用	独立行政法人国立健康・栄養研究所　「健康食品」の素材情報データベースより引用（2021年時）	更新日	2021年8月

＜被害事例：国内＞

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アトピー性皮膚炎の既往歴がある29歳女性 (日本) が、コラーゲン飲料を2ヶ月間摂取したところ (摂取量不明) 、四肢の掻痒および浮腫が生じて医療機関を受診、好酸球数の顕著な増加が認められた。コラーゲン飲料の摂取中止により改善、DLSTにおいて当該製品が陽性であったため、コラーゲン飲料による好酸球増多症と診断された。
引用	独立行政法人国立健康・栄養研究所　「健康食品」の素材情報データベースより引用（2021年時）	更新日	2021年8月

＜被害事例：国内＞

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35歳女性 (日本) が、ブルーベリーやコラーゲンなど、数種類のサプリメントを1年間、毎日摂取したところ (摂取量不明) 、3ヶ月前から全身に蕁麻疹様紅斑を生じて医療機関を受診、真皮の浮腫、好酸球浸潤が認められた。DLSTにおいてブルーベリーとコラーゲンサプリメントが陽性、摂取中止により軽快した。
引用	独立行政法人国立健康・栄養研究所　「健康食品」の素材情報データベースより引用（2021年時）	更新日	2021年8月

＜被害事例：国内＞

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アトピー性皮膚炎の改善を目的として酵素処理した魚由来コラーゲン含有保湿液を15ヶ月間使用していた30歳女性 (日本) が、加水分解魚由来コラーゲンペプチド含有サプリメント1包を摂取して数分以内に口唇の腫れ、目、喉、性器の痒み、気管収縮を生じることを2回経験した。さらに、サプリメントと同じ魚由来コラーゲンペプチド含有グミ1個を摂取して同様の症状を生じた。プリックテストで、魚由来ゼラチン、使用していた3製品およびこれらに含まれていたコラーゲンに陽性を示した。保湿液によって経皮感作した低分子コラーゲンの摂取を原因とするアナフィラキシーと診断された。
引用	独立行政法人国立健康・栄養研究所　「健康食品」の素材情報データベースより引用（2021年時）	更新日	2021年8月

＜被害事例：国内＞

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79歳女性 (日本) が、コラーゲンペプチド含有サプリメントを6ヶ月間摂取したところ (摂取量不明) 、1ヶ月前から活動性低下、意識障害が生じ、医療機関を受診。検査にて高カルシウム血症、類上皮肉芽腫を認めた。摂取中止により改善し、DLSTにてコラーゲン含有サプリメントが陽性であったため、サプリメント摂取による肺サルコイドーシスと考えられた。
引用	独立行政法人国立健康・栄養研究所　「健康食品」の素材情報データベースより引用（2021年時）	更新日	2021年8月

＜被害事例：海外＞

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変形性膝関節症の83歳男性 (アメリカ）が、グルコサミンとコンドロイチンを含むサプリメント (グルコサミン塩酸塩1.5 g、コンドロイチン/ メチルスルフォニルメタン複合1.25 g、コラーゲン (含有量不明) 、AKBA含有ボスウェリア・セラータ樹脂抽出物125 mg、ホウ素3 mg/日含有）を2週間摂取したところ、外耳の軽度の掻痒、紅斑が4ヶ月継続した後、両側耳介軟骨炎を呈し受診。検査によりサプリメントが関連した再発性多発軟骨炎と診断され、摂取を中止したが改善せず加療した。
引用	独立行政法人国立健康・栄養研究所　「健康食品」の素材情報データベースより引用（2021年時）	更新日	2021年8月

＜被害事例：その他＞

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コラーゲン注入の副作用として、遅延型陽性反応 (7例) 、ビーズ状反応 (165例) 、点状出血斑 (13例) 、紫外線による異常反応 (2例) が報告されている。
引用	独立行政法人国立健康・栄養研究所　「健康食品」の素材情報データベースより引用（2021年時）	更新日	2021年8月

＜動物他での毒性試験＞

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ラットに、ウシ真皮由来の注射用コラーゲンを皮下投与したところ、石灰沈着およびその周囲の異物肉芽腫の形成が認められた。
引用	独立行政法人国立健康・栄養研究所　「健康食品」の素材情報データベースより引用（2021年時）	更新日	2021年8月

コラーゲンペプチドのがん関連線維芽細胞（CAF）への影響（がんの増悪）について公表されている資料（論文）

※ブイ・クレスCP10（ミックスフルーツ）およびコラーゲンペプチドに関する安全性情報は、関与成分の「コラーゲンペプチド」の“がん関連線維芽細胞（CAF）”への影響について継続的に調査するために掲載しています。

※コラーゲンペプチドは、線維芽細胞を刺激し、皮膚コラーゲン合成を促進することが知られていますが、現在のところ、コラーゲンペプチドが、がん関連線維芽細胞（CAF）を増殖・促進する報告は見当たりません。

※がん関連線維芽細胞（CAF）の増殖・促進を評価する研究が検討されています。

※論文の詳細内容につきましては、各論文にてご確認下さい。

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論文名	Identification of Food-Derived Collagen Peptides in Human Blood after Oral Ingestion of Gelatin Hydrolysates
掲載年	2005	雑誌	J. Agric. Food Chem. 2005, 53, 6531-6536 6531	更新日	2021年8月
著者	Koji Iwai, et al
要約	本研究ではゼラチン加水分解物の経口摂取後のヒト血液中にあるいくつかの食物由来コラーゲンペプチドを同定した。健常人ボランティアは、12時間絶食後、豚皮、鶏足、軟骨　由来のゼラチン加水分解物(9.4-23 g)を摂取した。摂取前のヒト血液中には、ペプチド形態のヒドロキシプロリン(Hyp)がわずかに観察された。経口摂取1〜2時間後、ペプチド形態のHypは大幅に増加し最大レベル(血漿20-60 nmol/mL)に達し、摂取4時間後に最大レベルの半分まで減少した。ヒト血清および血漿中の食物由来コラーゲンペプチドの主要成分は、Pro-Hypと同定された。さらに、少量ではあるが、Ala-Hyp, Ala-Hyp-Gly, Pro-Hyp-Gly, Leu-Hyp, Ile-Hyp, Phe-Hypが含まれていた。

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論文名	Ingestion of Proteoglycan Fraction from Shark Cartilage Increases　Serum Inhibitory Activity against　 Matrix Metalloproteinase-9 and Suppresses Development of N-Nitrosobis(2-oxopropyl)amine-Induced Pancreatic Duct Carcinogenesis in Hamster
掲載年	2012	雑誌	J. Agric.Food Chem. 2012, 60, 940−945	更新日	2021年8月
著者	Tsukasa Kitahashi, et al
要約	サメ軟骨の水抽出物をサンプルの両性性質に焦点を当てた等電点電気泳動により酸性および塩基画分に分けた。酸性画分をさらにエタノール可溶画分および沈殿画分に分けN-nitrosobis(2-オキソプロピル)アミンを用いた化学発がん処理後、ハムスターに各画分または精製コンドロイチン硫酸塩0.4%(w/w)を含む餌を50日間与えた。酸性エタノール沈殿画分含有の餌のみの投与群は、コラーゲン分解酵素MMP-9に対する血清阻害活性を有意に増加させ、膵管内の腺癌の数を減少させた。活性画分は主にコンドロイチン硫酸塩含有プロテオグリカンからなる。しかしながら、精製コンドロイチン硫酸塩は有意な活性を示さなかった。これらの結果は、プロテオグリカンのタンパク質部分がコラーゲン分解酵素MMP-9に対する血清阻害活性の増加、およびハムスターにおける膵管がん発生の抑制に関与する可能性があることを示唆している。

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論文名	大腸がん周術期におけるオリゴペプチド製剤（PN-2）投与の安全性および有用性について：探索的無作為化比較試験
掲載年	2016	雑誌	外科と代謝・栄養50 巻1 号2016年2月	更新日	2021年8月
著者	安枝明日香他
要約	【目的】術後創感染の頻度が高い大腸がん手術では創傷治癒促進，ならびに創感染リスク低減効果の期待できるペプチド製剤が有用であると考える．本研究では本製剤の周術期投与における安全性・有効性について，ペプチド含有製剤PN-2 を用いて検討した．【対象および方法】大腸がん患者を術前に，摂取群（10 名），非摂取群（11 名，介入前に1 名参加拒否）に割り付け，介入前，手術直前，介入終了時に身体計測，血液検査，アンケートを実施した．摂取群は製剤12.5 g/ 包を術前喫食開始時から7 日間，術後7 日間，3 包/ 日摂取し，両群を比較検討した．【結果】摂取群において，未服用なく完遂でき，両群ともに重篤な有害事象は発生しなかった．また，摂取群において非摂取群と比較して，血中ヒドロキシプロリン値が有意に高い結果が得られた．アルブミン，総たんぱくなどの栄養評価項目においては，非摂取群で有意な低下が観察された．【結論】PN-2 は大腸がんの周術期において，安全に投与でき，術後合併症の発症率を下げ，栄養状態を改善する可能性が示唆された．

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論文名	Meflin-positive cancer-associated fibroblasts inhibit pancreatic carcinogenesis
掲載年	2019	雑誌	Cancer Res 2019;79:5367–81	更新日	2021年8月
著者	Yasuyuki Mizutani et al
要約	癌関連線維芽細胞(CAF)は、腫瘍微小環境の主要な構成要素を構成する。遺伝子組み換えマウスモデルおよび臨床研究における最近の知見では、CAFの少なくとも2つの機能的に異なる集団、すなわちがん促進性CAF(pCAF)とがん抑制性CAF(rCAF)が存在する可能性を示唆している。さまざまながん促進性CAFマーカーが同定されているが、がん抑制性CAF固有のマーカーはないため、がん抑制性CAFの同定は不明のままであった。本研究では、間葉系幹細胞のマーカーであり未分化状態を維持するグリコシルホスファチジルイノシトールアンカータンパク質であるMeflin（メフリン）が、膵管腺癌(PDAC)のCAFの供給源である膵管細胞によって発現されることを発見した。71個のヒトPDAC組織のハイブリダイゼーション解析において、Meflin陽性CAFの浸潤は、良好な患者の転帰と相関することを明らかにした。これと一貫して、Meflin欠乏は膵がん発症モデルマウスにおいて組織の不十分な分化とともに明らかに癌進行の促進につながった。同様に、Meflin陽性CAFの遺伝子破壊は、同種移植モデルにおける腫瘍の未熟な分化をもたらした。逆に、腫瘍間質へのMeflin発現レンチウイルスの侵入、またはCAFにおけるMeflinの過剰発現は異種移植片の腫瘍の増殖を抑制した。細胞系譜解析により、Meflin陽性細胞が、Meflin陽性または陰性である平滑筋アクチン陽性のCAFを生じさせ、CAFが形質転換するメカニズムを示唆することが明らかにした。Meflin欠乏または低発現は、マウスまたはヒト膵管腺癌組織それぞれの活発な腫瘍のサインを表す、まっすぐな間質コラーゲン繊維をもたらした。本データはMeflinが膵管腺癌の進行を抑制する抑制性CAFのマーカーであることを示唆している。

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論文名	Amount of Collagen in the Meat Contained in Japanese Daily Dishes and the Collagen Peptide Content in Human Blood after Ingestion of Cooked Fish Meat
掲載年	2019	雑誌	J. Agric.Food Chem. 2019, 67, 2831−2838	更新日	2021年8月
著者	Tomoko Asai et al
要約	日本人の日常的な食事由来のコラーゲン量とヒト血液中の食物由来コラーゲンペプチドの内容物を評価することを目的とした試験を実施した。ほとんどの日本人の日常的な食事における1食分の肉には、牛肉の腱、皮付きウナギ、皮をむいたサメの尾(7.6-13.3 g)を除き、0.2-2.5gのコラーゲンが含まれている。調理されたサメ肉を摂取した後、9つのコラーゲン、ジおよびトリペプチドが血漿中で検出され、Hyp-GlyおよびPro-Hyp-Glyを除くほとんどのペプチド曲線下面積は、コラーゲンの同等量を含むコラーゲン加水分解物を摂取した後の30%であった。同様に、肉中の総コラーゲンの約30%だけが、ペプシンとパンクレアチン消化によって溶液に遊離された。したがって、コラーゲンが豊富な肉の摂取は、血液中のコラーゲンペプチドを増加させ、それは、肉に含まれるコラーゲン含有量だけでなく、消化系の内因性プロテアーゼに対するコラーゲン/ゼラチンへの感受性にも依存する。

ブイ・クレスCP10
（ミックスフルーツ）製品の
副次的作用情報

※現在、報告されている副次的作用はありません。

ブイ・クレスCP10（ミックスフルーツ）
製品の有効性情報
コラーゲンペプチドの褥瘡に関する有効性情報

ブイ・クレスCP10
（ミックスフルーツ）製品の
有効性情報

褥瘡患者に対する公表された情報（論文、学会発表・症例報告など）

※論文、学会発表・症例報告の詳細内容につきましては、各掲載誌または掲載ウェブページにてご確認下さい。

論文

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論文名	A multicenter, randomized, controlled study of the use of nutritional supplements containing collagen peptides to facilitate the healing of pressure ulcers
掲載年	2017	雑誌	Journal of Nutrition & Intermediary Metabolism　Volume 8, June 2017, Pages 51-59	更新日	2021年8月
著者	HideharuY.MD, PhD et al
要約	【目的】コラーゲンペプチド（CP）の臨床効果を実証する目的で多施設共同ランダム化比較試験を実施した。【方法】2014年3月～2015年4月にセンター方式により登録された66例の経管栄養もしくは経口摂取の褥瘡患者を対象とし無作為に非投与群、CP含有飲料投与群（CP10群）、アルギニン（Arg）含有飲料投与群（Arg群）の各群に割り付けた。非投与群は研究開始前から研究期間終了まで栄養摂取内容を変更せず、CP10群にはブイ・クレスCP10（CP10.0g）、Arg群にはアイソカルアルジネード（Arg2.5g含有）を付加し、1日1本を経管もしくは経口投与した。研究期間は4週間とした。日本静脈経腸栄養学会と日本褥瘡学会の医師が所属する22施設にて実施した。褥瘡治癒の評価はDESIGN-Rを用い、深さD3～4、滲出液e0～E6、大きさs3～S15、炎症/感染i0～i1、肉芽組織g1～G5、壊死組織n0~N3、ポケットp0～P6 の全条件を満たす症例を対象とした。DESIGN-Rは研究開始前、1，2、3、4週間目に記録し2、4週間目に血液生化学的検査を行った。【結果】解析対象は51例（非投与群16例、CP10群18例、Arg群17例）となった。 DESIGN-R実測値の合計スコアは、全ての群で最終スコアは摂取開始前と比較して低下（改善）した。CP10群では非投与群と比較して摂取2週間後以降、および最終スコアで有意に低値となった。Arg群では摂取2週目までは低下したがその後は低下しなかった。 DESIGN-R変動値の合計スコアは、CP10群では非投与群と比較して摂取4週間後および最終スコアにて有意に低値となった。血清総蛋白、アルブミン、プレアルブミンは全ての群で前後で有意な上昇は認めなかった。【結論】蛋白栄養指標に有意差が無く、付加栄養剤によって褥瘡治癒に有意差を認めたことからCP摂取によるCP独自の機序を介した褥瘡治癒促進効果があると考えられた。

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論文名	Collagen Peptide as an Effector in Pressure Injuries Treatment in Older Adult Inpatients
掲載年	2019	雑誌	Clinics in Surgery - Pediatric Surgery, Volume 4 ,2019 ,Article 2353	更新日	2021年8月
著者	Teruyoshi Amagai, et al
要約	【目的】コラーゲンペプチド（CP）が高齢入院患者の褥瘡治癒において有効かどうかという仮説を検証した。【方法】この研究は、単一機関で行われた後ろ向きチャートレビューであり、2013年1月から2015年9月の間に単一施設への入院前後に褥瘡を発症した全ての入院患者が登録された。収集されたデータは、1) 患者特性、2) 褥瘡治癒期間中の血液検査、CRP、および血清Alb、3) DESIGN-Rスコア、4) ベースラインでの栄養状態、体重、BMI、および褥瘡治癒期間中のエネルギーおよびタンパク質摂取、5) アウトカムとして、褥瘡治癒期間中のDESIGN-Rスコア(ΔD)とΔD/PPTであった。被験者はCP サプリメントの有無により2つのグループに分けられた。方法①では、褥瘡治癒期間≦28日間vs褥瘡治癒期間＞28日間、方法②では、褥瘡治癒期間≦28日間におけるCP群と非CP群）の褥瘡患者に関する収集された全てのデータを比較した。【結果】2,245人の登録患者のうち、褥瘡の有病率および入院後の褥瘡発生率はそれぞれ2.93%と1.69%であった。結果①：褥瘡治癒期間が28日間以下または28日間以上における比較では、褥瘡治癒期間が28日間以下の患者は、年齢≧89歳、低Alb、DESIGN-Rスコア<10の褥瘡を有するという特徴があり、結果としてPPT/ΔDとΔD/PPTも有意に改善された。結果②：褥瘡治癒期間≦28日間におけるCP群と非CP群の褥瘡患者における比較では、CP群はより深刻な褥瘡を有しており、逆説的にいえばベースラインにおいて有意に低いAlbとHbを有していた。【結論】我々の得た結果から2つの結論が導かれた。（1）28日間内で褥瘡治癒した入院患者では、年齢が89歳以上で低Albであり、有意に短いPPT/ΔD となるより良い結果を得た。（2）CPで治療された褥瘡患者はより重度の褥瘡を有しており、逆説的にいうとベースラインで有意に低いAlbとHbであったが28日以内に治癒した。結論としてCPはベースラインで年齢が89歳以上で、低Albおよび低Hbであり、DESIGN-R<10の患者において戦略的な褥瘡治癒の成分となりうる。

学会発表・症例報告

日本褥瘡学会

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演題名	O-124 コラーゲンペプチド高含有飲料の褥瘡治癒促進効果-多施設共同前向き臨床研究 Pilot Study-
開催年	2014	学会名・雑誌名	第16回日本褥瘡学会学術集会	更新日	2021年8月
発表者	社会医療法人若弘会若草第一病院外科山中英治　他
要約	【目的】褥瘡治癒は栄養も重要である。治癒促進効果を期待した栄養剤も市販されているがエビデンスは乏しい。動物試験ではコラーゲンペプチドの摂取により褥瘡治癒が促進された報告がある。コラーゲンペプチド高含有飲料の褥瘡治癒促進効果の無作為化比較対照試験を行うべく，多施設共同前向き臨床研究Pilot Study を実施した。【方法】研究期間は平成25年７月～平成25年11月。本人または家族から同意を得た褥瘡患者を対象に，３週間以上コラーゲンペプチド10g 含有CP10®を１日１本投与し，投与期間中の褥瘡面積，DESIGN-R スコア，血液検査値の推移について評価した。投与経腸栄養剤の種類，投与量は研究開始前と同製品で同熱量とした。【結果】症例数７例。CP10® 投与３～４週間後において，褥瘡面積比では有意（p<0.01）に減少した（100％→55.5％）。DESIGN-R スコアの合計点では14.4→14.1，DESIGN-R の各項目では，深さ，大きさ，肉芽組織の項目が減少した。TP［g/dl］6.8→7.0，Alb［g/dl］3.1→3.4，PreAlb［mg/dl］18.2→19.4，Zn［μg/dl］55.6→74.0（p<0.05）の各値は増加した。BUN［mg/dl］が21.1→22.6と増加したが安全域であった。問題となる有害事象は無かった。コラーゲンペプチドのジペプチド（ProHyp,HypGly）血中値の増加が確認された（ProHyp［nmol/ml］1.3→13.8，HypGly［nmol/ml］0.012→0.63）。【考察・まとめ】CP10® 投与による栄養状態の改善，褥瘡治癒促進の可能性が示唆された。コラーゲンペプチドの摂取により血中のProHyp やHypGly のジペプチドが高濃度となったことから，これらのジペプチドが褥瘡治癒に関与すると推察される。

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演題名	O-129 コラーゲンペプチド高含有飲料の褥瘡治癒促進効果に関する多施設共同研究
開催年	2015	学会名・雑誌名	第17回日本褥瘡学会学術集会	更新日	2021年8月
発表者	社会医療法人若弘会若草第一病院外科山中英治　他
要約	【目的】褥瘡治癒には局所の適切なケアに加えて十分なエネルギーと蛋白質が必須である。さらに上乗せ効果のある栄養素としてアルギニン（Arg)やコラーゲンペプチド（CP)などが挙げられるがエビデンスのある臨床研究に乏しい。我々は昨年の褥瘡学会において、Pilot Studyとして褥瘡患者を対象に3~4週間CP10（コラーゲンペプチド10g含有）を1日1本投与し、褥瘡患者でも健常人と同様に、投与後にCP関連血中ジペプチド濃度は上昇、CP10投与３～４週間後に褥瘡面積比が有意（p<0.01）に減少、有害事象はなかったことから、ランダム化比較試験を行う意義があることを発表した。そこで今回はCP含有飲料の褥瘡治癒促進効果について、臨床効果を科学的に検証するランダム化比較試験を実施したので報告する。【方法】H26年3月～27年4月の期間に同意を得た褥瘡患者を対象とし、適切な褥瘡ケアと栄養サポートのできる多施設で、非投与群、CP群、Arg群の3群に割り付けてランダム化比較試験を行った。褥瘡の深さはD3またはD4を対象とし、研究期間は4週間、各投与群には各製品を1日1本投与し、研究期間中の褥瘡面積、DESIGN-Rスコア、血液検査値の推移について評価した。研究期間前から期間中の褥瘡ケアと（試験飲料分を除く）栄養投与量は同じとした。【結果】症例を登録した施設数は25施設、1月末時点で56例が登録された。適切な褥瘡ケアと栄養投与により3群とも褥瘡面積は縮小した。群間比較については全症例の研究期間が終了してから報告する。

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演題名	O-127 HMB・アルギニン・グルタミン配合飲料とコラーゲンペプチド高含有飲料の褥瘡治癒促進効果の比較
開催年	2015	学会名・雑誌名	第17回日本褥瘡学会学術集会	更新日	2021年8月
発表者	医療法人慈光会甲府城南病院栄養科保坂　麻衣　他
要約	【目的】褥瘡治癒促進効果が期待される栄養補助食品であるHMB・アルギニン・グルタミン配合飲料（以下アバンド）とコラーゲンペプチド高含有飲料（以下CP10）の投与１ヵ月後の褥瘡の状態や栄養状態を比較検討した。【方法】アバンド（１袋／日）を１ヵ月投与し，その後CP10（１本／日）に切り替え１ヵ月投与し、アバンド開始前，CP10開始時，CP10開始１ヵ月後の褥瘡の状態，栄養状態を評価した。【対象】症例１：80代女性。脳梗塞後遺症で右上肢，両下肢拘縮。右腸骨部にD4E6s8i0g3n0P9（26）の褥瘡。症例２：90代男性。誤嚥性肺炎後廃用症候群，右下肢閉塞性動脈硬化症。右足背部にD4E6s8I3G4n0p0（21）の褥瘡。２症例とも寝たきりでADL 全介助。【結果】アバンド使用期間で症例１はD4e3s6i0g3n0p0（12）へ，症例２はD4e3s8I3g3n0p0（17）へ縮小した。血清アルブミン値は共に大きな改善はなかった。CP10使用期間で症例１はD4e3s6i0g3n0p0（12）と変化なく，症例２はD3e3s6i1g1n0p0（11）と更に縮小した。血清アルブミン値は共に0.4g/dl の改善を認めた。【考察】褥瘡の治癒促進効果に大きな差は認めなかったことから，どちらも同等の褥瘡治癒促進効果があると考えられた。血清アルブミン値はCP10使用後に改善を認めたが，アバンド使用後で褥瘡が改善傾向にあったという背景の影響も考えられた。

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演題名	O-065 難治性褥瘡を有する患者へのコラーゲンペプチド高含有飲料投与における創傷の経過と栄養状態の評価
開催年	2016	学会名・雑誌名	第18回日本褥瘡学会学術集会	更新日	2021年8月
発表者	社会医療法人水和会倉敷リハビリテーション病院特殊疾患病棟瀧　ひとみ　他
要約	【目的】コラーゲンペプチドの経口摂取は，褥瘡治癒促進に効果があると明らかになっている。褥瘡の寛解と悪化を長期間に渡り繰り返す褥瘡患者にコラーゲンペプチド高含有飲料（以下CP10）の投与を試みた。【方法】難治性の褥瘡を有する遷延性意識障害患者４症例に現行の看護・治療を継続し，CP10を１日１本１ヵ月間投与した。投与前と１ヵ月後の状態を創傷・栄養の面から評価した。【症例】症例１：60歳台男性，仙骨部から殿部にDU-e3s3I9G6N3P9：33,TP6.5, Alb2.9, Hb8.5。症例２：60歳台女性，尾骨部にD3-e1s3i3g0n0p0：４, TP6.8, Alb3.5, Hb12.8。症例３：20歳台男性，仙骨部にD3-e3s9i0G4n0p0：16, TP6.2, Alb4.3, Hb8.5。症例４：90歳台女性，仙骨部にD4e3s12i0g3n0p0：27, TP8.2, Alb3.6, Hb9.3，全症例経管栄養管理，拘縮著明，ADL は全介助である。【結果】投与後１ヵ月の状態は，症例１：DU-e3s3I3G6N3P9：27, TP6.5,Alb3.3, Hb10.4。症例２：治癒，TP6.8, Alb4.0, Hb12.6。症例３：D3-e3s6i0g3n0p0：12, TP7.6, Alb4.8, Hb10.1。症例４：D3-e3s9i0g3n0P9：24, TP8.5, Alb3.7, Hb9.5であった。DESIGN-R は全症例において改善を認め，副作用は見られず投与を継続できた。平均Alb 値0.4g/dℓ, TP 値0.8g/dℓ, Hb 値1.0g/dℓの上昇が見られた。【考察】現行の看護・治療を継続した状態にCP10投与を追加することで，DESIGN-R や血液データに明らかな改善を認めた。下痢などの消化器症状の出現もなかったことが，有意な結果につながったと考える。【結論】CP10は安全に投与でき，難治性の褥瘡保有患者に有用であると示唆された。

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演題名	O-067 コラーゲンペプチド高含有食品は褥瘡治癒促進において有効か
開催年	2016	学会名・雑誌名	第18回日本褥瘡学会学術集会	更新日	2021年8月
発表者	社会医療法人緑壮会金田病院外科三村　卓司　他
要約	【目的】褥瘡治療における局所治療と全身療法は，正しいアセスメントの後に行われる事が重要である。また褥瘡治療において栄養の重要性が指摘されて久しく，多くの微量元素の関与が注目されている。中でも線維芽細胞の刺激により褥瘡治癒促進が推測されるコラーゲンペプチドが注目されている。今回コラーゲンペプチド高含有食品の併用を行い，その効果を検討した。【対象と方法】ポケット・感染・糖尿病を有しない，必要エネルギー量の確保できるD3症例３例に，基本的治療の上乗せ効果としてコラーゲンペプチド高含有食品（CP10）を一定期間投与，DESIGN-R の評価を用いて検討した。局所の治療としては，十分な洗浄を行った上での湿潤療法を基本とした。【結果】４週間の投与を行い，DESIGN-R すべての項目において悪化した項目は無く，滲出液，大きさ，肉芽の項目で変化が見られ，３症例の平均で15.6から12.3へと変化した。経過中にコラーゲンペプチド高含有食品が原因と考えられる副作用は認めなかった。【考察】コラーゲンペプチドは，直接創部に影響を及ぼすより, 褥瘡の治癒促進における上乗せ効果と考える。褥瘡治癒促進は，投与の比較的早期の段階での浸出液抑制と，肉芽組織の増加につながったと考えられる。【まとめ】褥瘡治療において，栄養療法の重要性がガイドラインに示されている。今回の検討では早期の段階での治癒促進が示唆され，褥瘡ケアの基本が確実に行われていれば，特定の栄養素が負荷されることで，褥瘡治癒促進において有効である事が示唆された。

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演題名	PD3-1 褥瘡治療におけるコラーゲンペプチドの効果
開催年	2022	学会名・雑誌名	第24回日本褥瘡学会学術集会	更新日	2023年6月
発表者	若草第一病院外科山中英治
要約	【目的】褥瘡治療は体圧分散と局所治療に加え栄養療法が重要で，蛋白合成のための十分な蛋白質とエネルギーが必要であるが，創傷治癒促進の栄養素としてコラーゲンペプチド（CP）追加投与の有効性を臨床的に検討した。【方法】22医療機関の多施設ランダム化比較試験で，非投与群，CP 群，アルギニン（Arg）群の３群に割りつけた。投与前の褥瘡の深さは D3～4で，DESIGN-R と栄養指標の推移を比較検討した。研究期間は４週間で研究開始から終了まで栄養摂取量は変更せず，CP 群にはCP10g 含有飲料を，Arg 群には Arg2.5g 含有飲料を１日１本追加投与した。【結果】非投与群16例，CP 群18例，Arg17例で，DESIGN-R の合計スコアで CP 群は非投与群に比して有意に低下したが，蛋白栄養指標は研究期間前後で有意差は無かった。【考察】栄養指標には有意な変化が無く，CP 群で有意に褥瘡治癒が促進したことから，CP に創傷治癒促進効果があると考えられた。臨床現場では通常の栄養投与に加えて，特定の栄養素を含む栄養剤が追加で投与されており，現実的な投与方法での CP の治癒促進効果が認められた。

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演題名	O-002．重症褥瘡患者の自宅退院後における管理栄養士による継続的な栄養介入の必要性について
開催年	2022	学会名・雑誌名	第24回日本褥瘡学会学術集会	更新日	2023年6月
発表者	東邦大学医療センター大森病院栄養部中西将他
要約	【緒言】重症褥瘡患者の自宅退院後においては，専門的な栄養介入を継続できないことが一因で治療に難渋することがある。今回，自宅退院以降の栄養管理が奏功した症例を報告する。【症例】60歳台女性。ADL 全介助。胃瘻造設後。関節リウマチ・レビー小体型認知症の既往を有し，誤嚥性肺炎で入院。仙骨部（D3-e3s8i0G5n0P9：25点）・背骨部（D3-e3s8i0G5n0P6：22点）に難治性の持込み褥瘡あり。【経過】入院中はラコール半固形®300mℓ×３本投与だったが熱量不足から４本へ増量。また亜鉛低値のためノベルジン®内服し，さらにアバンド®及び CP10®を併用して，1400kcal 蛋白質70g を目標量とした。退院時は身長149cm，体重40.5kg，BMI：18.2kg/m2。CRP0.6mg/dℓ，ALB3.4g/dℓ，Hb10.5g/dℓ，Zn78.6µg/dℓ。創傷治癒に有効な栄養療法について夫に指導したところ，栄養素強化の理解も得られたため，退院後は市販サプリメントを組合せて，プロテイン粉末33g・コラーゲンペプチド5g・アルギニン1g・亜鉛14mg・鉄15mg・ビタミン類等を併用した。以降数ヵ月毎に通院時や電話での栄養指導を継続したところ，８ヵ月後に仙骨部（D3-e3s8i0g3n0p0：14点）・背骨部（D3-e3s3i0g3n0p0：９点）褥瘡が改善し，ALB3.8g/dℓ，Zn94µg/dℓとなった。また介護を行う夫から体重が増加したことを体感したと報告があった。【考察】退院後の定期的な栄養指導で，日本褥瘡学会ガイドラインで示されている特定栄養素を含めた栄養管理の評価や調整を行えたことが創傷治癒促進の一因となった。管理栄養士による疾病に特有の栄養管理方法を指導したことにより，栄養療法継続に繋がったと示唆される。これらより自宅退院となる褥瘡患者の専門的な栄養管理は，管理栄養士が担うべき業務であると考える。

外科代謝栄養学会

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演題名	WS2-6 コラーゲンペプチドの褥瘡治療への臨床効果-多施設共同ランダム化比較試験
開催年	2016	学会名・雑誌名	外科代謝栄養学会外科と代謝・栄養50巻（2016）3号	更新日	2021年8月
発表者	若草第一病院外科山中英治　他
要約	【目的】褥瘡は栄養不良では治り難く十分な栄養摂取と局所のケアで治癒するが、上乗せ効果があるとされる栄養素のエビデンスは乏しい。コラーゲンペプチド（CP)は経口摂取で吸収し血中濃度が上がる事や線維芽細胞を刺激することが報告され、ヒトのRCTでは4週間の経口摂取で皮膚の弾力性が有意に改善する等の報告があり、創傷・褥瘡治癒の促進が期待される。今回CPの臨床効果を実証する目的で多施設共同ランダム化比較試験を行った。【方法】2014年3月～2015年4月にセンター方式により登録された6例齢の経管栄養もしくは経口摂取の褥瘡患者を対象とし、登録前に本人または家族からの同意を得た。症例は無作為に非投与群、CP含有飲料投与群（CP10群）、アルギニン（Arg）含有飲料投与群（Arg群）の各群に割り付けられた。非投与群は研究開始前から研究期間終了まで栄養摂取内容を変更せず、CP10群にはブイ・クレスCP10（CP10.0g）、Arg群にはアイソカルアルジネード（Arg2.5g含有）を付加し、1日1本を経管もしくは経口投与した。研究期間は4週間とした。日本静脈経腸栄養学会と日本褥瘡学会の医師が所属する22施設にて実施した。褥瘡治癒の評価はDESIGN-Rを用い、深さD3～4、滲出液e0～E6、大きさs3～S15、炎症/感染i0～i1、肉芽組織g1～G5、壊死組織n0~N3、ポケットp0～P6 の全条件を満たす症例を対象とした。DESIGN-Rは研究開始前、1，2、3、4週間目に記録し、2、4週間目に血液生化学的検査を行った。本研究の実施に際しては、医療機関の倫理審査委員会の承認を得た。【成績】解析対象は51例（非投与群16例、CP10群18例、Arg群17例）となった。摂取エネルギー量、摂取開始前のDESIGN-R合計点、アルブミンなどは各群間で偏りはなかった。DESIGN-R実測値の合計スコアは、全ての群で最終スコアは、摂取開始前と比較して低下（改善）した。CP10群では非投与群と比較して、摂取2週間後以降および最終スコアで有意に低値となった。Arg群では摂取2週目までは低下したが、その後は低下しなかった。DESIGN-R変動値の合計スコアは、CP10群では非投与群と比較して、摂取4週間後および最終スコアにて有意に低値となった。血清叢蛋白、アルブミン、プレアルブミンは全ての群で前後で有意な上昇は認めなかった。【結論】蛋白栄養指標に有意差が無く、付加栄養剤によって褥瘡治癒に有意差を認めたことから、CP摂取によるCP独自の機序を介した褥瘡治癒促進効果があると考えられた。

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演題名	S11-05 褥瘡治癒に有効と言われている栄養剤のエビデンスの検討
開催年	2015	学会名・雑誌名	第30回日本静脈経腸栄養学会学術集会	更新日	2021年8月
発表者	社会医療法人若弘会若草第一病院外科　山中英治　他
要約	【はじめに】各種病態に有効という栄養剤のうち、褥瘡に有効と言われているのは、亜鉛とビタミンの他に、アルギニン（Arg）、コラーゲンペプチド（CP）、HMB等である。このうちCPについてのエビデンスを検討中であり経過を報告する。【背景】褥瘡は自分で動けず痩せて骨突出のある患者に発生し易く、栄養不良では治り難い。必要十分な栄養を摂取して、適切な体圧分散と局所のケアを行うことで治癒するが、上乗せ効果があるとされる栄養剤のエビデンスは乏しい。効果を実証するにはヒトでのRCTが必要である。【研究１】褥瘡モデルラットにCPまたはArgを経口投与して治癒効果を比較した検討では、対照群に比して創面積比総和はCP群で有意に低値となった。治癒日数はCP群とArg群で有意に短縮された。【研究２】ヒトでのRCTのPilot Studyとして、経管栄養の褥瘡患者を対象に、3～4週間CP10（CPを10g含有）を1日1本投与した。褥瘡患者でも健常人と同様に投与後にCP関連血中ジペプチド濃度は上昇した。CP投与3～4週後に褥瘡面積比が有意に減少し、血清Alb、PreAlb、亜鉛濃度は上昇した。下痢などの副作用は無かった。【研究３】多施設共同でRCTを開始した。必要量の栄養を摂取できていて、適切な局所のケアが行われている重篤な合併疾患の無い褥瘡患者を対象とした。CP10、アルジネード（Argを2.5g含有）、非投与の3群を無作為抽出した。投与日数は4週間で、投与前、2週後、4週後で、ブレーデンスケール、DESIGN-Rスコア、栄養指標などを比較検討した。【考察】動物実験ではCPはArgと同等または優る褥瘡治癒促進効果を認めた。ヒトを対象としたPilot StudyでCPは有効に吸収され、褥瘡治癒に有用な可能性を認めた。

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演題名	O-127 NSTおよび褥瘡対策チームの集中管理により寛解した重度感染性褥瘡の一例
開催年	2018	学会名・雑誌名	第33回日本静脈経腸栄養学会学術集会	更新日	2021年8月
発表者	永寿総合病院薬剤科　新井瑛菜　他
要約	【はじめに】在宅療養中に発生した重度感染性褥瘡により全身状態不良となって入院した患者に対し、NST による徹底した栄養管理と褥瘡対策チームによる創傷管理により比較的短期間で寛解退院となった症例を経験したので報告する。【症例】症例は80 歳女性で、38℃ の発熱と全身衰弱を認め訪問看護師により在宅管理困難と判断され当院を受診した。仙骨部に12cm 大の悪臭を伴う皮膚壊死組織がみられた。入院時体重は43.2kg で5 ヶ月間に24kg の減少を認めた。血液生化学検査ではHb8.3g/dl，WBC15200/μl，TP5.0g/dl，Alb1.6g/dl，CRP 7.6mg/dl，RTP は全て基準値以下であった。入院第4 病日よりNST 介入を開始し、目標エネルギー量を1 日1500kcal と設定したが、入院1W でAlb1.2g/dl，CRP29.1mg/dl と悪化を認めたことより、TEE を標準体重で再計算し、ストレス係数を1.5 として目標エネルギー量を1 日2000kcal と再設定した。食事以外に栄養補助食品400kcal と創傷治癒促進が期待されるブイ・クレスCP10®を1 本/日提供した。また難治性の軟便に対し、シンバイオティクスとしてビフィズス菌末BB536® 2P/日とサンファイバー®1P/日を提供した。介入時褥瘡は背部にまで及び、創のサイズは21×8cm でDESIGN-R はDUE6S15I9G6N6P24：66 点であった。褥瘡対策チームにより頻回のデブリードマン及び連日の創洗浄を実施した。【経過】1 日約1800kcal の経口摂取の継続が可能で、入院後5W でAlb2.1g/dl，Hb8.6g/dl，CRP1.7mg/dl まで回復した。創の壊死組織は消失し正常化が進んだ。DESIGN-R はD3e3S15i0G4N3P24：49 点と改善を認め、RTP も改善を認めたが体重は0.8kg の増加に留まった。入院第62 病日に他施設へ転院となった。【考察】本症例のように全身状態に影響を及ぼすような巨大褥瘡では、目標エネルギー量を最大限に高く設定する必要があった。病状の改善には、NST による集中的な栄養管理と褥瘡対策チームによる適切な創傷処置の双方が必要不可欠であると考えられた。

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演題名	P-526 レビー小体型認知症終末期の重症多発褥瘡保有患者に対し多職種が連携し改善へと繋げた一例
開催年	2018	学会名・雑誌名	第33回日本静脈経腸栄養学会学術集会	更新日	2021年8月
発表者	大阪府済生会吹田病院栄養科　石橋真由美　他
要約	【目的】レビー小体型認知症にて意思疎通困難な重症多発褥瘡保有患者に対し、NST・褥瘡対策チーム・認知症サポートチーム（以下DST）の多面的アプローチにより褥瘡改善へ繋げた症例を経験したため報告する。【症例】83 歳女性、身長155cm。既往にパーキンソン病あり四肢拘縮著明。要介護5 の認定を受け在宅療養中であったが、右仙骨・左腸骨部の褥瘡重症化・感染合併にて入院となった。第1 病日右仙骨部褥瘡に対しポケット切開とデブリードマン施行（DESIGNｰR33）、第2 病日より抗生剤開始した。第4病日よりNST 介入、必要栄養量は1729kcal に設定した。入院後嚥下食ピラミッドLevel3 相当の食事で開始されるも認知機能の低下にて摂食出来なかったが、メイバランスmini（明治）とアバンド（アボットジャパン）等の飲料は吸い飲みでの摂取可能であり継続とした（En：1279kcal・NPC/N：110）。DST の提案により、正面から短文で声かけし食事介助する、食間にも摂取励行する等工夫し、経口栄養摂取量が増加した。第9 病日腎機能悪化を認め、アバンドからCP10（ニュートリー）へ変更した（NPC/N：115）。第15 病日左腸骨部褥瘡に対しポケット切開施行（DESIGN-R38）。第16 病日から右仙骨部褥瘡に対し陰圧閉鎖療法を開始、また栄養増量した（En：1800kcal・NPC/N：142）。第23 病日から左腸骨部褥瘡に対し陰圧閉鎖療法を開始した。第61 病日、喫食状況にムラがあり、味の変化と本数調整を目的に一部すいすい（フードケア）に変更した（En：1600kcal・NPC/N：112）。第131病日転院となった。【結果】転院時、DESIGN-R は右仙骨部26、左腸骨部20 へ改善し、ALBは第18病日に2.0g/dl まで低下したが3.2g/dl への改善を認めた。【考察および結論】病棟や他チームとの連携により患者との関わり方の工夫、栄養内容の調整等行ったことで、重症多発褥瘡の悪化を防ぎ改善に繋げられたと考える。

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演題名	P-533 コラーゲンペプチドを含む栄養療法と陰圧閉鎖療法を併用し重度褥瘡が改善した1例
開催年	2018	学会名・雑誌名	第33回日本静脈経腸栄養学会学術集会	更新日	2021年8月
発表者	社会医療法人桑名恵風会桑名病院看護部　渡邊知子　他
要約	【目的】「日本静脈経腸栄養学会ガイドライン（第3 版）」では褥瘡の治癒促進を目的としたアルギニン・ビタミンC・亜鉛などを強化した栄養補助食品の使用を推奨している。当院でも創傷治癒に効果のあるコラーゲンペプチドを含むブイ・クレスCP10 を使用している。今回、左大転子の重度褥瘡患者に対して、コラーゲンペプチドを含む栄養療法と局所陰圧閉鎖療法（以下NPWT）を併用し改善した症例について経験したので報告する。【方法】67歳、男性。既往歴は47 歳で脳梗塞を発症し当院通院。今回は食欲低下、発熱にて入院し、入院時より左大転子を含む多数の褥瘡を保有していた。入院時検査所見TP6.1g/dl Alb1.6g/dl PNI 指数13.8、CRP24mg/dl WBC20580/μl 左大転子部の褥瘡の大きさは11.5×6cm、DESIGNｰR は60 点。早急にNST 介入し検討。低栄養と重度褥瘡による炎症を考慮し必要カロリー1900kcal に設定する。また局所管理として褥瘡対策チームと協力し壊死の除去を行い、炎症が改善したところで71 病日目にNPWT を開始する。【結果】入院時の左大転子部のDESIGNｰR は60 点であったが、壊死を除去した後NPWT を開始した。100 病日目にはDESIGNｰR22 点までの改善が見られた。検査結果においてもTP6.9g/dl Alb2.9g/dl PNI 指数38.0 と上昇がみられた。その後創面積が1.5×0.5cm に縮小し、良性肉芽の形成もみられ、178病日目に退院となり在宅療養に移行した。【考察】重症褥瘡に対し、コラーゲンペプチドを使用した積極的な栄養管理及び壊死の溶解と、感染コントロールなどの局所管理を併用することで、栄養状態と褥瘡の改善に効果があったと思われる。その後も継続した栄養療法、NPWT を導入することで、浸出液のコントロールと創の収縮を効率的にすることができ、褥瘡の治癒促進に繋がったと考える。

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演題名	P-535 難治性褥瘡を有する患者に対して多チームの関わりが有効であった1例―褥瘡チームとNSTとの連携―
開催年	2018	学会名・雑誌名	第33回日本静脈経腸栄養学会学術集会	更新日	2021年8月
発表者	館林厚生病院　渡邊桂子　他
要約	【目的】仙骨部に黒色壊死を伴う重度褥瘡患者に対して褥瘡チーム、NST が連携して介入できたことで栄養状態・褥瘡の改善・ADL の拡大につながった症例を報告する。【方法】60 歳代男性、嘔吐・高熱を主訴に発症。意識障害・呼吸状態悪化により人工呼吸器管理となる。重度褥瘡が発生し褥瘡チーム介入開始。意識状態改善後、下半身麻痺が明らかとなり、ギラン・バレー症候群の疑いと指摘された。回復期リハビリ病棟へ転科するが栄養状態は悪く、直腸膀胱機能障害に伴う便失禁による褥瘡汚染もあり、褥瘡改善が見込めないためNST 介入開始。NST介入時Alb=2.45g/dl・Zn=70μg/dl・リンパ球数=1650/μl 褥瘡のサイズ：9.0×8.0cm、ポケット形成あり。【結果】元々小食で主食は1/2～1/3 しか摂取できず、摂取エネルギーは1300Kcal 程度だったため、食事量は増やさず補助食品（メイバランスミニ®、リハたいむゼリー®、CP10®、カロリーメイトゼリー®）を追加してエネルギーを2300Kcal/日まで増量。便汚染対策のためストーマ造設、褥瘡処置は2 回/日で継続とした。PT によるトランスファー指導やトランスボードにて褥瘡保護に努めた。その後ADL 拡大に伴うずれや摩擦が生じ一時的に褥瘡が悪化、WOCN 指導のもとでずれを最小限にするように援助した。食事摂取量・摂取カロリーの維持を確認し8 週間で介入終了とした。介入終了時Alb=3.33g/dl・Zn=93μg/dl・リンパ球数=1370/μl。褥瘡は栄養療法継続にて徐々に縮小し、入院日より約6 ヶ月後に老健施設へ退院となった。退院時Alb=3.66g/dl・Zn=102μg/dl・リンパ球数=1760/μl、褥瘡のサイズは3.0×3.5cm まで縮小した。【考察】小食である患者の嗜好に合わせ補助食品を使用することで摂取エネルギーを改善することができた。NST は食事内容、褥瘡チームは局所処置・排泄ケア、リハビリにてトランスファーやそれに必要な物品の貸し出しを担当して、多職種で管理することで難治性褥瘡でも改善することができた。

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演題名	18. 褥瘡～NST 介入症例報告
開催年	2021	学会名・雑誌名	第13 回日本臨床栄養代謝学会　北海道支部学術集会	更新日	2021年8月
発表者	医療法人社団慶友会吉田病院栄養課阿部孝枝他
要約	【緒言】当院では褥瘡委員会とNST 委員会が合同でD-NST 委員会とし活動している。今回、難治性褥瘡発生患者にNST が介入した一症例を報告する。【症例】60 歳代男性。多発性脳梗塞後、リハビリテーション目的にて入院。前院で4 か月間、仙骨部褥瘡の治療を行っていた。褥瘡は11cm×9.5cm 大、DESIGN-R：D3-25 点。褥瘡の治癒を目的にNST が介入した。【方法】エネルギー充足率、CONUT 変法スコアを用いた栄養評価、NPC/N 比を指標とし創の状態に合わせた熱量、たんぱく質量、ビタミン、ミネラルの投与内容の検討を行った。投与内容の調整にはブイ・クレスCP10の使用を試みた。褥瘡の評価はDESIGN-R を使用した。【結果】介入時と終了時を比較すると、熱量：1200→1560kcal、エネルギー充足率：89→106％、たんぱく質量：48→71ｇ、NPC/N 比：132→112 ,CONUT 変法スコア：7→3、DESIGN-R：D3-25 点→ｄ0-0 点介入386 日目に褥瘡治癒にて介入を終了した。【考察】リハビリテーションの向上でエネルギー必要量が増加したが、嚥下障害により栄養量の増量を行うことに苦渋した。直接的嚥下訓練に使用する栄養補助食品の調整や胃廔からブイ・クレスCP10 を投与することでガイドラインに示されている目標量を考慮し栄養投与を行うことができた。コラーゲンペプチド配合の栄養補助食品はコラーゲン合成の促進と同時にビタミン、ミネラルを補うことができるため、創の増殖期や成熟期の栄養補給に効果が期待できると考える。

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演題名	O-09-03 難治性褥瘡のある患者に対し、NSTの介入により良好な経過が得られた一例
開催年	2022	学会名・雑誌名	第37回日本臨床栄養代謝学会学術集会	更新日	2023年6月
発表者	公立館林厚生病院黒崎美那子他
要約	【目的】難治性褥瘡のある患者に対し，NSTの介入により良好な経過が得られた症例を経験したので報告する．【症例】66歳男性，髄膜炎で入院．経過中に肺炎・無気肺にて一時，人工呼吸器管理となる．ギラン・バレー症候群による対麻痺，膀胱直腸障害を併発し，入院中に長期臥床が続いた事に関連し褥瘡が発生した．仙骨部に難治性褥瘡を認め，栄養状態改善目的でNST介入となった．【経過】入院当初は，人工呼吸器管理中であり，経鼻胃管から濃厚流動食注入と嚥下訓練を行っていたが，NST介入時には，人工呼吸器は離脱し，経口摂取は可能となっていた．NST介入後，膀胱直腸障害による便失禁のため褥瘡汚染あり，創への汚染回避目的にS状結腸ストーマ造設を行った．患者の摂取状況に合わせ，主食を減量し，栄養補助食品（ブイクレスCP10 ・メイバランスミニ・カロリーメイトゼリー）を提供し，エネルギー: 2350kcal，蛋白質: 100g/日を摂取していた．NST介入から145日目，Alb2.45g/dl→3.66g/dl，DESIGN-R:20点→12点に改善し，施設退院となった．その後，褥瘡増悪（DESIGN-R: 42点）があり，細菌感染を伴う褥瘡改善目的で再度入院となった．再度NST介入となり，活動量の増加やストレス係数を加味し，主食の増量と食間にメイバランスミニを摂取してもらうことで，エネルギー: 2,700kcal/日，蛋白質110g/日へ増量した．褥瘡は治癒には至らなかったものの栄養状態の改善（Alb2.79g/dl→4.09g/dl）や，VAC療法の開始，身体機能の回復もあり，DESIGN-R: 14点と改善がみられ施設退院が可能となった．【考察】本症例では，適切な褥瘡管理と処置に加え，NSTの介入により，摂食状況に合わせた提供方法の変更や活動量やストレス係数を考慮した栄養量の提供により，栄養状態の改善が褥瘡の治癒促進に繋がったと考えられる．今後もNSTの介入を通じて褥瘡予防・早期治癒に繋がる栄養サポートに取り組んでいきたい．

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演題名	P-12-10 93 歳、大動脈弁・僧帽弁置換術後、慢性硬膜下血腫合併の患者が褥瘡になった
開催年	2023	学会名・雑誌名	第38回日本臨床栄養代謝学会学術集会	更新日	2023年6月
発表者	高浜豊田病院外科長谷川正光他
要約	93 歳、大動脈弁・僧帽弁置換術後、慢性硬膜下血腫合併の患者が褥瘡になった。今回我々は慢性硬膜下血種を合併した 2 弁置換後の褥瘡治療を経験したので報告する。患者さんは 1928 年生まれ、2009 年 2 弁置換を受けた。息子と同居、施設入所も検討されていたが娘が 2022年 3 月に引き取った。バイアスピリン、ワーファリンを内服。 8 月初旬から食欲低下。15 日レベル低下・熱発を認めたため近隣基幹病院受診、頭部 CT で慢性硬膜下血腫を指摘され、血液検査では腎前性腎不全と判断された、左大転子部に 6.5㎝× 4.5㎝の DU の褥瘡、左腸骨部に 4.0㎝× 3.0㎝のｄ 2 の褥瘡を認めそのまま入院加療となった。急性期の治療終了後、褥瘡治療目的 9 月 8日転院。左大転子部に 5.5㎝× 4.0㎝の DU の褥瘡、左腸骨部はハイドロサイト使用。身長 130㎝体重 35 ｋｇ ①機械弁が無効になると生死に直結すると考えて、出血性合併症も考慮し PTINR を 2 から 2.5 の間にワーファリンを調節。②ペースト食＜ E1200、P45、水分 1500 ＞にプロッカ 3 ＜ E240、P18.6、水分 173.1 ＞を付加し治療を行った。入院後家族が CP10( ジュース ) ＜ E80、P12、水分 110 ＞を持参し使用を希望された。一度はお断りしたがプロッカ同様ビタミン K を含まないため併用。11 月 21 日褥瘡は治癒したが Cre0.96、BUN53と上昇、同時に 38.5 度まで発熱、補液を行った。24 日には PTINR が 3.87 になりワーファリンを減量したが、摂食量が減り凝固能に影響を与えたかもしれない。12 月 9 日 PTINR1.41 ワーファリン量を復帰、退院調整後 12 月 20 日退院。食べられない時用に半消化態栄養剤（薬品：ビタミン K17.5 μ g/250ml）を希望されたが、コントロールが微妙なのでワーファリン処方の医師に相談すべきと話した。退院後 28 日には Cre0.65、BUN27.8 と改善 PTINR2.91 で用量調整が行われている。

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演題名	P-22-7 NST 介入により縮小できた巨大臀部褥瘡の一症例
開催年	2023	学会名・雑誌名	第38回日本臨床栄養代謝学会学術集会	更新日	2023年6月
発表者	東邦大学医療センター大橋病院薬剤部薄井勇斗他
要約	当院栄養サポートチーム (NST) は依頼受託型として稼働しており適切な栄養管理を行うことで患者の QOLや ADL の向上・維持を目指す。褥瘡は、疼痛を伴ったり重症化すると二次感染を起こしたりなど患者の QOL 低下を招くため褥瘡を予防・治療することが必要である。褥瘡のリスクファクターの一つとして低栄養があるが今回、当院NST介入によって褥瘡を縮小することに寄与できた症例について報告する。患者は認知症合併の 92 歳女性。身長 150.3cm、現体重は不明。発熱・炎症反応高値を主訴に精査・加療目的に当院入院。精査の結果、原因は巨大な臀部の褥瘡感染であった。デブリドマンと抗生剤加療を行い、食事は経口摂取で開始したが、食事摂取量不良にて NST に依頼あり。経口摂取のみでは必要エネルギー量の充足は困難と判断し、経腸栄養の実施を提案した。必要エネルギー量は理想体重 49.7kg より 1300kcal/ 日 ( 活動係数 1.1、ストレス係数 1.2) とした。必要たんぱく質は 60g/ 日 (1.2g/kg)、脂質は 25% で 36g/ 日、糖質は 183.8g/ 日、必要水分量は 1500ml/ 日 (30ml/kg) として必要エネルギー量を充足するメニューとした。 NST 介入後 11 日目よりアイソカルサポート ® が 900kcal/ 日より経鼻経管栄養として開始となった。経鼻経管栄養開始後も自己抜去や消化器症状・腎機能障害などの合併症をきたすことなく 1200kcal/ 日 ( たんぱく質45.6g) まで増量できた。さらに特別用途食品であるブイクレス ®CP10 を、1 本 / 日 (80kcal、たんぱく質 12g)追加し必要エネルギー量を充足することができた。栄養データ ( 血清アルブミン値、ヘモグロビン値 ) の改善がみられ、巨大な臀部の褥瘡は縮小、鮮紅色で良性肉芽を形成し、DESIGN-R®2020 を用いた評価で改善へ向かうことができた。外科的治療・薬物治療・看護ケアなどの創傷ケアに加えて、必要エネルギー量の充足を実施することで褥瘡改善に至った。褥瘡治療における適切な栄養管理が重要であると考える。

日本病態栄養学会

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演題名	P-158 体重管理をしながら褥瘡治癒を目指した男性肥満患者の1症例
開催年	2018	学会名・雑誌名	第21回日本病態栄養学会年次学術集会	更新日	2021年8月
発表者	（公財）田附興風会医学研究所北野病院　栄養部高山祐美　他
要約	【目的】低栄養と物理的要因が重なって男性肥満患者に発生した褥瘡に対し、患部への体圧軽減のための体重管理と褥瘡治癒の両立を考慮した栄養管理を行ったので報告する。【症例】パーキンソン病、心房細胞、糖尿病にて治療中の69歳男性。自宅ベットより転落、体動困難となり入院。入院時身体所見は慎重168㎝、体重76.5㎏、BMI27.1㎏/㎡。嚥下困難があり食事摂取量の低下を認めた。入院15日目に、背部に80㎜×65㎜、DESIGN-R　23点（DUe1s9i1G6N6p0）の褥瘡が発生。【経過】必要栄養量を1550～1860kcal（25～30kcal/IBW㎏）、たんぱく質74～93g（1.2～1.5g/IBW㎏）に設定。入院時より輸液に加え嚥下食2を提供しており、入院21日目に栄養補助食品を追加、輸液減量。摂取栄養量は1530kcalたんぱく質55gであった。38日目に嚥下食3へ形態を上げ輸液中止。45日目、摂取栄養量は1460kcalたんぱく質52gであった。51日目に嚥下食4へ形態を上げ、摂取栄養量は1790kcalたんぱく質67gであった。その後は肥満憎悪抑制のため、エネルギーは増加させずたんぱく質と微量栄養素を増加させる栄養管理へ切り替えた。71日目にブイクレスCP10 1本の付加を開始、摂取栄養量は1730kcal、たんぱく質74gであった。69日目に創部の閉創を試みたが、86日目に離開し、D4の深さかつ黄色壊死を認め、97日目よりVAC療法を開始。104日目にブイクレスCP10を2本付加し、摂取栄養量は1802kcalたんぱく質86gの状態で継続した。【結果】入院140日時点において、体重管理では、体重（76.5→75.0kg）、体脂肪量（19.4→17.3㎏）の減少、および骨格筋（28.6→30.6㎏）の増加を認めた。褥瘡ではDESIGNｰR（23→16点）が低下し、血液生化学データでは、Alb（2.9→3.9g/dl）、亜鉛（46→65µg/dl）の上昇を認めた。【結論】体重管理と栄養状態改善の両立を考慮したたんぱく質と微量栄養素増加という栄養管理により、治療効果が高まり、褥瘡改善に寄与できたと考えられる。

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演題名	O-160 経過中に腎機能障害を合併した仙骨部褥瘡患者にNSTによる栄養介入が奏功した一例
開催年	2022	学会名・雑誌名	第24回・第25回日本病態栄養学会年次学術集会	更新日	2022年6月
発表者	川市民病院　豊診療技術局栄養管理課佐藤　康行　他
要約	【目的】入院経過中に腎機能障害を合併した仙骨部褥瘡を有する患者に対してNSTによる栄養介入が奏功した一例を報告する。【症例】年齢 49 歳女性、身長 155cm、体重 45kg、BMI 18.8kg/ m2。血液生化学検査：Alb3.Og/dl、BUN11.9mg/dl、CreO.34mg/dl、eGFR153mL/ 分/1.73m2。尿検査：蛋白定性 (-)。統合失調症にて近医で入退院を繰り返していたが、仙骨部に褥瘡が発生。同院で処置をするも、改善に乏しく褥瘡発生から5ヶ月後に創傷治療目的で当院入院となった。入院時の評価はDU-49点。入院直前の半年間で15kgの体重減少があった。入院当初は1400kcal、たんぱく質58gから開始し、徐々に栄養量を増加した。14病日からはNST介入となり、アバンドTM1包/ 日を開始した。51病日から局所陰圧閉鎖療法が開始になり、アバンドTM1包/ 日をブイ・クレスCP10、1P/ 日へ変更した。70病日にBUN50.8mg/dl、Cre0.87mg/dl、たんぼく尿3＋が出現。腎生検を行い、半月体形成性糸球体腎炎と診断された。腎機能を考慮したたんぱく質調整と、創傷治癒過程に合わせた栄養介入を行った。【経過】70病日から退院まではBUN21.3～66.6mg/dl（平均値 35.5mg/dl）で推移した。体重は腎機能低下後に下腿浮腫を認め56.8kgまで上昇したが、利尿剤の使用と塩分制限（3g/ 日）により46kgと改善した。212病日に2200kcal、たんぱく質50gへ変更し、仙骨部褥瘡はD3-10点と改善を認め253病日に転院となった。【考察】腎機能低下により積極的なたんぱく質の提供は困難であったが、継続的なモニタリングによるたんぱく質調整と創傷治癒過程を考慮した特殊栄養素を用いたことで、腎機能の悪化や浮腫の増強なく創傷治癒が奏功した症例であった。

その他

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演題名	症例報告１抗がん剤治療後の難治性褥瘡に対してコラーゲンペプチドを付加することで速やかに改善に至った１症例
開催年	2016	学会名・雑誌名	第26回北部福岡NST研究会	更新日	2021年8月
発表者	社会医療法人共愛会　NST戸畑共立病院　石井乃里江　他
要約	【目的】褥瘡患者に対してアルギニン強化による治癒促進効果が有効とされているが、炎症反応高値の時期や開始後のBUN上昇により使用が難しいことがある。今回、難治性の褥瘡患者に対してコラーゲンペプチドを強化し炎症反応の増悪やBUNの上昇を抑え、褥瘡改善が図れた症例を経験したので報告する。【症例】77歳女性。前医にて肺癌に対し抗がん剤加療中に肺炎合併。治癒後、ADL改善目的で入院。入院後離床が進まず左臀部に褥瘡発生し、NST介入となった。【経過】デブリドマン施行後、アルギニンを含む補助食品の付加を開始したが、２週間でBUN14.3→26.3mg/dlと上昇。CRP6mg/dl以上の状態が継続しさらにBUN上昇が見られたため、ブイクレスCP10®（以下CP10®）へ変更。BUNはCP10®へ変更後41.2mg/dl→21.3mg/dl→25.4mg/dl、CRPは8.85→3.79→1.98mg/dlと経過した。DESIGN-Rは変更後D428→D424→D415に、大きさは8.0×5.5→2.5×5.5㎝まで縮小し、自宅退院となった。【考察及び結論】CP10®はアルギニン強化に比べてBUN上昇を抑えつつ創傷治癒に効果的であることが示唆された。今回、経口摂取可能な症例であった為CP10®の飲用を提案したが経口摂取困難な症例においても腸管の状態を評価し、消化吸収能が問題なければ病態に応じてCP10®の使用も提案していきたい。管理栄養士は主治医、NST、病棟スタッフと共に患者の治療や状態を共通理解し、きめ細やかなモニタリングを行い、適切な時期に適切な栄養内容の提案を行っていく事が重要であると考えられた。

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演題名	―症例報告― 重度褥瘡を伴う飢餓状態の高齢者に対してrefeeding syndromeを念頭においた栄養管理が奏功した1例
開催年	2019	学会名・雑誌名	滋賀医科大学誌32巻1号42-45	更新日	2021年8月
発表者	東近江総合医療センター消化器内科太田裕之　他
要約	患者：88 歳、女性　主訴：意識障害、体動不能　既往歴：84 歳時に右大腿骨頸部骨折に対して人工股関節置換術を受けている。生活歴：長男と二人暮らし　現病歴：元来ADL は食事介助を要する状態であったが、受診の約2 ヶ月前より充分な介護が受けられずに臥床がちとなり、約2 週間前には寝たきりとなっていた。家人が2 日間不在にして帰宅すると、体動がなくなっており、呼びかけにも反応しないために救急要請がなされ当院に搬送された。来院時身体所見：身長162cm、体重39.9 kg、Bod y MassIndex (BMI) 15.2 。JCS: I-3, Glasgow Coma Scale: E4 V1　M1 計6 点、体温34℃、血圧174/110mmHg、脈拍数90/min、呼吸回数20/min、SpO2 97% (フェイスマスク酸素10L/min 吸入下)。身体の汚染とるいそうが著明で飢餓状態であり、背部や腸骨部、右転子部、両足部には感染徴候を伴う重度の褥瘡を認めた。血液検査所見：白血球数24,390/μl、CRP 4.92 mg/dl と炎症所見を認めた。電解質では、低ナトリウム、高カリウム血症であったが、血清リン値とマグネシウム値は正常であった。治療経過：多発感染性褥瘡、電解質異常を伴う高度脱水、飢餓状態と診断し、入院早期より栄養サポートチーム（ NST）、褥瘡チームおよびリハビリチームが介入して治療にあたった。RSを予防するために血清リン値およびマグネシウム値をモニタリングしつつ投与エネルギーを段階的に増加させた。中心静脈からの投与カロリーを必要栄養量に近づくように10日間かけて増加させる経過において、血清マグネシウム値は基準範囲内であったが、血清リン値の推移は入院後3日目で2.5mg/dLと低下傾向を示した。このためリン酸ナトリウムを10-20mmol/dayで投与を開始したにもかかわらず、入院後7 日目には1.9mg/dL と正常下限値（ 2.0mg/d L）以下に低減した。リン酸ナトリウムの投与を継続することにより血清リン値は徐々に上昇し、12日目には3.3 mg/dLまで回復したため補充を中止した。この頃よりビタミンB1欠乏および低ナトリウム血症が原因と考えられた意識状態が改善し、リンとともにアルギニン、亜鉛・銅を含有するアルジネードウォーター®（ 100 kcal/125 ml /本）による経口摂取を開始した。血清リン値が安定してからは、褥瘡に対する肉芽形成の促進を期待して、コラーゲンペプチドを含有するブイクレスCP10®（100 kcal/125 ml /本）を栄養補助食品として補充した。褥瘡は多発しており、右転子部では人工関節部に及んでおり壊死組織のデブリドマンとともに抗菌薬（セフトリアキソンナトリウム：CTRX）を使用した。褥瘡チームの介入により感染および壊死をきたした組織は適宜デブリドマンを行いつつ外用剤を用いてドレッシングを継続することにより、徐々に褥瘡は改善傾向を認めた。褥瘡の重症度を定量化するDESIGN-Rスケールの合計点数は、いずれの褥瘡においても経時的に改善していた。中心静脈カテーテルは血流感染のために入院後79日目に抜去し、尿道カテーテルは尿路感染のために入院後93日目に抜去した。全身状態は安定し、介助下において充分な経口摂取と車椅子への移乗が可能となった。入院前には介護保険サービスを使用しておらず、家人と相談のうえ市役所に要介護認定の申請を行った。リハビリテーションを継続する目的で入院後109日目にカテーテルフリーの状態で転院した。退院時の血液検査において血清総蛋白値とアルブミン値は基準値以下ではあるものの改善を認め、体重は42.1kgと入院時より2.2kg増加し、%理想体重は69%から73%に増加した。

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演題名	11-4 褥瘡に対する栄養管理～CP10の提供が有効であった2症例～
開催年	2020	学会名・雑誌名	第28回日本慢性期医療学会	更新日	2022年6月
発表者	福井リハビリテーション病院　栄養部浅井　友貴　他
要約	【はじめに】褥瘡治療は「除圧管理」「スキンテア」「栄養管理」が治療の三本柱とされている。このうちの「栄養管理」を強化するため、当院では2018年5月よりCP10ドリンク・ゼリー（以下CP10と記す）を採用した。2019年12月までに延べ22名に提供し、そのうち7割以上の患者において褥瘡が改善・治癒するという結果が得られた。このなかでCP10の提供が特に有効であった2症例について、その経過・結果を報告する。【症例紹介】① A 氏　92歳　男性仙骨部に褥瘡発生。補給エネルギー量増加やタンパク質量増加、アルギニン付加を試みたが、仙骨部は改善と悪化を繰り返していた。回診開始9ヶ月後にCP10を1日1本ずつ提供開始し、褥瘡の大きさは1ヶ月で半減、4ヶ月後には完全な治癒に至った。② B 氏　88歳　男性入院時左踵部と仙骨部の2か所に褥瘡あり。左踵部は不良肉芽多く、滲出液多量、悪臭あり。仙骨部はポケットがある状態であった。食事は全量摂取できており必要エネルギーは満たしていたが、回診開始後1ヶ月経過しても両創部共に創深かったため、CP10を1日1本ずつ提供開始。左踵部は創部縮小し、1ヶ月で治癒。仙骨部は1ヶ月でポケット消失し、2ヶ月後には治癒した。【考察】上記の2症例は、CP10を提供したことがきっかけで、褥瘡が大きく改善し治癒に至った。CP10に含まれるコラーゲンペプチドは、創傷治癒の過程において、皮膚をつくる細胞を増加させ、皮膚の材料となる作用がある。2症例は、どちらも創部の壊死組織が無く肉芽組織が赤色の時期にCP10の提供を開始していた。このことから、肉芽組織が形成している赤色の時期にCP10を摂取したことで、コラーゲンペプチドが効果的に肉芽組織形成を促進し、褥瘡を早期治癒に導くことが出来たのではないかと考えられる。【まとめ】今後もCP10を取り入れた褥瘡治療を継続し、CP10提供のタイミングやその他栄養管理の検討を重ね、褥瘡早期治癒を目指して取り組んでいきたい。

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演題名	30-4 持ち込みの褥瘡を有していた患者の褥瘡治癒を目指した取り組みについて
開催年	2023	学会名・雑誌名	第31回日本慢性期医療学会	更新日	2024年6月
発表者	中洲八木病院幸田愛美他
要約	【はじめに】当院は総床105床のうち医療療養病床が17床あり、そのほとんどが寝たきりの患者である。そのため褥瘡発生のリスクが高く、褥瘡発生の予防に向けた対策が必要となってくる。当院では褥瘡対策委員会を設置しており月に1回委員会を開き、褥瘡チームによる褥瘡回診を2週間に1回行っており処置の検討やケアの方法などを報告している。今回持ち込みの褥瘡を有した患者の褥瘡軽快に向った事例を報告する。【事例】A氏90歳代女性、仙骨部褥瘡治療のためR3.5.18入院入院時、仙骨部に7cm×7cmステージⅣの持ち込みの褥瘡あり。褥瘡よりMRSA、緑膿菌検出、現在は緑膿菌のみ(＋)。経管栄養にて栄養、内服注入中【取り組みと経過】入院時より仙骨部に7cm×7cmDESIGN-Rを用いた評価にてステージⅣの持ち込みの褥瘡あり、入院当初の処置はハンドソープでの泡洗浄＋バラマイシン軟膏塗布、ウェットドレッシング処置(2回/日)施行、CP10 250ml経管栄養より注入開始、電動エアマット設置。R3.5.25仙骨部褥瘡デブリードマン施行、翌日より処置回数を1日3回に増やし6/12バラマイシン軟膏中止、プロペト塗布に変更。デブリードマン施行後、肉芽形成みられ浸出液も減少した為6/30処置回数を1日2回へ変更。R4.5月には大きさ5cm×5cmステージⅢと縮小、処置回数が1日1回へと変更。その後も引き続き同様の処置継続し現在は創状態改善、褥瘡の大きさも1㎝×1㎝未満と縮小、治癒に近い状態となっている。【考察、まとめ】今回、持ち込みの褥瘡患者に対しチームや医師に相談をしながらケアを行い、現在は治癒に近い状態となっている。褥瘡の状態を検討し、毎日の処置の継続や処置方法の変更、電動エアマット使用による体圧分散や体交なども褥瘡軽快に繋がったと考えられる。しかし寝たきり状態の患者であり今後も状態の変化で悪化する可能性も十分考えられる。引き続き継続的なケアを行い、褥瘡悪化の防止に努めたい。

コラーゲンペプチドの
褥瘡に関する有効性情報

コラーゲンペプチドの有効性に関する情報

※論文、学会発表・症例報告の詳細内容につきましては、各掲載誌または掲載ウェブページにてご確認下さい。

論文

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論文名	Effect of Prolyl-hydroxyproline（Pro-Hyp）, a food-derived collagen peptide in human blood, on growth of fibroblasts from mouse skin
掲載年	2009	雑誌	J Agric Food Chem.2009, 57, 444--449	更新日	2021年8月
著者	Shigemura Y, et al.
要約	コラーゲンペプチド摂取後に、ヒト末梢血に生じるプロリル-ヒドロキシプロリン(Pro-Hyp)がマウス皮膚線維芽細胞の移動と増殖に及ぼす影響を調べた。マウスの皮膚組織をウシ胎児血清(FBS)フリー培地で24wellプラスチックプレート上で培養した。Pro-Hyp(200 nmol/mL)の添加は、72時間培養後、マウス皮膚からプレートに移行する線維芽細胞の数を有意に増加させた。このPro-Hypの効果は、マイトマイシンCの添加により失われた。マウスの皮膚から移行した線維芽細胞を回収し、コラーゲンゲル上で培養した。コラーゲンゲル上の線維芽細胞の増殖はFBSの存在下でも抑制され、プラスチックプレートでは急速な線維芽細胞増殖が観察された。10%FBSを含む培地にPro-Hyp(0-1000 nmol/mL)を添加すると、コラーゲンゲル上の線維芽細胞の増殖が用量依存的に増強された。これらの結果は、Pro-Hypが皮膚の線維芽細胞の成長を刺激し、その結果、皮膚から移行する線維芽細胞の数を増加させる可能性があることを示唆している。Pro-Hyp はコラーゲンペプチドとして摂取され，吸収後，すみやかに血中に取り込まれ，体を循環することで創傷治癒促進効果を発揮する可能性が指摘されている.。

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論文名	Oral administration of marine collagen peptides from Chum Salmon skin enhances cutaneous wound healing and angiogenesis in rats
掲載年	2011	雑誌	J Sci Food Agric 91（12）：2173-2179, 2011	更新日	2021年8月
著者	Zhang Z et al.
要約	褥瘡はしばしば臨床現場で問題を引き起こす存在である。本研究は、2つのラット創傷モデル(切開および切除)を用いて、サケの皮膚由来の海洋コラーゲンペプチド(MCP)を用いた創傷治癒の可能性を調べた。96匹の動物を2つの創傷モデルに均等に分け、各モデル動物の中で、2つのグループ（vehicle処理群と2g/kg MCP処理群）に無作為に分けた。創傷閉鎖と引張強度を計算した。コラーゲン沈着はマッソン染色およびヒドロキシプロリン測定により評価した。血管新生は免疫組織学的方法により評価した。MCP処理ラットは、より速い創傷閉鎖および改善された組織再生を示し、それは創傷治癒に関する組織病理学的パラメータによって支持された創傷部位であった。MCP処理は血管新生を改善し、vehicle処理されたグループと比較してより厚くより良い組織化されたコラーゲン線維沈着を形成した。この結果は、動物の創傷治癒における経口MCP治療の有効性を示す。

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論文名	褥瘡モデルラットにおけるコラーゲンペプチド経口摂取の褥瘡治癒促進効果
掲載年	2013	雑誌	薬理と治療 41(6): 587-596, 2013.	更新日	2021年8月
著者	ニュートリー㈱　中尾光治　他
要約	皮膚の創傷治癒を促進することが示唆されているコラーゲンペプチドを褥瘡モデルラットに継続経口投与して、褥瘡治療に対する効果をアルギニンと比較した。8週齢から低蛋白質飼料（AIN-93M、蛋白質含量訳10%）で飼育した9週齢のSDラットに褥瘡を作製し、培養（0.8%クエン酸水溶液）を対照として、0.2g/㎏/日コラーゲンペプチド、または0.2g/㎏/日のアルギニンを1日2回に分けて毎日経口投与した。治療の指標である創面積比（投与開始前の創面積に対する測定日の創面積の比）の治癒完了までの総和は対照群に対してコラーゲンペプチド群で有意に低値であった。治癒日数はコラーゲンペプチド群と0.2g/㎏/日アルギニン群で有意に短縮された。血漿中のプロリンはコラーゲンペプチド群で、アルギニンは0.2g/㎏/日アルギニン群で有意に高値であった。また、治癒促進作用を有することが示唆されているコラーゲンペプチド由来のヒドロキシプロリルグリシン（Hyp-Gly）は、コラーゲンペプチド群でのみ検出され、プロリルヒドロキシプロリン（Pro-Hyp)もコラーゲンペプチド群で高値であった。以上の結果より、コラーゲンペプチドの摂取は低蛋白質飼料で飼育された褥瘡モデルラットに対して、アルギニンと同等の褥瘡治癒促進機能、あるいはそれ以上の作用を示す可能性があることが示唆された。また、コラーゲンペプチド由来のオリゴペプチドがその作用に関与し、アルギニンとは異なる機序であることが示唆された。

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論文名	Oral administration of marine collagen peptides prepared from chum salmon (Oncorhynchus keta) improves wound healing following cesarean section in rats
掲載年	2015	雑誌	Food Nutr Res 59: 26411	更新日	2021年8月
著者	Wang J, et al.
要約	【目的】帝王切開（CS）後にラットに投与されたサケの皮膚由来の海洋コラーゲンペプチド（MCP）の創傷治癒の可能性を調査した。【方法】96匹の妊娠したSprague-Dawleyラットをランダムに4つのグループに分け、CS後、ラットにMCPをそれぞれ0、0.13、0.38、1.15 g/kg /bwの用量で胃内投与した。術後7、14、および21日目に、子宮破裂圧、皮膚引張強度、ヒドロキシプロリン（Hyp）濃度、および瘢痕組織の組織学的および免疫組織化学的特性を調べた。【結果】MCP群では、皮膚引張強度、子宮破裂圧、およびHypは、3つの時点すべてで対象群よりも有意に高かった（p <0.05）。毛細血管、線維芽細胞、およびコラーゲン線維の形成、血小板-内皮細胞接着分子-1、塩基性線維芽細胞成長因子、および形質転換成長因子ベータ-1の発現は、MCPグループで増加した（p <0.05）。【結論】MCPは、CS後のラットの創傷治癒のプロセスを加速する可能性がある。

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論文名	A multicenter, randomized, controlled study of the use of nutritional supplements containing collagen peptides to facilitate the healing of pressure ulcers
掲載年	2017	雑誌	Journal of Nutrition & Intermediary Metabolism　Volume 8, June 2017, Pages 51-59	更新日	2021年8月
著者	HideharuY.MD, PhD et al
要約	【目的】コラーゲンペプチド（CP)の臨床効果を実証する目的で多施設共同ランダム化比較試験を実施した。【方法】2014年3月～2015年4月にセンター方式により登録された66例の経管栄養もしくは経口摂取の褥瘡患者を対象とし無作為に非投与群、CP含有飲料投与群（CP10群）、アルギニン（Arg）含有飲料投与群（Arg群）の各群に割り付けた。非投与群は研究開始前から研究期間終了まで栄養摂取内容を変更せず、CP10群にはブイ・クレスCP10（CP10.0g）、Arg群にはアイソカルアルジネード（Arg2.5g含有）を付加し、1日1本を経管もしくは経口投与した。研究期間は4週間とした。日本静脈経腸栄養学会と日本褥瘡学会の医師が所属する22施設にて実施した。褥瘡治癒の評価はDESIGN-Rを用い、深さD3～4、滲出液e0～E6、大きさs3～S15、炎症/感染i0～i1、肉芽組織g1～G5、壊死組織n0~N3、ポケットp0～P6 の全条件を満たす症例を対象とした。DESIGN-Rは研究開始前、1，2、3、4週間目に記録し2、4週間目に血液生化学的検査を行った。【結果】解析対象は51例（非投与群16例、CP10群18例、Arg群17例）となった。DESIGN-R実測値の合計スコアは、全ての群で最終スコアは、摂取開始前と比較して低下（改善）した。CP10群では非投与群と比較して、摂取2週間後以降および最終スコアで有意に低値となった。Arg群では摂取2週目までは低下したが、その後は低下しなかった。DESIGN-R変動値の合計スコアは、CP10群では非投与群と比較して、摂取4週間後および最終スコアにて有意に低値となった。血清叢蛋白、アルブミン、プレアルブミンは全ての群で前後で有意な上昇は認めなかった。【結論】蛋白栄養指標に有意差が無く、付加栄養剤によって褥瘡治癒に有意差を認めたことからCP摂取によるCP独自の機序を介した褥瘡治癒促進効果があると考えられた。

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論文名	Collagen Peptide as an Effector in Pressure Injuries Treatment in Older Adult Inpatients
掲載年	2019	雑誌	Clinics in Surgery - Pediatric Surgery, Volume 4 ,2019 ,Article 2353,	更新日	2021年8月
著者	Teruyoshi Amagai, et al.,
要約	【目的】コラーゲンペプチド（CP）が高齢入院患者の褥瘡治癒において有効かどうかという仮説を検証した。【方法】この研究は、単一機関で行われた後ろ向きチャートレビューであり、2013年1月から2015年9月の間に単一施設への入院前後に褥瘡を発症した全ての入院患者が登録された。収集されたデータは、1)患者特性、2) 褥瘡治癒期間中の血液検査、CRP、および血清Alb、3) DESIGN-Rスコア、4) ベースラインでの栄養状態、体重、BMI、および褥瘡治癒期間中のエネルギーおよびタンパク質摂取、5)アウトカムとして、褥瘡治癒期間中のDESIGN-Rスコア(ΔD)とΔD/PPTであった。被験者はCP サプリメントの有無により2つのグループに分けられた。方法①では、褥瘡治癒期間≦28日間vs褥瘡治癒期間＞28日間、方法②では、褥瘡治癒期間≦28日間におけるCP群と非CP群）の褥瘡患者に関する収集された全てのデータを比較した。【結果】2,245人の登録患者のうち、褥瘡の有病率および入院後の褥瘡発生率はそれぞれ2.93%と1.69%であった。結果①：褥瘡治癒期間が28日間以下または28日間以上における比較では、褥瘡治癒期間が28日間以下の患者は、年齢≧89歳、低Alb、DESIGN-Rスコア<10の褥瘡を有するという特徴があり、結果としてPPT/ΔDとΔD/PPTも有意に改善された。結果②：褥瘡治癒期間≦28日間におけるCP群と非CP群の褥瘡患者における比較では、CP群はより深刻な褥瘡を有しており、逆説的にいえばベースラインにおいて有意に低いAlbとHbを有していた。【結論】我々の得た結果から2つの結論が導かれた。（1）28日間内で褥瘡治癒した入院患者では、年齢が89歳以上で低Albであり、有意に短いPPT/ΔD となるより良い結果を得た。 (2) CPで治療された褥瘡患者はより重度の褥瘡を有しており、逆説的にいうとベースラインで有意に低いAlbとHbであったが28日以内に治癒した。結論としてCPは、ベースラインで年齢が89歳以上で、低Albおよび低Hbであり、DESIGN-R<10の患者において戦略的な褥瘡治癒の成分となりうる。

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論文名	コラーゲン加水分解物の褥瘡治癒促進効果―無作為割付けプラセボ対照化二重盲検試験―
掲載年	2015	雑誌	薬理と治療 43(9): 1323-1328, 2015.	更新日	2022年6月
著者	新田ゼラチン株式会社杉原富人　他
要約	【目的】特異的なジペプチドを含有するコラーゲン加水分解物（CH）の経口摂取が褥瘡治癒促進効果に与える影響を検証した。【方法】無作為割付け，プラセボ対照化二重盲検試験で検証した。褥瘡の状態判定で，ステージⅡあるいはⅢの褥瘡を備えた全被験者に標準治療を処置し，CH 摂取群とプラセボ摂取群を比較した。エンドポイントは，摂取16 週後でのPressure Ulcer Scale for Healing（PUSH）スコア，Pressure Score Status Tool（PSST）スコアおよび褥瘡面積スコア値の群間比較とした。【結果】CH群のPUSH スコアとPSST スコア値は，プラセボ群と比較して有意に（P＜0.01）低下した。CH 群の褥瘡面積スコア値もプラセボ群よりも有意に（P＜0.05）低下した。また，両群間で被験者の血中アルブミン値に群間有意差はなかったが，CH 群では群内有意差が認められた。【結論】本研究は，標準治療に加えてCH 摂取が，褥瘡治癒促進効果を有することを示している。

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論文名	Ingestion of bioactive collagen hydrolysates enhanced pressure ulcer healing in a randomized double-blind placebo-controlled clinical study
掲載年	2018	雑誌	Scientific Reports volume. 2018 Jul 30;8(1):11403.	更新日	2022年6月
著者	Sugihara F, et al.
要約	【目的】本研究の目的は、II期またはIII期の褥瘡を有する被験者にてコラーゲン加水分解物補充の臨床的有効性を評価することであった。【方法】二重盲検、多施設、プラセボ対照、無作為化試験を実施し、褥瘡のある被験者の標準的なケアに加えて、2種類のコラーゲン加水分解物のうちの1つを与えられたグループ（低レベルのプロリルヒドロキシプロリン（Pro-Hyp）とヒドロキシプロリルグリシン（Hyp-Gly）を含むCH-aグループ、および高レベルのPro-HypとHyp-Glyを含むCH-bグループ）とプラセボグループにおいて、16週間で褥瘡治癒スケール（PUSH）と褥瘡状態ツール（PSST）のスコアと創傷面積の測定値を比較した。【結果】II期またはIII期の褥瘡を有する合計120人の被験者が試験に参加し、112人の被験者が試験を完了した。被験者は、CH-a（n = 39）、CH-b（n = 39）、またはプラセボ（n = 42）で、1日2回（1日あたり10 g）16週間投与するように無作為化された。【結論】CH-bグループのPUSHスコア、PSSTスコア、および創傷面積は、16週目でプラセボグループよりも有意に低かった（PUSHスコア、P <0.001; PSSTスコア、P <0.01; 創傷面積、P <0.05）。 CH-aグループのPUSHスコアは、16週目でプラセボグループよりも有意に低かった（P <0.05）。この研究は、CH-bの摂取が標準的な治療法への追加として褥瘡の治癒に役立つことを示した。

学会発表・症例報告

日本褥瘡学会

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演題名	P-157 コラーゲンペプチド摂取による褥瘡患者を被験者とした２重盲検試験
開催年	2011	学会名	第13回日本褥瘡学会学術集会	更新日	2021年8月
発表者	新田ゼラチン株式会社ペプチド事業部杉原　富人　他
要約	【目的】コラーゲンペプチド（CP）摂取後，プロリルヒドロキシプロリン（PO）やヒドロキシプロリルグリシン（OG）などのオリゴペプチドがヒト血中に移行し，比較的長時間滞留した。他方，２重盲検試験により，CP 摂取群がプラセボ群よりも有意にPUSH スコアを改善したことが報告された。本研究では，PO およびOG を含有するCP の長期間摂取が褥瘡に及ぼす効果を２重盲検試験によって評価した。【材料と方法】Stage２および３の褥瘡を患ったインド人男女89人の被験者を無作為に２群に割付け，２重盲検試験を実施した。標準処置に加えて，被検CP はコラペプPU（CP 群，新田ゼラチン社製），およびプラセボはデキストリンの２群とした。各食品を毎日10g，16週間連続摂取した。評価法項目は次の３点とし，摂取前の値から摂取16週後の値の差で評価した：① PUSH スコア，② PSST スコア，③写真撮影による創の面積（cm2）。【結果】被験者８人が脱落した結果，81人が試験を完遂した（CP 群39人，プラセボ群42人）。① PUSH スコア：CP 群では－5.90に比し，プラセボ群では－2.60であり，両群間で統計的有意差があった（p＝0.001）。②PSST スコア：CP 群では－10.57に比し，プラセボ群では－6.00であり，両群間で統計的有意差があった（p＝0.001）。③創の面積：CP 群では－9.13に比し，プラセボ群では－7.36であり，両群間で統計的有意差があった（p＝0.011）。【まとめ】上記３種のスコア全てに関して有意差があったことから，褥瘡標準処置に本CP 摂取を加えることで，褥瘡治癒が促進されると強く示唆された。

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演題名	O-001 「笑顔倶楽部すいすい」を使用し褥瘡治癒に至った２症例
開催年	2013	学会名	第15回日本褥瘡学会学術集会	更新日	2021年8月
発表者	枚方総合発達医療センター看護部上野由美子　他
要約	【目的】褥瘡の治癒過程には，栄養状態の管理が不可欠であるが，特に治癒過程に合わせた栄養素の選択が必要であるのは言うまでもない。今回、炎症期・肉芽増殖期で局所処置では創傷治癒が遅延している褥瘡に「笑顔倶楽部すいすい」を使用し，良好な結果を得たので報告する。【方法】症例①アルツハイマー認知症，頸椎症，69歳，男性。自立度B2。平成23年12月仙骨部にポケットを伴う褥瘡の治癒目的のため入院となる。入院直後より局所治療を行うも褥瘡はやや悪化傾向にあった。症例②アルツハイマー認知症，骨粗鬆症，71歳，女性。自立度C2。数年前から左腸骨部褥瘡があり，局所の感染を繰り返していた。この２症例に対し，NSTとともに栄養管理を行った。【結果】症例① NST 介入までは蛋白量の増量を図るも，良性肉芽の形成はほとんど認めなかったため「すいすい」を追加した。約１ヵ月後の３月には，良性の肉芽形成を認めた。４月には創の縮小目的のため「アバンド」を開始。５月には褥瘡が治癒した。症例②良性の肉芽形成は認めず，６月より「すいすい」開始。創感染起こさなくなり，約１ヵ月で良性肉芽が増殖し，ポケットは縮小した。血液データより亜鉛が開始前では86mg/dl が122mg/dl まで上昇した。５ヵ月後の12月に褥瘡は治癒した。【考察およびまとめ】今回開始した栄養剤は蛋白成分がコラーゲンペプチドであり，亜鉛が多く含まれており，それらによる創面の感染防御と，増殖期における蛋白質の合成やコラーゲンの生成が促進されたと考える。

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演題名	O-011 ラット褥瘡モデルにおけるコラーゲンペプチド経口摂取の治癒促進効果
開催年	2013	学会名	第15回日本褥瘡学会学術集会	更新日	2021年8月
発表者	ニュートリー株式会社中尾　光治　他
要約	【目的】コラーゲンの摂取により皮膚の創傷治癒が促進されることが知られている。そこでラット褥瘡モデルを利用して，コラーゲンペプチドまたはアルギニン摂取による褥瘡治癒促進効果を比較した。【方法】SD 系雄性ラットの皮膚に圧負荷をかけて褥瘡モデルを作製し，低タンパク飼料にて飼育した。対照群（以下Ａ群）は溶媒，Ｂ群は0.2g/kg/day のコラーゲンペプチド，Ｃ群は0.1g/kg/day のアルギニン，Ｄ群は0.2g/kg/day のアルギニンを投与し（各群n ＝10），褥瘡の治癒過程における創面積比，面積比総和，治癒日数，体重，血漿アミノグラムを評価した。【結果】体重については全群で有意な差は認めなかった。面積比総和はＡ群（723.4±22.9％×日）に対してＢ群（570.7±23.9％×日）で有意な低値が認められた（p <0.01）。治癒日数はＡ群（25.0±0.6日）に対してＢ群（20.7±0.5日）とＤ群（21.5±0.6日）で有意な短縮が認められた（p<0.01）。血漿アミノグラムにおいては，Ａ群と比較してArg はＣ群（p<0.05）とＤ群（p<0.01）で，HypGly はＢ群（p <0.01）で有意に高値であった。ProHyp はＢ群で高値であった。【考察・まとめ】コラーゲンペプチドの摂取が褥瘡治癒に有用であること，および同量のアルギニンと同等もしくはそれ以上の治癒促進機能を持つことが示唆された。コラーゲンの摂取により血中に高濃度で出現するProHypやHypGly などのジペプチドが，培養皮膚片からの線維芽細胞の遊走と増殖を促進することが知られており，本結果からもこれらのジペプチドが褥瘡治癒に関与すると推察される。

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演題名	O-124 コラーゲンペプチド高含有飲料の褥瘡治癒促進効果-多施設共同前向き臨床研究 Pilot Study-
開催年	2014	学会名	第16回日本褥瘡学会学術集会	更新日	2021年8月
発表者	社会医療法人若弘会若草第一病院外科　山中英治　他
要約	【目的】褥瘡治癒は栄養も重要である。治癒促進効果を期待した栄養剤も市販されているがエビデンスは乏しい。動物試験ではコラーゲンペプチドの摂取により褥瘡治癒が促進された報告がある。コラーゲンペプチド高含有飲料の褥瘡治癒促進効果の無作為化比較対照試験を行うべく，多施設共同前向き臨床研究Pilot Study を実施した。【方法】研究期間は平成25年７月～平成25年11月。本人または家族から同意を得た褥瘡患者を対象に，３週間以上コラーゲンペプチド10g 含有CP10®を１日１本投与し，投与期間中の褥瘡面積，DESIGN-R スコア，血液検査値の推移について評価した。投与経腸栄養剤の種類，投与量は研究開始前と同製品で同熱量とした。【結果】症例数７例。CP10® 投与３～４週間後において，褥瘡面積比では有意（p<0.01）に減少した（100％→55.5％）。DESIGN-R スコアの合計点では14.4→14.1，DESIGN-R の各項目では，深さ，大きさ，肉芽組織の項目が減少した。TP［g/dl］6.8→7.0，Alb［g/dl］3.1→3.4，PreAlb［mg/dl］18.2→19.4，Zn［μg/dl］55.6→74.0（p<0.05）の各値は増加した。BUN［mg/dl］が21.1→22.6と増加したが安全域であった。問題となる有害事象は無かった。コラーゲンペプチドのジペプチド（ProHyp,HypGly）血中値の増加が確認された（ProHyp［nmol/ml］1.3→13.8，HypGly［nmol/ml］0.012→0.63）。【考察・まとめ】CP10® 投与による栄養状態の改善，褥瘡治癒促進の可能性が示唆された。コラーゲンペプチドの摂取により血中のProHyp やHypGly のジペプチドが高濃度となったことから，これらのジペプチドが褥瘡治癒に関与すると推察される。

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演題名	O-129 コラーゲンペプチド高含有飲料の褥瘡治癒促進効果に関する多施設共同研究
開催年	2015	学会名	第17回日本褥瘡学会学術集会	更新日	2021年8月
発表者	社会医療法人若弘会若草第一病院外科　山中英治　他
要約	【目的】褥瘡治癒には局所の適切なケアに加えて十分なエネルギーと蛋白質が必須である。さらに上乗せ効果のある栄養素としてアルギニン（Arg)やコラーゲンペプチド（CP)などが挙げられるがエビデンスのある臨床研究に乏しい。我々は昨年の褥瘡学会において、Pilot Studyとして褥瘡患者を対象に3~4週間CP10（コラーゲンペプチド10g含有）を1日1本投与し、褥瘡患者でも健常人と同様に、投与後にCP関連血中ジペプチド濃度は上昇、CP10投与３～４週間後に褥瘡面積比が有意（p<0.01）に減少、有害事象はなかったことから、ランダム化比較試験を行う意義があることを発表した。そこで今回はCP含有飲料の褥瘡治癒促進効果について、臨床効果を科学的に検証するランダム化比較試験を実施したので報告する。【方法】H26年3月～27年4月の期間に同意を得た褥瘡患者を対象とし、適切な褥瘡ケアと栄養サポートのできる多施設で、非投与群、CP群、Arg群の3群に割り付けてランダム化比較試験を行った。褥瘡の深さはD3またはD4を対象とし、研究期間は4週間、各投与群には各製品を1日1本投与し、研究期間中の褥瘡面積、DESIGN-Rスコア、血液検査値の推移について評価した。研究期間前から期間中の褥瘡ケアと（試験飲料分を除く）栄養投与量は同じとした。【結果】症例を登録した施設数は25施設、1月末時点で56例が登録された。適切な褥瘡ケアと栄養投与により3群とも褥瘡面積は縮小した。群間比較については全症例の研究期間が終了してから報告する。

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演題名	O-178 糖尿病モデルラットにおけるハイネイーゲルの創傷治癒促進作用の評価
開催年	2015	学会名	第17回日本褥瘡学会学術集会	更新日	2021年8月
発表者	株式会社大塚製薬工場OS-1事業部メディカルフーズ研究所山下　治香　他
要約	【目的】創傷治癒に有効な成分として，近年コラーゲンペプチドが注目されている。ハイネイーゲルは窒素源としてコラーゲンペプチドを含有する消化態の濃厚流動食であり，創傷治癒に対して有用な作用を示す可能性が考えられる。そこで本研究では，ラット皮膚欠損モデルに対するハイネイーゲルの影響を検討した。【方法】７週齢のSD 系雄性ラットにストレプトゾトシン（STZ）50mg/kg を静脈内投与し，糖尿病を誘導した。STZ 投与２週間後，背部２ヵ所に生検トレパンで皮膚全層欠損創を形成した。創傷形成日よりハイネイーゲル（E-gel 群），ハイネゼリーAQUA（HINE-JA 群），一般濃厚流動食Ａ（流動食Ａ群）を80 kcal/ 日投与し，創傷治癒過程を観察した。評価項目は，創傷形成日面積に対する創部面積比，試験終了時の創傷治癒率および治癒状況とした。【結果】創部面積比は各群間に有意差は認められなかったが，創傷形成後10〜14日目よりE-gel 群およびHINE-JA 群において治癒が促進される傾向が示された。また，創傷治癒率はE-gel 群において最も高く（86％），治癒状況も良好であった。さらに，創傷治癒率についてLog-Rank 検定により解析を行った結果，E-gel 群と流動食Ａ群との間に有意差が認められた。【考察およびまとめ】ハイネイーゲルはコラーゲンペプチドおよびビタミンＣを多く含有している。このことが創傷治癒過程〈増殖期〉におけるコラーゲン合成に有用に作用し，治癒を促進したと考えられる。本検討において，ハイネイーゲルが創傷治癒を促進する可能性が示された。引き続きハイネイーゲルの創傷治癒促進作用に関して検討を加え，報告する。

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演題名	O-127 HMB・アルギニン・グルタミン配合飲料とコラーゲンペプチド高含有飲料の褥瘡治癒促進効果の比較
開催年	2015	学会名	第17回日本褥瘡学会学術集会	更新日	2021年8月
発表者	医療法人慈光会甲府城南病院栄養科保坂　麻衣　他
要約	【目的】褥瘡治癒促進効果が期待される栄養補助食品であるHMB・アルギニン・グルタミン配合飲料（以下アバンド）とコラーゲンペプチド高含有飲料（以下CP10）の投与１ヵ月後の褥瘡の状態や栄養状態を比較検討した。【方法】アバンド（１袋／日）を１ヵ月投与し，その後CP10（１本／日）に切り替え１ヵ月投与し、アバンド開始前，CP10開始時，CP10開始１ヵ月後の褥瘡の状態，栄養状態を評価した。【対象】症例１：80代女性。脳梗塞後遺症で右上肢，両下肢拘縮。右腸骨部にD4E6s8i0g3n0P9（26）の褥瘡。症例２：90代男性。誤嚥性肺炎後廃用症候群，右下肢閉塞性動脈硬化症。右足背部にD4E6s8I3G4n0p0（21）の褥瘡。２症例とも寝たきりでADL 全介助。【結果】アバンド使用期間で症例１はD4e3s6i0g3n0p0（12）へ，症例２はD4e3s8I3g3n0p0（17）へ縮小した。血清アルブミン値は共に大きな改善はなかった。CP10使用期間で症例１はD4e3s6i0g3n0p0（12）と変化なく，症例２はD3e3s6i1g1n0p0（11）と更に縮小した。血清アルブミン値は共に0.4g/dl の改善を認めた。【考察】褥瘡の治癒促進効果に大きな差は認めなかったことから，どちらも同等の褥瘡治癒促進効果があると考えられた。血清アルブミン値はCP10使用後に改善を認めたが，アバンド使用後で褥瘡が改善傾向にあったという背景の影響も考えられた。

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演題名	O-065 難治性褥瘡を有する患者へのコラーゲンペプチド高含有飲料投与における創傷の経過と栄養状態の評価
開催年	2016	学会名	第18回日本褥瘡学会学術集会	更新日	2021年8月
発表者	社会医療法人水和会倉敷リハビリテーション病院特殊疾患病棟瀧　ひとみ　他
要約	【目的】コラーゲンペプチドの経口摂取は，褥瘡治癒促進に効果があると明らかになっている。Ａ病院では日々のケアや栄養面の強化で褥瘡の改善を目指し関わっているが，寛解と悪化を長期間に渡り繰り返す褥瘡患者は存在する。そのような患者にコラーゲンペプチド高含有飲料（以下CP10）の投与を試みた。【方法】難治性の褥瘡を有する遷延性意識障害患者４症例に現行の看護・治療を継続し，CP10を１日１本１ヵ月間投与した。投与前と１ヵ月後の状態を創傷・栄養の面から評価した。【症例】症例１：60歳台男性，仙骨部から殿部にDU-e3s3I9G6N3P9：33,TP6.5, Alb2.9, Hb8.5。症例２：60歳台女性，尾骨部にD3-e1s3i3g0n0p0：４, TP6.8, Alb3.5, Hb12.8。症例３：20歳台男性，仙骨部にD3-e3s9i0G4n0p0：16, TP6.2, Alb4.3, Hb8.5。症例４：90歳台女性，仙骨部D4e3s12i0g3n0p0：27, TP8.2, Alb3.6, Hb9.3，全症例経管栄養管理，拘縮著明，ADL は全介助である。【結果】投与後１ヵ月の状態は，症例１：DU-e3s3I3G6N3P9：27, TP6.5,Alb3.3, Hb10.4。症例２：治癒，TP6.8, Alb4.0, Hb12.6。症例３：D3-e3s6i0g3n0p0：12, TP7.6, Alb4.8, Hb10.1。症例４：D3-e3s9i0g3n0P9：24, TP8.5, Alb3.7, Hb9.5であった。DESIGN-R は全症例において改善を認め，副作用は見られず投与を継続できた。平均Alb 値0.4g/dℓ, TP 値0.8g/dℓ, Hb 値1.0g/dℓの上昇が見られた。【考察】現行の看護・治療を継続した状態にCP10投与を追加することで，DESIGN-R や血液データに明らかな改善を認めた。下痢などの消化器症状の出現もなかったことが，有意な結果につながったと考える。【結論】CP10は安全に投与でき，難治性の褥瘡保有患者に有用であると示唆された。

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演題名	O-067 コラーゲンペプチド高含有食品は褥瘡治癒促進において有効か
開催年	2016	学会名	第18回日本褥瘡学会学術集会	更新日	2021年8月
発表者	社会医療法人緑壮会金田病院外科三村　卓司　他
要約	【目的】褥瘡治療における局所治療と全身療法は，正しいアセスメントの後に行われる事が重要である。また褥瘡治療において栄養の重要性が指摘されて久しく，多くの微量元素の関与が注目されている。中でも線維芽細胞の刺激により褥瘡治癒促進が推測されるコラーゲンペプチドが注目されている。今回コラーゲンペプチド高含有食品の併用を行い，その効果を検討した。【対象と方法】ポケット・感染・糖尿病を有しない，必要エネルギー量の確保できるD3症例３例に，基本的治療の上乗せ効果としてコラーゲンペプチド高含有食品（CP10）を一定期間投与，DESIGN-R の評価を用いて検討した。局所の治療としては，十分な洗浄を行った上での湿潤療法を基本とした。【結果】４週間の投与を行い，DESIGN-R すべての項目において悪化した項目は無く，滲出液，大きさ，肉芽の項目で変化が見られ，３症例の平均で15.6から12.3へと変化した。経過中にコラーゲンペプチド高含有食品が原因と考えられる副作用は認めなかった。【考察】コラーゲンペプチドは，直接創部に影響を及ぼすより, 褥瘡の治癒促進における上乗せ効果と考える。褥瘡治癒促進は，投与の比較的早期の段階での浸出液抑制と，肉芽組織の増加につながったと考えられる。【まとめ】褥瘡治療において，栄養療法の重要性がガイドラインに示されている。今回の検討では早期の段階での治癒促進が示唆され，褥瘡ケアの基本が確実に行われていれば，特定の栄養素が負荷されることで，褥瘡治癒促進において有効である事が示唆された。

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演題名	O-031 糖尿病モデルラットにおけるハイネイーゲルの創傷治癒への影響
開催年	2016	学会名	第18回日本褥瘡学会学術集会	更新日	2021年8月
発表者	株式会社大塚製薬工場OS-１事業部メディカルフーズ研究所MF 栄養研究室山下　治香　他
要約	【目的】創傷治癒に有効な成分として，近年コラーゲンペプチド（CP）が注目されている。ハイネイーゲルはCP（1.4g/100kcal）を含有する消化態の濃厚流動食であり，創傷治癒に対して有用である可能性が考えられる。第17回日本褥瘡学会学術集会において，糖尿病モデルラットにおけるハイネイーゲルの創傷治癒に対する有用性について報告した。本実験では，ハイネイーゲルの効果をより詳細に検討するために，病理学的解析を用いて評価した。【方法】８週齢のCrl：CD（SD）系雄性ラットにストレプトゾシンを尾静脈内投与し，糖尿病を誘導した。２週間後，背部２ヵ所に皮膚全層欠損創を作製した後，通常食群，ハイネイーゲル給餌群（EG 群），bFGF 処置群（FGF 群）に分け，創傷治癒過程を観察した。FGF 群の創傷には，毎日１回，創傷面にフィブラストスプレー（ヒトbFGF 製剤，科研製薬株式会社）を噴霧し，その他の群の創傷には生理食塩水を滴下塗布した。主な評価項目として，創部面積比および皮膚組織病理学的解析を用いた。【結果】創作製７日後以降，通常食群では創の縮小が遅延したが，FGF 群およびEG 群における創部面積比は通常食群よりも顕著に低く創の縮小が促進された。また，７日後の皮膚病理学的解析においては，FGF 群およびEG 群において，通常食群よりも線維芽細胞が多く遊走している傾向が見られた。【考察およびまとめ】CP 由来のジペプチド（Pro-Hyp, Hyp-Gly など）が皮膚線維芽細胞を刺激し，創傷治癒を促すことが報告されている。ハイネイーゲルの摂取により，皮膚線維芽細胞が早期に遊走し，速やかな創縮小につながった可能性が考えられた。

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演題名	O-064 画像解析法を用いたコラーゲンペプチド高含有飲料の肉芽形成に対する効果：多施設共同ランダム化比較研究
開催年	2016	学会名	第18回日本褥瘡学会学術集会	更新日	2021年8月
発表者	東京大学大学院医学系研究科老年看護学／創傷看護学分野飯坂　真司　他
要約	【目的】コラーゲンペプチド高含有飲料（CP）はDESIGN-R 合計点の改善に効果的であると報告された。本発表では，褥瘡の肉芽形成に対するCP の効果を詳細に検証した。また，栄養療法中の肉芽形成に影響する要因を検討した。【方法】多施設共同ランダム化比較研究の二次解析である。H26年３月～H27年４月に，適切な褥瘡ケアと栄養サポートのできる多施設（n＝22）において，D3かD4褥瘡保有患者を登録し，非投与群，CP 群，アルギニン含有飲料（Arg）群の３群に無作為に割り付けた。研究期間は４週間であり，各投与群には製品を１日１本投与した。毎週，褥瘡部をデジタルカメラにて撮影し，肉芽色を画像解析した。エンドポイントは，肉芽割合，肉芽に占める良性（輝度80以上）割合（GRI）と創面全体に占める良性肉芽割合（WRI）とし，混合効果モデルを用いて解析した。【結果】分析対象者は46名（平均年齢78.7歳，男性21名）であった。対照群に比べ，CP 群では，４週間の平均GRI 変化量に差はなかったが（p＝0.392），平均WRI 変化量に増加傾向が認められた（p＝0.128）。また，肉芽割合，WRI のベースラインからの改善率はCP 群で有意に大きかった（p＝0.025,0.028）。GRI またはWRI の低さに有意に関連していた要因は入院期間の短さ，体重の少なさ，精神疾患がない，糖尿病，脳血管疾患，ブレーデンスケール栄養２点以下であった。また，割り付け群を調整しても，血清アルブミン値，がん既往，血清カリウム値とGRI の経時変化に交互作用が認められた。【まとめ】CP は褥瘡の良性肉芽の増加を促進した。血清アルブミン値の高さは栄養療法中のGRI, WRI の改善に影響している可能性がある。

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演題名	P-091 コラーゲンペプチドを含む経腸栄養剤への変更により多発性褥瘡の改善がみられた一例
開催年	2016	学会名	第18回日本褥瘡学会学術集会	更新日	2021年8月
発表者	社会福祉法人大阪暁明館大阪暁明館病院臨床栄養科中道　昌子　他
要約	【はじめに】多発性褥瘡を有する患者に対し，コラーゲンペプチドを含む経腸栄養剤への変更を行った結果，良好な結果が得られたのでその一例を報告する。【症例】86歳，女性。独居で，家での看護必要度はC-Ⅱ程度。入院１週間前より老衰による体動困難と食欲低下による急性腎不全にて入院となった。入院時に，左背部，両腸骨部に褥瘡を認めたため，褥瘡回診を開始。右腸骨部は３cm 程度の黒色壊死状態，他の部位は圧迫による皮膚の発赤程度であった。入院後も喫食量１割程度が継続しており，十分な栄養摂取が困難であった。33病日目より経口栄養から経鼻栄養に切り替え，褥瘡改善のためエネルギー30.6kcal/kg，たんぱく質1.2g/kg の投与を行っていた。切り替え後，水様便よりCD トキシン陽性を頻繁に認め，全身状態・褥瘡が悪化（DESIGN-R 右腸骨部：21点，左腸骨部：23点，背部：21点，仙骨部：18点）した。抗菌薬投与により水様便は改善したが，褥瘡の改善は遅く，腎機能の悪化が認められた。そのためたんぱく質の減量を検討し，コラーゲンペプチドを含んだ製剤に変更，エネルギー26.8kcal/kg，たんぱく質0.8g/kg に再設定した。【結果】コラーゲンペプチドを含む製剤でたんぱく質を制限し腎機能は改善した。褥瘡は１ヵ月程度で左腸骨部と背部の処置が終了し，２ヵ月後には，右腸骨部：８点，仙骨部：３点と著明な改善がみられた。【まとめ】たんぱく質量を制限しながらコラーゲンペプチドを利用することで，より効率良く褥瘡改善に推移することが出来た。今後も褥瘡保持者に対し，積極的に利用していきたい。

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演題名	P-093 ペクチンを含有する濃厚流動食品の使用により，褥瘡改善に結びついた一症例
開催年	2016	学会名	第18回日本褥瘡学会学術集会	更新日	2021年8月
発表者	IMS グループ横浜旭中央総合病院栄養科大塚　歩美　他
要約	【目的】経腸栄養管理下の褥瘡治療においては，投与時間が長くなるほどリハビリ時間が短縮され褥瘡治癒遅延につながると考えられる。今回，ペクチン含有ハイネイーゲル®を使用したことにより今後の褥瘡改善につなげられる症例を経験したので報告する。【症例】84歳女性。胃瘻増設・褥瘡管理目的にて入院。大腿部右DESIGNR11点。仙骨部DESIGN-R 32点。Alb：3.1，PRAL：10.6，Zn：53。リハビリ・NST も介入し，積極的な栄養改善PLAN を確立。第15病日に胃瘻増設し第22病日にハイネイーゲル300mℓより開始。第23病日にハイネイーゲル500mℓ×３回の投与に増量し，1200Kcal のカロリー確保となった。投与時間は30分以内でリハビリの時間も確保ができ，第35病日に自宅退院となった。【結果】大腿部右DESIGN-R 11点。仙骨部DESIGN-R 32点。PRAL：18.2，Zn：73。検査所見上では栄養指数の改善傾向がみられた。【考察・まとめ】在宅でもハイネイーゲルの使用を継続し早期退院となった。褥瘡の治癒までの経過を追うことができなかったが短期間で褥瘡に効果的な栄養を入れたことがプラスし，経腸栄養投与時間は当院で他の栄養剤に比べ30分と経口摂取と同様の所要時間であり，リハビリの時間の確保ができた。また褥瘡に効果があると言われているコラーゲンペプチドを投与でき，今後褥瘡改善につながると考えられる。

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演題名	O-001 仙骨部褥瘡が発生した重症心身障害者の栄養管理で考慮したこと　～症例報告～
開催年	2017	学会名	第19回日本褥瘡学会学術集会	更新日	2021年8月
発表者	独立行政法人国立病院機構別府医療センター栄養管理室安藤　翔治　他
要約	【目的】重症心身障害者は個人差が大きく必要栄養量の設定に苦渋する。また，実際の臨床現場では体重管理や家族の意向が優先され，設定した必要栄養量よりも現状維持を望まれることも少なくない。今回，仙骨部褥瘡の重症心身障害者に対し栄養量の増加と褥瘡治癒に有効とされる栄養素を付加したことにより改善が認められたため報告する。【症例】18歳男性，身長132cm，体重25.8kg，症候性てんかん，血管炎症候群，脳性麻痺，痙攣重積発作のため長期療養入院していたが，痙攣重積発作加療のため転院。その後，仙骨部褥瘡（d2-e1s3i0G4N3p0：11点）を保有した状態で当院へ帰院。入院11病日より栄養介入となる（経管にてエネーボ注入）。【経過】必要エネルギー量929kcal，たんぱく質42g と推定。介入時の栄養充足率58％。必要栄養量までの増加は主治医に望まれなかったが，褥瘡悪化したため25病日よりエネーボを増量，49病日より亜鉛やアルギニンを多く含むアルジネードを付加。DTI であったため97～108病日まで化学的デブリードマン施行（D4-e3s6i0G4N3P6：22点）。栄養量を漸増し，137病日より必要栄養量を充足させたが下痢発生。エネーボを消化態栄養剤でコラーゲンペプチドを含むハイネイーゲルへ変更し下痢改善。栄養量充足に伴い体重が増加し，230病日体重29.6kg で褥瘡治癒。【考察】特定の栄養素の付加及び栄養量の充足に伴い体重は増加したが，看護処置や日常生活支援に支障なく褥瘡は治癒した。治癒後は必要栄養量を再設定し投与を減量している。重症心身障害者において体重増加は懸念されがちであるが，治療に応じて一時的に栄養量を増やすことが必要であり，早期の対応が治癒期間を短縮することが示唆された。

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演題名	O-093 地域医療連携により良好な経過をたどった当科初診在宅重症褥瘡の２例
開催年	2017	学会名	第19回日本褥瘡学会学術集会	更新日	2021年8月
発表者	トヨタ記念病院形成外科岡本　泰岳　他
要約	【目的】急速に高齢化社会が進む中，在宅療養における地域医療連携の重要性は増すばかりである。今回，在宅療養中に重症褥瘡を発症し，当科初診後，在宅療養を継続しながら地域医療連携により良好な経過をたどった２例を経験したので報告する。【方法】症例１：68歳男性，脊髄腫瘍の既往，要介護４，初診時D5-E6S15I3G6N3P24：57点。症例２：52歳女性，小脳梗塞の既往，要介護５，初診時DU-E6S15I3G6N6P24：60点。２症例ともに，初診時，訪問看護師の介入はなく，高機能の体圧分散マットレスも使用されていなかった。食事は経口で摂取されていたが，低栄養状態であった。訪問看護師介入，高機能の体圧分散マットレス導入，管理栄養士介入（コラーゲンペプチド高含有飲料使用），かかりつけ医への情報提供，介護者に対して圧・ずれ対策教育を行った。褥瘡局所治療はTIME コンセプトに基づいて行った。多職種連携ツール（情報共有化ツール）として当科作成の「床ずれノート」を使用した。【結果】症例１は初診日より124日目，症例２は178日目の外来診察日に治癒を確認し終了となる。当科外来受診回数はそれぞれ８回，11回であった。【考察・まとめ】褥瘡治療は多職種介入によるトータルケアが必要と言われて久しい。今回の経験は，重症褥瘡保有者が在宅療養を安全，安心に継続させていくためには，トータルケアを念頭においた医療連携体制の必要性と重要性を改めて考えさせられることになった。

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演題名	P-015 担癌患者の褥瘡を褥瘡ケアチームによる集学的治療で治癒した１例　―薬剤師の役割と関わり―
開催年	2017	学会名	第19回日本褥瘡学会学術集会	更新日	2021年8月
発表者	国立病院機構渋川医療センター薬剤部川村　勇太　他
要約	【目的】担癌患者のステージIV の大転子部褥瘡を褥瘡ケアチームによる集学的治療で治癒した症例を経験した。薬剤師として，創面の水分量に応じたエキスパートＦブレンド軟膏（以下ブレンド軟膏）の選択，病棟看護師への外用指導などを行い，比較的短期間での褥瘡の治癒に寄与したと考えたので報告する。【症例】79歳女性。身長152cm，体重42.7kg。乳癌終末期。脳梗塞，心筋梗塞の既往あり。褥瘡ケアチーム介入時，右大転子部にポケットを伴う褥瘡（D4-E6s6I3G5N3P12＝35点）あり。ポケットを切開した後，創面の状態に応じてイソジンシュガーパスタ®軟膏，イソジンシュガーパスタ®軟膏とオルセノン軟膏®のブレンド軟膏（３：１），リフラップ軟膏®とテラジアパスタ軟膏®のブレンド軟膏（３：７）を使用した。創変形に対するテープを用いた牽引固定や，ポジショニングの徹底，栄養面からはコラーゲンペプチド含有飲料の追加などを行い，褥瘡ケアチームが介入して107日後に褥瘡は治癒した。【考察】創治癒に必要な湿潤環境を構築するには水分コントロールが重要である。ブレンド軟膏は，単独の薬剤で水分コントロールを行うよりも細かく水分コントロールを行うことができる。本症例では，ブレンド軟膏を使用し，細かく水分コントロールを行うことで，適正に湿潤環境を保持できたため，比較的短期間で治癒できたと考える。【まとめ】今回，薬剤師として薬剤の選択のみならず，病棟看護師に外用剤の特性に応じた使用法の指導を行った。褥瘡の治療では，各職種がその専門性を発揮し，ときにはお互いの領域に踏み込んで関わっていくことが重要である。

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演題名	P-068 全身状態不良患者の仙骨部褥瘡が改善した一例
開催年	2017	学会名	第19回日本褥瘡学会学術集会	更新日	2021年8月
発表者	社会福祉法人大阪暁明館病院臨床栄養科中道　昌子　他
要約	【目的】適切な栄養管理により全身状態不良患者の仙骨部褥瘡の改善がみられた例を経験したので報告する。【症例】70歳，男性，BMI：18.7。施設入所。発熱・痰量の増加により，膿胸の診断で入院となった。JCSⅡ-20。２型糖尿病，脳出血後後遺症による左片麻痺を既往にもち，胃瘻増設後の状態。入院後JCSⅢ-300まで低下。30病日目に呼吸停止し気管挿管が実施され，人工呼吸器装着となった。【方法・結果】仙骨部に褥瘡が院内発生し，332病日目より褥瘡回診の依頼を受け介入を開始した（D3-e3s9I3g3N3p0：21点）。初回介入時，投与エネルギー量は21.4kcal/kg，投与たんぱく質量1.1g/kg であった。褥瘡発生を考慮し，必要栄養量の見直しを実施し，必要エネルギー量を1400kcal，必要たんぱく質量を50g に設定した。段階的に投与エネルギー量を41.3kcal/kg，投与たんぱく質量1.5g/kg まで増加した。介入開始後，７ヵ月後にはD3-e1s6i1g1n0p0：９点まで褥瘡の改善が見られた。必要栄養量を再評価する際，褥瘡部位下部に皮膚かぶれが継続している点をWOCN と検討し，カロリー減量とコラーゲンペプチド製剤の追加を行った。【考察】褥瘡だけではなく全身状態を考慮し，必要栄養量の見直しを実施したことで重症患者の褥瘡が著明に改善された。また回診時にWOCN や看護師との連携が重要と再確認された一例であった。

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演題名	O-084 糖尿病モデルラットにおける濃厚流動食品ハイネイーゲルの皮膚創傷治癒に対する作用の検討
開催年	2018	学会名	第20回日本褥瘡学会学術集会	更新日	2021年8月
発表者	株式会社大塚製薬工場OS-１事業部メディカルフーズ研究所山下　治香　他
要約	【目的】褥瘡予防・管理ガイドライン（第４版）には，褥瘡に有効な特定の栄養素としてコラーゲンペプチドが記載されている。ハイネイーゲル（EG）はコラーゲンペプチド（1.4 g/100 kcal）を含有する消化態の濃厚流動食であり，コラーゲンペプチド非配合の市販濃厚流動食よりも見た目の再上皮化を促進させたことを既に報告した。本研究では，組織学的解析およびコラーゲン解析を評価として追加し，ハイネイーゲルの創傷治癒への影響を検討した。【方法】糖尿病を誘導するため，８週齢のCrl：CD（SD）系雄性ラットに50 mg/kg B. W. のストレプトゾトシンを尾静脈内投与した。２週間後，背部２ヵ所に皮膚全層欠損創を作製し，各試験流動食を１日当たり80kcal 摂取させ，14日間治癒を検討した。比較流動食として，コラーゲンペプチド非配合かつ同量のタンパク質を含む（タンパク質：4.0 g/100kcal）流動食を使用した。主な評価項目は，創傷閉鎖率，皮膚組織中コラーゲン量，皮膚組織病理学的解析，上皮間隙長画像解析とした。【結果】組織学的に治癒を検討した結果，EG 群において創傷形成14日後の上皮間隙長が低下し，再上皮化がより顕著に認められた。また，創傷部周囲皮膚組織中のコラーゲン量は，EG 群において顕著に増加した。【考察】ハイネイーゲルの摂取によりコラーゲン産生が促され，創傷治癒が促進されたことが示唆された。ハイネイーゲルにはコラーゲンペプチドやビタミンＣなど創傷治癒に寄与する栄養成分が多く含まれており，これらが治癒の進展に影響していると考えられた。

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演題名	O-175 糖尿病を有する褥瘡患者に栄養補助食品は有用か
開催年	2019	学会名	第21回日本褥瘡学会学術集会	更新日	2021年8月
発表者	医療法人松藤会入江病院褥瘡委員会東影ひかる　他
要約	【目的】糖尿病を有する褥瘡患者は難治例が多いといわれている。栄養補助食品は褥瘡治癒に寄与するとされるが，今回実際に褥瘡改善を目的とした栄養補助食品を食事へ付加したことなどにより治癒し，自宅へ退院した症例を経験したので報告する。【方法】78歳女性。褥瘡改善目的で入院。入院時所見はBMI25.4，HbA1c9.4％，Alb2.9mg/dℓ，右大転子部，右腸骨，両踵骨に壊死を伴う褥瘡あり。DESIGN-R は最大箇所で24点。糖尿病発症時期は不明，未治療であった。入院初日より糖尿病食1300kcal を全粥・刻み食にて提供開始。入院９日目に褥瘡改善目的で栄養補助飲料（アルギニン2.5g 配合）を２本／日追加。入院62日目，右大転子部に蜂窩織炎を発症。膿多量のためペンローズドレーンを留置し，その14日後に切開。肉芽形成・皮膚再生促進目的で栄養補助ゼリー（コラーゲンペプチド10g 配合）を１個／日追加し，入院93日目に２個／日へ増量。エネルギー給与量は最大で1720kcal となった。入院100日目頃より喫食率の低下がみられたため，食形態を刻み食から極小刻み食へ変更。その後，安定して全量摂取が可能となった。【結果】入院時所見と比較するとBMI23.3（－2.1），HbA1c6.7％（－2.7），Alb3.5mg/dℓ（＋0.6）となった。栄養補助食品の付加後，喫食率の低下や褥瘡の憎悪がみられた時期もあったが，喫食率の安定に伴って４ヵ所あった褥瘡は入院232日目にすべて治癒。入院300日目に自宅退院となった。【考察】糖尿病を有する褥瘡患者は治癒の困難・長期化が予測される。褥瘡の治癒には医療・介護・リハビリスタッフの介入はもちろんだが，食形態の工夫などによる十分な食事摂取に加えた栄養補助食品の付加が効果的であると考えられる。

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演題名	PD3-1 褥瘡治療におけるコラーゲンペプチドの効果
開催年	2022	学会名	第24回日本褥瘡学会学術集会	更新日	2023年6月
発表者	若草第一病院外科山中英治
要約	【目的】褥瘡治療は体圧分散と局所治療に加え栄養療法が重要で，蛋白合成のための十分な蛋白質とエネルギーが必要であるが，創傷治癒促進の栄養素としてコラーゲンペプチド（CP）追加投与の有効性を臨床的に検討した。【方法】22医療機関の多施設ランダム化比較試験で，非投与群，CP 群，アルギニン（Arg）群の３群に割りつけた。投与前の褥瘡の深さは D3～4で，DESIGN-R と栄養指標の推移を比較検討した。研究期間は４週間で研究開始から終了まで栄養摂取量は変更せず，CP 群にはCP10g 含有飲料を，Arg 群には Arg2.5g 含有飲料を１日１本追加投与した。【結果】非投与群16例，CP 群18例，Arg17例で，DESIGN-R の合計スコアで CP 群は非投与群に比して有意に低下したが，蛋白栄養指標は研究期間前後で有意差は無かった。【考察】栄養指標には有意な変化が無く，CP 群で有意に褥瘡治癒が促進したことから，CP に創傷治癒促進効果があると考えられた。臨床現場では通常の栄養投与に加えて，特定の栄養素を含む栄養剤が追加で投与されており，現実的な投与方法での CP の治癒促進効果が認められた。

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演題名	O-002．重症褥瘡患者の自宅退院後における管理栄養士による継続的な栄養介入の必要性について
開催年	2022	学会名	第24回日本褥瘡学会学術集会	更新日	2023年6月
発表者	東邦大学医療センター大森病院栄養部中西将他
要約	【緒言】重症褥瘡患者の自宅退院後においては，専門的な栄養介入を継続できないことが一因で治療に難渋することがある。今回，自宅退院以降の栄養管理が奏功した症例を報告する。【症例】60歳台女性。ADL 全介助。胃瘻造設後。関節リウマチ・レビー小体型認知症の既往を有し，誤嚥性肺炎で入院。仙骨部（D3-e3s8i0G5n0P9：25点）・背骨部（D3-e3s8i0G5n0P6：22点）に難治性の持込み褥瘡あり。【経過】入院中はラコール半固形®300mℓ×３本投与だったが熱量不足から４本へ増量。また亜鉛低値のためノベルジン®内服し，さらにアバンド®及び CP10®を併用して，1400kcal 蛋白質70g を目標量とした。退院時は身長149cm，体重40.5kg，BMI：18.2kg/m2。CRP0.6mg/dℓ，ALB3.4g/dℓ，Hb10.5g/dℓ，Zn78.6µg/dℓ。創傷治癒に有効な栄養療法について夫に指導したところ，栄養素強化の理解も得られたため，退院後は市販サプリメントを組合せて，プロテイン粉末33g・コラーゲンペプチド5g・アルギニン1g・亜鉛14mg・鉄15mg・ビタミン類等を併用した。以降数ヵ月毎に通院時や電話での栄養指導を継続したところ，８ヵ月後に仙骨部（D3-e3s8i0g3n0p0：14点）・背骨部（D3-e3s3i0g3n0p0：９点）褥瘡が改善し，ALB3.8g/dℓ，Zn94µg/dℓとなった。また介護を行う夫から体重が増加したことを体感したと報告があった。【考察】退院後の定期的な栄養指導で，日本褥瘡学会ガイドラインで示されている特定栄養素を含めた栄養管理の評価や調整を行えたことが創傷治癒促進の一因となった。管理栄養士による疾病に特有の栄養管理方法を指導したことにより，栄養療法継続に繋がったと示唆される。これらより自宅退院となる褥瘡患者の専門的な栄養管理は，管理栄養士が担うべき業務であると考える。

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演題名	P-009．褥瘡患者に対するコラーゲンペプチド高含有の液状濃厚流動食の有用性の検証
開催年	2023	学会名	第25回日本褥瘡学会学術集会	更新日	2024年6月
発表者	東鷲宮病院栄養科，NST 柳茉莉他
要約	【目的】「褥瘡予防・管理ガイドライン（第５版）」において，褥瘡患者に対する特定の栄養素としてコラーゲン加水分解物を補給することにより，DESIGN-R が有意に改善したエビデンス（ランダム化比較試験）が記載された。今回，コラーゲンペプチドを高含有する液状濃厚流動食（リカバリー K5）の褥瘡患者に対する有用性の検証のため，その他の栄養剤を用いた場合との比較検討を実施した。【方法】対象は当院に入院した褥瘡を有する経管栄養施行患者で，リカバリー K5を８週間（1000～1600kcal/日）投与した11名（リカバリー K5群）と，当院にてほぼ同期間，同エネルギーのその他栄養剤を使用して栄養管理を実施した11名（対照群）の褥瘡治癒および全身状況を比較した。【結果】DESIGN-R の合計スコアは，リカバリー K5群（男性１名，女性10名，平均年齢77.3±11.1）では，14.5±4.1点→11.9±4.2点と有意に改善し，対照群（男性５名，女性６名，平均年齢81.5±7.0）では，19.4±8.8点→17.0±8.5点と有意差はなかった。血液指標においても，リカバリー K5群では TP，Alb，ChE，Hb において栄養状態の有意な改善が見られたが，対照群では変化は見られなかった。【考察】コラーゲンペプチドや蛋白質，乳酸菌 E. フェカリスなど複数の栄養素を複合したリカバリー K5は，必要十分な蛋白質とエネルギー補給のうえで，特定の栄養素を取り入れた栄養管理が可能であり，創傷治癒および患者の全身状態向上に対して有用性の高い流動食と考えられた。

JSPEN

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演題名	腹腔内膿瘍ドレナージ後の盲腸皮膚瘻の治療にコラーゲンペプチド高含有飲料を併用した1例
開催年	2017	学会名・雑誌名	日本静脈経腸栄養学会雑誌 32（2）：995-998：2017	更新日	2021年8月
発表者	北杜市立甲陽病院外科　中瀬　一　他
要約	症例は56歳、女性。右側腹部痛で受診し回盲部から上行結腸の広汎な炎症による腹膜炎を認めたが、穿孔や腸閉塞の所見は認めず入院し保存的治療を開始した。10日目に回盲部に限局した膿瘍を形成し、ドレナージ術を施行した。原因は虫垂炎と考えられ、術後5日目よりドレーンから便汁の排液を認めた。TPNを開始し抗生剤投与で炎症は改善したが排液は続いた。瘻孔形成を確認しコラーゲンペプチド高含有飲料を経口摂取した。投与40日後に瘻孔の閉鎖を確認し以降約18ヶ月間再燃を認めていない。消化管皮膚瘻治療には局所治療、感染制御、栄養療法、外科治療などに加え、全身状態が安定している場合には、コラーゲンペプチド投与も補助療法として選択肢となり得る。

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演題名	P-533 コラーゲンペプチドを含む栄養療法と陰圧閉鎖療法を併用し重度褥瘡が改善した1例
開催年	2018	学会名・雑誌名	第33回日本静脈経腸栄養学会学術集会	更新日	2021年8月
発表者	社会医療法人桑名恵風会桑名病院看護部　渡邊知子　他
要約	【目的】「日本静脈経腸栄養学会ガイドライン（第3 版）」では褥瘡の治癒促進を目的としたアルギニン・ビタミンC・亜鉛などを強化した栄養補助食品の使用を推奨している。当院でも創傷治癒に効果のあるコラーゲンペプチドを含むブイ・クレスCP10 を使用している。今回、左大転子の重度褥瘡患者に対して、コラーゲンペプチドを含む栄養療法と局所陰圧閉鎖療法（以下NPWT）を併用し改善した症例について経験したので報告する。【方法】67歳、男性。既往歴は47 歳で脳梗塞を発症し当院通院。今回は食欲低下、発熱にて入院し、入院時より左大転子を含む多数の褥瘡を保有していた。入院時検査所見TP6.1g/dl Alb1.6g/dl PNI 指数13.8、CRP24mg/dl WBC20580/μl 左大転子部の褥瘡の大きさは11.5×6cm、DESIGNｰR は60 点。早急にNST 介入し検討。低栄養と重度褥瘡による炎症を考慮し必要カロリー1900kcal に設定する。また局所管理として褥瘡対策チームと協力し壊死の除去を行い、炎症が改善したところで71 病日目にNPWT を開始する。【結果】入院時の左大転子部のDESIGNｰR は60 点であったが、壊死を除去した後NPWT を開始した。100 病日目にはDESIGNｰR22 点までの改善が見られた。検査結果においてもTP6.9g/dl Alb2.9g/dl PNI 指数38.0 と上昇がみられた。その後創面積が1.5×0.5cm に縮小し、良性肉芽の形成もみられ、178病日目に退院となり在宅療養に移行した。【考察】重症褥瘡に対し、コラーゲンペプチドを使用した積極的な栄養管理及び壊死の溶解と、感染コントロールなどの局所管理を併用することで、栄養状態と褥瘡の改善に効果があったと思われる。その後も継続した栄養療法、NPWT を導入することで、浸出液のコントロールと創の収縮を効率的にすることができ、褥瘡の治癒促進に繋がったと考える。

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演題名	P-36-7 コラーゲンペプチドとオルニチン製剤の併用により創傷治癒に至った壊死性軟部組織感染患者の一例
開催年	2019	学会名・雑誌名	第34回日本静脈経腸栄養学会学術集会	更新日	2021年8月
発表者	東京警察病院　集中治療病棟高橋翔太　他
要約	【目的】壊死性軟部組織感染症は、進行するとDICや敗血症を発症し予後不良となるため早期に診断・治療を開始し、デブリードマン術など外科的処置が施されるケースが多い。創傷治癒過程ではコラーゲンが合成され、コラーゲンの合成にオルニチン製剤が有効であることは既に報告されているが、コラーゲンペプチドもコラーゲンの合成を促進することが報告されており、2015年の褥瘡ガイドラインに創傷治癒に有効な栄養素として追加された。今回NST依頼のあった壊死性軟部組織感染症患者の栄養管理で、コラーゲンペプチドとオルニチン製剤の併用が創傷治癒に有効と考えられた例を経験したため報告する。【方法】症例は60歳代の男性。平成30年に陰嚢部の壊死性軟部組織感染症と診断され、広範囲デブリードマン術を施行。その後、2度の追加切開を行い創は臍部から会陰部の広範囲に及んだ。第３病日より経鼻胃管より経腸栄養を開始し、同日よりNST介入も開始した。介入時、身長175cm、体重80kg、BMI：26.1、必要栄養量はHBT計算式（活動係数：1.2、ストレス係数：1.2）で2800kcalだった。必要栄養量に加え、コラーゲンペプチド（10g/日）とオルニチン製剤（6g/日）の投与を開始した。第14病日より経口摂取が可能となったが両製剤の投与量は変えず、退院まで継続した。【結果】2回目のデブリードマン術施術後14日目で創部は上皮化に至った。治療中、陰圧閉鎖療法・皮膚移植等も施行した。創部の経過が良く、早期から離床も進められ、第30病日に自立歩行で自宅退院に至った。【考察及び結論】当院で過去に本疾患で同様に広範囲デブリードマン術を施行した後、オルニチン製剤のみを使用し数回の皮膚移植を行った例では、本症例と比較し創部の癒合に長期間を有した。今回の結果から、必要栄養量の充足を保つと共にコラーゲンペプチドとオルニチン製剤の併用が相乗効果となり、創傷治癒過程に良い影響を与えることができたと考えた。

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演題名	褥瘡～NST 介入症例報告
開催年	2021	学会名・雑誌名	第13 回日本臨床栄養代謝学会　北海道支部学術集会	更新日	2021年8月
発表者	医療法人社団慶友会吉田病院栄養課阿部孝枝他
要約	【緒言】当院では褥瘡委員会とNST 委員会が合同でD-NST 委員会とし活動している。今回、難治性褥瘡発生患者にNST が介入した一症例を報告する。【症例】60 歳代男性。多発性脳梗塞後、リハビリテーション目的にて入院。前院で4 か月間、仙骨部褥瘡の治療を行っていた。褥瘡は11cm×9.5cm 大、DESIGN-R：D3-25 点。褥瘡の治癒を目的にNST が介入した。【方法】エネルギー充足率、CONUT 変法スコアを用いた栄養評価、NPC/N 比を指標とし創の状態に合わせた熱量、たんぱく質量、ビタミン、ミネラルの投与内容の検討を行った。投与内容の調整にはブイ・クレスCP10の使用を試みた。褥瘡の評価はDESIGN-Rを使用した。【結果】介入時と終了時を比較すると、熱量：1200→1560kcal、エネルギー充足率：89→106％、たんぱく質量：48→71ｇ、NPC/N 比：132→112 CONUT 変法スコア：7→3、DESIGN-R：D3-25 点→ｄ0-0 点介入386 日目に褥瘡治癒にて介入を終了した。【考察】リハビリテーションの向上でエネルギー必要量が増加したが、嚥下障害により栄養量の増量を行うことに苦渋した。直接的嚥下訓練に使用する栄養補助食品の調整や胃廔からブイ・クレスCP10 を投与することでガイドラインに示されている目標量を考慮し栄養投与を行うことができた。コラーゲンペプチド配合の栄養補助食品はコラーゲン合成の促進と同時にビタミン、ミネラルを補うことができるため、創の増殖期や成熟期の栄養補給に効果が期待できると考える。

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演題名	O-09-04 未治療の糖尿病と、後頚部に発生した膿瘍に対してNST介入した1例
開催年	2022	学会名・雑誌名	第37回日本臨床栄養代謝学会学術集会	更新日	2023年6月
発表者	北杜市立甲陽病院看護部小泉恵子他
要約	【目的】症例は43歳男性．入院時身体所見身長171.5cm，体重73.5Kg，体重73.5Kg，BMI25．2週間前に後頚部に20×10cmの膿瘍を認め，周囲の皮膚は発赤，腫脹，硬結を伴っていたため切開排膿を施行．乳白色の排膿液を多量に認めた．体温38.0℃の発熱と疼痛あり．入院時の血液検査ではWBC14280/μl，CRP22.0mg/dl，Alb2.2g/dl，血糖値394mg/dl，HbA1c12.1%．未治療の糖尿病も認めた．高度の炎症性皮膚病変を伴っていること，高血糖状態など多彩な問題を含んでいた．【方法】抗生剤点滴，局所処置，血糖コントロール，栄養管理，リハビリによるエクササイズの治療方針とした．【結果】高血糖に対してインスリン注射を導入した．早期よりNST介入を行い，回診時に局所処置も行った．管理栄養士からはCP10ゼリーと，タンパク強化のために汁物パウダーなどの食品の付加が提案された．理学療法士からはスクワットや階段昇降，エルゴメーターなど，筋負荷を加えた．本人も積極的にリハビリを行い，自主的に1日15000歩から20000歩の歩行を行った．看護師が1日2回，創部の洗浄と軟膏処置を行った．治療と並行して糖尿病に関する教育指導も行われた．入院後78日目に創部は1.5×1cmに縮小．Alb4.2g/dlに上昇．血糖値は90から120台と安定化．インスリン注射は内服薬に変更．身体的計測はAC26cmから27.5cm，TSF14mmから12mm，CC22.5cmから34.5cmと筋肉の増量を認めた．【結論】未治療の糖尿病に高度な炎症があり，それぞれ悪循環を示した．創治癒にはエネルギー，タンパク強化の必要があるが，血糖管理との両立に難渋した．患者がエクササイズに積極的だったことは好影響だった．入院当初は膿の貯留が多く難渋したが，看護師が排膿を行いながら創部の創部の洗浄を1日2回行ったことは創治癒の促進に繋がったと考えられる．NSTによる多職種の介入が効果的であったと考えられた1例だった．

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演題名	O-36-8 コラーゲンペプチド高含有の濃厚流動食は褥瘡患者に対して有用である
開催年	2023	学会名・雑誌名	第38回日本臨床栄養代謝学会学術集会	更新日	2023年6月
発表者	東鷲宮病院循環器・血管外科、褥瘡・創傷ケアセンター、NST、東鷲宮病院栄養科、NST 水原章浩他
要約	【目的】褥瘡患者には、必要十分な蛋白質とエネルギーの補給が重要であるが、さらに特定の栄養素を取り入れることでさらなる創傷治癒促進へつながることが期待される。今回、コラーゲンペプチドを高含有する液状濃厚流動食（リカバリー K5）を褥瘡患者に投与し、投与前後の栄養指標および DESIGN-R スコアを比較し、その有用性を検討したので報告する。本演題について、倫理的配慮を行った。【方法】対象は当院に入院した褥瘡を有する経管栄養施行患者 11 名（男性 1 名、女性 10 名、平均年齢 77.3 ± 11.1）。リカバリー K5（1,000 ～ 1,600kcal/ 日）を 8 週間投与し、導入前後の DESIGN-R および栄養指標の各評価項目について比較検討した。【結果】リカバリー K5 の導入前後の DESIGN-R の合計スコアは 15 ± 4 点→ 12 ± 4 点と有意に改善した。また血液指標は、Alb 2.6 ± 0.5 → 3.0 ± 0.4、CRP 2.3 ± 1.7 → 1.7 ± 2.3、総リンパ球数 2019 ± 418 → 1816 ± 460、Cre 0.42 ± 0.08 → 0.49 ± 0.13、Hb 10.3 ± 1.4 → 11.0 ± 1.5 と推移し、栄養状態も有意に改善した。【考察】リカバリー K5 は、「褥瘡予防・管理ガイドライン（第 5 版）」において、特定栄養素の一つとして明記されるコラーゲンペプチドを高含有（10g/1,000kcal）しているほか、たんぱく質を多く配合（5.0g/100kcal）しており、さらには免疫能向上が期待できる乳酸菌 E. フェカリスも多く含有（6000 億 /1,000kcal）している。本剤は、低栄養状態で免疫抵抗力が落ちている褥瘡患者の創治癒および患者の全身状態向上に対して、安全に使用できることが確認された。今後、リカバリー K5 以外の栄養剤を使用した褥瘡患者との比較を行うことで、本栄養剤の有効性のさらなる検証をしていきたい。

外科代謝栄養学会

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演題名	WS2-6 コラーゲンペプチドの褥瘡治療への臨床効果-多施設共同ランダム化比較試験
開催年	2016	学会名・雑誌名	外科代謝栄養学会外科と代謝・栄養50巻（2016）3号	更新日	2021年8月
発表者	若草第一病院外科山中英治　他
要約	【目的】褥瘡は栄養不良では治り難く十分な栄養摂取と局所のケアで治癒するが、上乗せ効果があるとされる栄養素のエビデンスは乏しい。コラーゲンペプチド（CP)は経口摂取で吸収し血中濃度が上がる事や線維芽細胞を刺激することが報告され、ヒトのRCTでは4週間の経口摂取で皮膚の弾力性が有意に改善する等の報告があり、創傷・褥瘡治癒の促進が期待される。今回CPの臨床効果を実証する目的で多施設共同ランダム化比較試験を行った。【方法】2014年3月～2015年4月にセンター方式により登録された6例齢の経管栄養もしくは経口摂取の褥瘡患者を対象とし、登録前に本人または家族からの同意を得た。症例は無作為に非投与群、CP含有飲料投与群（CP10群）、アルギニン（Arg）含有飲料投与群（Arg群）の各群に割り付けられた。非投与群は研究開始前から研究期間終了まで栄養摂取内容を変更せず、CP10群にはブイ・クレスCP10（CP10.0g）、Arg群にはアイソカルアルジネード（Arg2.5g含有）を付加し、1日1本を経管もしくは経口投与した。研究期間は4週間とした。日本静脈経腸栄養学会と日本褥瘡学会の医師が所属する22施設にて実施した。褥瘡治癒の評価はDESIGN-Rを用い、深さD3～4、滲出液e0～E6、大きさs3～S15、炎症/感染i0～i1、肉芽組織g1～G5、壊死組織n0~N3、ポケットp0～P6 の全条件を満たす症例を対象とした。DESIGN-Rは研究開始前、1，2、3、4週間目に記録し、2、4週間目に血液生化学的検査を行った。本研究の実施に際しては、医療機関の倫理審査委員会の承認を得た。【成績】解析対象は51例（非投与群16例、CP10群18例、Arg群17例）となった。摂取エネルギー量、摂取開始前のDESIGN-R合計点、アルブミンなどは各群間で偏りはなかった。DESIGN-R実測値の合計スコアは、全ての群で最終スコアは、摂取開始前と比較して低下（改善）した。CP10群では非投与群と比較して、摂取2週間後以降および最終スコアで有意に低値となった。Arg群では摂取2週目までは低下したが、その後は低下しなかった。DESIGN-R変動値の合計スコアは、CP10群では非投与群と比較して、摂取4週間後および最終スコアにて有意に低値となった。血清叢蛋白、アルブミン、プレアルブミンは全ての群で前後で有意な上昇は認めなかった。【結論】蛋白栄養指標に有意差が無く、付加栄養剤によって褥瘡治癒に有意差を認めたことから、CP摂取によるCP独自の機序を介した褥瘡治癒促進効果があると考えられた。

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演題名	重度褥瘡患者に対するコラーゲンペプチド含有経腸栄養剤の使用経験
開催年	2017	学会名・雑誌名	外科と代謝・栄養(0389-5564)51巻1号 Page51(2017.02)	更新日	2021年8月
発表者	至誠会第二病院栄養管理室木村祐子　他
要約	【目的】重度褥瘡を有する患者の経腸栄養管理において、コラーゲンペプチド含有経腸栄養剤の使用を行った結果、栄養状態の改善と創の改善が認められた一例を報告する。【症例】60歳代女性。パーキンソン病にて自宅療養中。Hoehn Yahr分類Ⅲ度、日常生活自立度B1。入院2カ月前よりADL低下、食事および水分摂取量の低下が認められた。入院1週間前より更なる状態の悪化があり、仙骨部に巨大褥瘡が発見され、創部炎症と感染により入院。入院時DESIGN-R63点, Alb 2.3g/dl, Hb 10.4g/dl, CRP11.79/dl、亜鉛46㎍/dl. 【結果】ハイイーゲル投与開始（第64病日）後、DESIGN-R42→21点、Alb2.1→2.5g/dlに改善するが、敗血症の発症（第88病日）により中心静脈栄養管理となり、DESIGN-R21→31点、Alb2.5→1.7g/dlと悪化を認めた。その後、ハイネイーゲル投与を再開（第119病日）し、CV抜去時（第153病日）には、DESIGNｰR13点、Alb3.2g/dlまで改善した。【考察】重度褥瘡患者に対し、コラーゲンペプチド含有栄養剤を用いたことにより、良好な褥瘡治癒の経過が得られた。また、本症例では経腸栄養剤投与の中断を余儀なくされる状況もあったが、継続した経腸栄養管理により、栄養状態の改善を図ることが出来た。今後も褥瘡患者に対し、積極的な栄養介入を行うことで、早期治癒に繋がると考えられる。

日本病態栄養学会

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演題名	O-166 7カ所の重度褥瘡が適切な栄養管理、多職種連携によって改善された症例
開催年	2018	学会名・雑誌名	第21回日本病態栄養学会年次学術集会	更新日	2021年8月
発表者	大館市立扇田病院　栄養科　佐藤ひろみ　他
要約	【背景・目的】当院は入院患者のほとんどが後期高齢者であり、様々な基礎疾患の他、高齢者特有の問題も多い。今回、透視の総合病院から、療養病棟のある当院に、7カ所の褥瘡を持った患者が転院。在宅から急性期病院、慢性期病院と、重度褥瘡の栄養管理にNST・褥瘡委員会、多職種連携で、経口摂取のみで完治した症例を経験したので報告する。【方法】79歳女性、身長147㎝、体重30.2㎏、BMI 14.0、Alb 2.6g/dl、Hb 10.4g/dl、嚥下食1300kcal、たんぱく質55gにコラーゲンペプチドの栄養補助飲料を追加。400kcal、たんぱく質16g、CP16g、亜鉛8㎎、VC 70mg＝1700kcal、たんぱく質71g経口摂取のみでの褥瘡改善と多職種連携の効果、検討を行った。【結果】DESIGN-R、1仙骨部入院時7/2、14点→9/11、0点、2左腰部15点→10/23、17点、3左膝外側3点→7/31、0点、4右大転子部17点→10/23、0点、5背部17点→10/23、13点、6左腸骨後面19点→7/31、0点、7左大転子部18点→10/23、5点、10/23時点でAlb 3.3g/dl、CRP 5.52、体重33.6㎏（＋3.4）、11/13には7カ所全部が完治した。【結論】褥瘡を持った高齢患者が発熱、下痢等によって、食欲不振や嚥下状態に問題が生じると、一旦改善した褥瘡も、安易に悪化してしまうケースも多い。今回そのようなトラブルもなく、経口摂取量を維持できた事が、褥瘡治癒、改善に結びついたと考えられる。当院NST、褥瘡委員会のメンバーの他、総合病院皮膚排泄ケアー認定看護師とも合同回診し、疑問や心配な事など情報共有できたことで、チームのモチベーションがアップ。すぐにチームで取り組んだことがあげられる。在宅における褥瘡予防は今後の課題であるが、地域に向けた取り組みも多職種連携で積極的に行っていきたい。

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演題名	O-230 コラーゲンペプチドを高含有する液状濃厚流動食（リカバリーK5）の褥瘡患者に対する有用性
開催年	2023	学会名・雑誌名	第26回日本病態栄養学会年次学術集会	更新日	2023年6月
発表者	東鷲宮病院栄養科柳茉莉他
要約	【目的】褥瘡治療における栄養療法は、十分な蛋白質とエネルギーおよび特定の栄養素を取り入れることで、さらなる創傷治癒促進へつながることが期待される。今回、「褥瘡予防・管理ガイドライン（第5版）」において、特定栄養素の1つとして明記されるコラーゲンペプチドを高含有する液状濃厚流動食（リカバリーK5）の褥瘡患者への有用性に関して報告する。【方法】褥瘡を有する経管栄養施行患者6名（男性1名、女性5名、平均年齢73.3歳）に対して、それまで投与していた栄養剤に替えて、1,200～1,600kcal/日のリカバリーK5を8週間投与し、各評価項目について導入前後の比較を行った。【結果】リカバリーK5の導入前後のデータの推移を以下に示す。DESIGN-Rスコアは13.2±4.0→9.8±4.2点と有意に改善した。血液指標は、Alb 2.5±0.6→2.9±0.6g/dL、ChE 170±83→229.8±130U/L、Zn 48.5±7.2→52.4±15.4µg/dL、Cre 0.42±0.08→0.5±0.10mg/dL、WBC 7,155±1,914→7,026±2,351/µL、Hb 10.4±2.4→11.2±1.9g/dL、HbA1c 5.7±0.6→6.1±0.7と推移した。【考察】本研究によって、リカバリーK5が褥瘡治癒に有効で、栄養指標の改善傾向がみられた一方、腎機能等への悪影響がないことが判明した。リカバリーK5には、たんぱく質（5.0g/100kcal）が多く配合され、創傷治癒に有効なコラーゲンペプチド（10g/1,000kcal）も高含有するほか、免疫能向上に寄与する乳酸菌E.フェカリスが含まれるなど、様々な有用性が期待できる濃厚流動食である。今後も、本栄養剤の有効性のさらなる検証をしていきたい。

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演題名	O-098 褥瘡患者へのコラーゲンペプチド高含有液状濃厚流動食の有用性の検証
開催年	2024	学会名・雑誌名	第27回日本病態栄養学会年次学術集会	更新日	2024年6月
発表者	東鷲宮病院栄養科柳茉莉他
要約	【目的】昨年の学術集会にて、コラーゲンペプチドを高含有する液状濃厚流動食( リカバリー K5) が褥瘡患者に有効で栄養指標の改善傾向が見られたという発表を行った。今回、リカバリー K5 の褥瘡治療に対する有用性の更なる検証の為、その他の栄養剤を用いた場合との比較検討を実施した。【方法】対象は、当院に入院した重度の糖尿病や感染兆候のない褥瘡を有する経管栄養施行患者。リカバリー群：リカバリー K5 を 8 週間 (1 日 1000 ～1600kcal) 投与した 11 名。対照群：ほぼ同期間、同エネルギーのその他の栄養剤を投与して栄養管理した 11 名。導入前後の各種栄養指標および、褥瘡評価指標のDESIGN-R、平均在院日数、便秘・下痢、発熱の頻度を調査した。【結果】リカバリー群（11 名　男性 1 名、女性 10 名、平均年齢 77.3 ± 11.1 歳）対照群（11 名　男性 5 名、女性 6 名、平均年齢 81.5 ± 7.0 歳） DESIGN-R スコアは、リカバリー群で 14.5 ± 4.1 点→ 11.9 ± 4.2 点と有意に改善し、対照群では 19.4 ± 8.8 点→ 17.0 ± 8.5 点と有意差はなかった。血液指標では、TP、Alb、ChE、Hb がリカバリー群で有意に改善したが、対照群では有意差はなかった。在院日数は両群とも有意差はなかったが、リカバリー群の方が在院日数の幅が狭く、対照群に比べ在院日数が短い傾向だった。下痢と発熱の頻度も両群有意差はないが、リカバリー群の方が少ない傾向だった。便秘は、両群とも有意差はなかった。【考察】リカバリー K5 は、「褥瘡予防・管理ガイドライン（第 5 版）」において特定栄養素の一つとして明記されるコラーゲンペプチドを高含有（10g/1000kal）しているほか、蛋白質、乳酸菌 E. フェカリスなどの栄養素を複合した栄養剤である。本栄養剤での栄養管理は問題となる合併症の発生なく安全に使用できることが確認でき、低栄養状態で免疫抵抗力が落ちている褥瘡患者の褥瘡治癒および全身状態向上に対して有用性の高い濃厚流動食と考えられた。

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演題名	O-099 褥瘡治療目的で入院、多職種での介入により褥瘡の改善が見られた一例～管理栄養士の観点から
開催年	2024	学会名・雑誌名	第27回日本病態栄養学会年次学術集会	更新日	2024年6月
発表者	古賀病院21 栄養管理課黒川彩花他
要約	【目的】当院では毎週の褥瘡回診に管理栄養士も参加し、栄養状態や必要栄養量のモニタリングを行っている。今回、背部褥瘡が発生し高気圧酸素療法目的で入院となった男性に多職種で介入することにより、褥瘡の改善がみられた例を管理栄養士の観点より報告する。【症例】65 歳男性、既往に 2 型糖尿病。X 年交通事故にて脊髄損傷し、四肢麻痺あり。その後圧迫骨折や大腿骨骨折など加療歴あり、X ＋13 年より特別養護老人ホームへ入所となる。X ＋ 14 年背部に褥瘡発生、皮膚科を受診し、その後も施設での処置を継続されていた。背部褥瘡と難治性潰瘍の治療のため当院入院、高気圧酸素治療とリハビリを開始した。【経過】入院 2 日目より栄養評価を実施。必要エネルギー 1840kcalに対し 1600kcal提供と栄養量不足しており、主食増量行い200kcal、蛋白質 5g/ 日の栄養量アップに繋げた。食思良好であったが、その後創部悪化したため、コラーゲンペプチドや亜鉛を含む栄養補助食品の追加を行うなど適宜栄養強化を行った。毎週の褥瘡回診や NST で継続的に栄養評価を行い経過を追った。【結果】高気圧酸素療法にて血流改善があり、褥瘡創部のサイズは 5.3× 3.8cm→ 4.2× 3.2cmと縮小が見られた。炎症反応も正常値となり、TP6.0g/dL → 6.7g/dL、Alb2.7g/dL → 3.4g/dL、Hb12.1g/dL → 13.3 g/dL と栄養状態でも改善がみられた。【結論】褥瘡の治療には、局所治療や高気圧酸素療法に加え、体圧分散やスキンケア、栄養管理など複合的なアプローチが重要である。重度褥瘡は必要栄養量も増大すると言われており、管理栄養士も適宜モニタリングを実施し積極的な介入を行うことで、多面的な管理に繋げることが出来ると考える。

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演題名	O-101 褥瘡悪化から浅大腿動脈破裂による下肢切断を回避できた栄養サポートの一例
開催年	2024	学会名・雑誌名	第27回日本病態栄養学会年次学術集会	更新日	2024年6月
発表者	東京医科大学病院栄養管理科川野結子他
要約	【目的】積極的な栄養管理と微量元素を強化した栄養補助食品の使用は、創傷及び褥瘡治療の手段として推奨される。今回褥瘡悪化による感染が原因で浅大腿動脈 (SFA) 破裂から下肢切断の可能性があったが、適切な治療と栄養サポートによりそれを回避できた症例を経験したので報告する。【症例】70 歳代男性。エアロバイクから転倒、1 日以上下敷きとなり他院救急搬送。両側鼠径部褥瘡の診断で入院加療後リハビリ病院へ転院。褥瘡処置を継続していたが右鼠径部より排膿と出血を認め受傷後 45 日目に当院へ転院搬送。褥瘡感染による右 SFA 破裂の診断にて救命病棟へ入室。第1 病日縫合止血施行、バイパス術も検討されたが感染コントロールと露出血管後方の肉芽形成がされない限り治療の目途立たず連日の洗浄処置と栄養強化し肉芽形成の方針へ。長期侵襲で入院時 Alb1.5g/dL 低栄養状態。目標栄養量はエネルギー量 30~35kcal/kg、たんぱく質量 1.2~1.5g/㎏で設定、第 3 病日 2.0g/ ㎏へ増量。栄養補助食品 (ONS) 併用し微量元素・コラーゲンペプチド・オルニチンを追加。第 7 病日肉芽形成を認めるも創部洗浄中に再出血し再縫合、血管脆弱でバイパスは困難が予想され下肢切断も含め本人へ説明するが拒否。肉芽形成促進目的にアルギニンを追加。その後感染した SFA が肉芽形成を妨げていると判断し第 18 病日 SFA を結紮除去し下肢切断は回避できた。第 22 病日 VAC 療法開始し一般床へ転床、第 53 病日分層植皮術施行。ONS 併用で栄養量充足、NPC/N比 80 ～ 100 で推移し腎機能障害なく Alb 値は退院前 2.5g/dL へ、血清亜鉛値も最低値 54 ㎍ /dL から 81 ㎍ /dL へ改善した。【考察】褥瘡感染による SFA 破綻で治療難渋が予想されたが、感染コントロールと比較的早期に肉芽が形成され下肢切断を回避。早期から栄養介入し食事と ONS を調整。微量元素・コラーゲンペプチド・オルニチン・アルギニンを強化、経口摂取のみで栄養量は充足し肉芽形成促進、栄養サポートで貢献できた。

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演題名	O-221 広範囲創傷患者へ早期のコラーゲンペプチド投与と強化的栄養管理による創傷治癒と ADL 回復の経験
開催年	2024	学会名・雑誌名	第27回日本病態栄養学会年次学術集会	更新日	2024年6月
発表者	上尾中央総合病院栄養科佐守美穂他
要約	【目的】コラーゲンペプチド ( 以下、CP) は肉芽増殖促進作用を有し、褥瘡などの皮膚疾患に有用であることが報告されている。今回、壊死性筋膜炎加療により上半身の広範囲が開放創となり、身体機能が著明に低下して離床困難となった患者に対し、早期に十分な栄養とCP を投与することで創傷治癒を促進させ、ADL が自立で退院できた症例を経験したので報告する。【経過】症例は 71 歳男性、身長 163cm、体重 45kg。入院 8 日前から咽頭痛が出現し、徐々に食事摂取困難となったため当院を受診し、頚部膿瘍、壊死性筋膜炎の診断で加療目的に入院した。病前の ADL は自立、意識レベルは鮮明であった。第 2 病日目から壊死性筋膜炎に対して連日デブリードマンを施行し、開放創が大胸筋から僧帽筋までの体表面約 9% となった。広範囲の創傷とデブリードマンによる侵襲を考慮して重症熱傷に準じた栄養管理として栄養量 2000kcal(44kcal/kg)、蛋白質 95g(2.1g/kg) を目標に経管栄養を開始し、第 5 病日目から CP10g を投与した。第 7 病日目に経管栄養量を目標量まで増量した。この時意識レベルは GCS3 点、過剰栄養状態や再摂食症候群の徴候はなかった。第 12 病日目に CP 配合栄養剤へ変更し、CP 投与量を増量した ( 栄養量 1960kcal、蛋白質90g、CP18g)。第 14 病日目、陰圧療法が開始となり肉芽増生が認められたが、体重は 39kg まで減少した。第 39 病日目、十分な肉芽増生を認めたため、両側大腿を用いた分層植皮術が施行された。術後から意識レベルが回復し、リハビリ強度がベッド上から介助下離床まで増強し、第 62 病日目に自立歩行となった。第 73 病日目、胃瘻造設術が施行され、CP 含有の半固形経腸栄養剤に変更した ( 栄養量2100kcal、蛋白質 105g、CP27g)。第 113 病日に体重 43kg、ADL 全自立で退院した。【結論】加療により開放創が広範囲となり ADL が著明に低下した患者に対し、早期から十分な CP と栄養量を投与することで創傷治癒促進及び ADL 回復に寄与する可能性がある。

その他

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演題名	【エビデンスに基づく褥瘡ケアUPDATE】(PartII-2)褥瘡ケアと栄養管理　褥瘡ケアと特定栄養素　コラーゲンペプチド、HMB、アルギニンを中心に
開催年	2014	学会名・雑誌名	臨床栄養(0485-1412)124巻6号 Page788-792(2014.05)	更新日	2021年8月
発表者	若草第一病院外科山中英治　他
要約	褥瘡は皮膚の損傷でもあるが、皮膚が損傷するとコラーゲン線維やエラスチンなどで構築された真皮の組織も破壊される。損傷を受けたコラーゲンは分解酵素によりコラーゲンペプチドまで分解される。コラーゲンペプチドの刺激により線維芽細胞が損傷部位に集まる。皮膚や骨など生体内の組織を構築しているコラーゲン線維は、分子量30万の線維性蛋白質のコラーゲン分子からできている。食品に用いられているゼラチンは、コラーゲンを加熱変性させて加水分解されたものであり、お湯で溶けて冷やすと固まる。ゼラチンを酵素によってさらに小さな分子に分解したものがコラーゲンペプチド（アミノ酸が結合したもの）で水に溶ける。コラーゲンのアミノ酸組成は特徴的で、グリシン（Gly)が最も多く、プロリン（Pro)、アラニン（Ala）、ヒドロキシプロリン（Hyp)が多く含まれる。特にHypはコラーゲンに特徴的に含まれるアミノ酸である。経口的に摂取たコラーゲンペプチドはアミノ酸だけでなく、ジペプチド（アミノ酸が2個結合したもの）のPro-HypやHyp-Glyの状態で吸収され、血中に移行することが確認されている。皮膚は体表から順番に上皮、真皮、皮下組織であり、コラーゲンは真皮の主成分である。ゆえにコラーゲンペプチドは、すでに美容目的の健康食品としてよく売れている。健常な日本人女性（35～55歳）を対象としたプラセボ対照二重盲検群間比較試験と比較して有意に皮膚の弾力性が改善したと報告されている。健常人は栄養摂取については必要量を十分に食べているので、この結果は栄養状態の改善のためではなく、コラーゲンペプチドという特定栄養素の上乗せ効果である。加齢による皮膚の弾力性の低下を改善するということは、褥瘡などの皮膚の障害に対しても改善効果があることが期待される。コラーゲンペプチドを内服すると小腸から吸収されて血中に移行するが、このペプチドが直接真皮のコラーゲンに合成されるわけではない。Pro-Hypのジペプチドに関する実験研究では、ジペプチドは線維芽細胞の増殖を亢進し、ヒアルロン酸の合成も更新したと報告されている。皮膚の張りと弾力が増すということで健康食品としてよく売れているコラーゲンペプチド飲料であるが、その線維芽細胞に対する作用を考慮すると、褥瘡治癒にも有用であることが推測される。そこで褥瘡モデルラットを対象として、コラーゲンペプチド経口摂取の褥瘡治癒促進効果についての検討が行われた。試験は、対照群、コラーゲンぺプチド群（人体重50㎏に仮定しコラーゲンペプチド10g.day投与量で推算）、アルギニン1群（同じくアルギニン5g/day投与で推算）アルギニン2群（同じくアルギニン10g/day投与で推算）の3群で比較しているが、褥瘡面積の比較ではコラーゲンペプチド群が対照群に比較して有意に縮小し、褥瘡治癒日数ではコラーゲンぺプチ群とアルギニン2群が対照群に比較して有意に短縮したと報告している。今後はヒトの褥瘡においても、無作為抽出前向き比較試験が行われて、効果が証明されることが待たれる。

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演題名	一般演題2-4 重度褥瘡患者に対するコラーゲンペプチド含有経腸栄養剤の使用経験
開催年	2017	学会名・雑誌名	第18回Met³・NST研究会外科と代謝・栄養51巻1号　2017年2月	更新日	2021年8月
発表者	一般社団法人至誠会第二病院　栄養管理室木村祐子　他
要約	【目的】重度褥瘡を有する患者の経腸栄養管理において、コラーゲンペプチド含有経腸栄養剤の使用を行った結果、栄養状態の改善と創の改善が認められた一例を報告する。【症例】60歳代女性。パーキンソン病にて自宅療養中。Hoehn Yahr分類Ⅲ、日常生活自立度B1。入院2カ月前よりADL低下、食事および水分摂取量の低下が認められた。入院1週間前より更なる状態の悪化があり、仙骨部に巨大褥瘡が発見され、創部炎症と感染により入院。入院時DESIGN-R63点, Alb 2.3g/dl, Hb 10.4g/dl, CRP 11.79mg/dl 亜鉛 46µg/dl。【結果】ハイネイーゲル投与開始（第64病日）後、DESIGN-R 42→21点、Alb 2.1→2.5g/dlに改善するが、敗血症の発症（第88病日）により中心静脈栄養管理となり、DESIGN-R 21→31点、ALB 2.5→1.7g/dlと悪化を認めた。その後、ハイネイーゲル投与を再開（第119病日）し、CV抜去時（第153病日）には、DESIGN-R 13点、Alb 3.2g/dlまで改善した。【考察】重度褥瘡患者に対し、コラーゲンペプチド含有栄養剤を用いたことにより、良好な褥瘡治療の経過が得られた。また、本症例では経腸栄養剤投与の中断を余儀なくされる状況もあったが、継続した経腸栄養管理により、栄養状態の改善を図ることができた。今後も褥瘡患者に対し、積極的な栄養介入を行うことで、早期治癒に繋がると考えられる。

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演題名	一般演題4 糖尿病モデルラットにおいてハイネイーゲルが皮膚創傷治癒に及ぼす影響
開催年	2017	学会名・雑誌名	第20回兵庫NST研究会	更新日	2021年8月
発表者	株式会社大塚製薬工場 OS-1事業部　メディカルフーズ研究所　山下治香　他
要約	【目的】近年、褥瘡患者に対するコラーゲンペプチド（CP)の有用性が注目されている。濃厚流動食品ハイネイーゲルには、CPが100kcal当たり1.4g含まれており、褥瘡患者に対する有用性が期待される。本研究では、ストレプトゾトシン（STZ)投与により糖尿病を誘導したラットを用い、ハイネイーゲルの創傷治癒への影響を検討した。【方法】8週齢のCrl：CD（SD)系雄性ラットを試験に用いた。STZ投与2週間後、背部2か所に皮膚全層欠損創を作製した。以後、通常食群、ハイネイーゲル給餌群（EG群）、bFGF処置群（FGF群）に分け、FGF群に対しては創傷面にbFGF製剤を噴霧し、その他の群には対しては、生理食塩水を滴下投与した。主な評価項目として、創部面積比および皮膚組織病理学的解析を用いた。【結果】創傷形成3～4日ごとに創部面積比を測定した。創傷形成14日後におけるFGF群およびEG群の創部面積比は、通常食群に対して低値を示した。また、HE染色により創傷部周囲の皮膚組織を形態的に観察した結果、FGF群およびEG群において通常食群よりも線維芽細胞が多く認められた。【考察及び結論】CP由来のオリゴペプチドが皮膚線維芽細胞を刺激し、創傷治癒を促すことが報告されている。本実験において、EG群では、7日後の線維芽細胞湿潤および14日後の創縮小が観察された。以上の結果から、CPを十分量含有するハイネイーゲルの摂取が皮膚繊維芽細胞を刺激し、速やかな創縮小につながった可能性が考えられた。

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演題名	広島 NST AWARD 5 早期発見の褥瘡エコーから早期治療・NST介入に結びつけ治療経過を確認した1例
開催年	2017	学会名・雑誌名	第15回広島NST研究会	更新日	2021年8月
発表者	地方独立行政法人広島市立病院機構　広島市立広島市民病院　臨床検査部　谷本麻実　他
要約	【はじめに】当院褥瘡回診では、深部組織評価にエコーを試行している。エコー評価により早期治療に結び付けた症例を報告する。【症例】30代男性。化膿性脊椎炎により当院入院。仙骨部にDESIGN-Rスコア24点の壊死組織に覆われた褥瘡を認めた。エコーで皮下脂肪層に膿瘍を疑う液体貯留像を認めたため、積極的にデブリードマンを行うとともにNST介入し、低Alb血漿の改善と肉芽増生促進のためコラーゲンぺプチドと栄養補助剤を付加した。入院4週目頃より肉芽組織が増生し、9週目にはほぼ肉芽組織に置き換わり退院となった。【考察・結語】エコーで皮下の液体貯留を明らかにしたことで、速やかに治療に結び付けることができた。簡便で低侵襲なエコー検査は、褥瘡発症早期から肉芽の形成過程まで観察でき、DESIGN-Rスコアとともに定量的評価ができるツールであり医師、看護スタッフ、NST等へのこまめな情報提供も可能である。

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演題名	4-7-4 体圧分布センサーとアームサポートを活用し褥瘡治癒した事例
開催年	2022	学会名・雑誌名	第30回日本慢性期医療学会	更新日	2023年6月
発表者	医療法人社団健育会ねりま健育会病院リハビリテーション科横山美智子他
要約	【はじめに】回復期リハビリテーション病棟では長時間離床に伴い臥床とは異なる褥瘡が発生する。体圧分布センサーでの客観評価は褥瘡ケアに様々なアイデアをもたらし有効である。【事例紹介】90代女性。急性硬膜下血腫、左片麻痺、左半側空間無視。皮膚の脆弱性があり予防目的にワセリン処方。低栄養、ブレーデンスケール12点。大半の時間を臥床し過ごしていたが、耐久性の向上を目的に車椅子での離床を進める。時間延長で臀部に消退する発赤を認めた。【看護介入】定時での除圧、臀部の清潔保持およびワセリンの塗布を行っていたが、入院23日目に長径1cmの褥瘡を認めた。離床時間の短縮、ポジショニング、定時の除圧、頻回の排泄誘導とおむつ交換、軟膏の変更、コラーゲンペプチド配合飲料の提供等を行ったが改善は見られなかった。体圧分布センサーを使用し車椅子乗車時の体圧分布を測定すると、適切なポジショニングが行えていないことが分かった。センサーを用いポジショニングを検討し、麻痺側にアームサポートを使用することで体圧を分散させられることがわかった。【結果】測定結果をもとにアームサポートを使用し、姿勢崩れが改善。それに伴い褥瘡も治癒に至った。【考察】ポジショニングは頻回に行っていたが、提供されたものは適切な姿勢ではなかった。ポジショニングは実施者の主観による評価が中心で客観的評価ではなかった。体圧分布センサーを利用したことによって、客観的かつ視覚的にわかりやすく評価を行うことでアームサポートという一見、直接的ではない褥瘡ケアのアイデアにつながったものと考えられる。【まとめ】体圧分布センサーの利用で客観的に体圧を評価することができる。このことから様々な体位や補助具の適切な提案につながり、褥瘡予防に役立つ。

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