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お餅はなぜのどに詰まりやすいのか??お餅はゼリーの100倍の付着エネルギー(当社調べ)。 飲み込みサポート食のニュートリーが実験してみました。

2009年11月10日

  • お知らせ
飲み込みサポート食(介護食)のニュートリー株式会社では、餅の飲み込みにくさについて実験を致しました。

なぜ餅は窒息事故を引き起こしやすいのか。餅の特徴を他の食品と比較して実験したところ、他の食品と比較して付着性(=べたつき)が非常に高いことがわかりました。

■背景
お餅の窒息事故
毎年年始の時期になると、餅による窒息事故が発生しています。東京消防庁によると平成19年から翌年明けにかけて16件が救急搬送されており、その半数以上が70歳以上の高齢者です(東京消防庁ホームページより)。
そもそもお年寄りにとって、なぜ餅がのどに詰まりやすい食品なのかを実験しました。

高齢者のえんげ(=飲み込み)機能障害
現在、療養病床の入院患者の半数以上が何らかのえんげ(=飲み込み)障害を持つとされています(厚生労働省、平成17年)。えんげ障害は、高齢や脳疾患などで飲み込みの機能が低下した状態のことで、飲み込みがうまくできないと、飲み込んだものが気管に入り、それによって肺炎を引き起こす可能性があります。また、食事が思うようにできないなど、患者・入居者のQOL(Quality Of Life)にも影響を及ぼします。医療・介護業界では、患者・入居者のえんげ機能の低下に合わせたサポートが重要な課題となっています。

■実験内容と結果
餅の飲み込みにくさを専用の機器を用い、科学的に実験しました。

実験方法1 模型を使った飲み下しのシミュレーション実験

人体ののどの模型に食材を投下して、飲み下しのシミュレーションをします。
のどの模型にひっかかり、通過しない餅

食材の飲み込みやすさを確認するための人体ののどの模型(簡易咽頭モデル:ニュートリー社製)を使用しました。
ゼリーをのどの模型に投下したところ、模型の中をスムースに通過しました。飲み込みやすい食材といえます。
それと比較して餅(切り餅・煮たもの)は、模型の途中にくっついてなかなか動きません。
飲み込み能力が低下した方にとっては飲み込みが難しいといえます。
※下部関連画像...左:ゼリーを投下、右:餅を投下

実験方法2 飲み込みやすさを数値で表す

次に、模型でのシミュレーション結果を数値的に裏付けるため、他の食品と比較して測定を行いました。
「硬さ・まとまりやすさ・べたつき」の3要素を測定

飲み込みやすさの指標として、厚生労働省の「特別用途食品」の「えんげ困難者用食品」の許可基準である、
「硬さ・凝集性(まとまりやすさ)・付着性(べたつき)」
の3つの要素を測定しました。

お餅の付着性はゼリーの約100倍
切り餅(煮たもの)、伊達巻、豆腐(絹ごし)、飲み込みサポートゼリー(製品名:プロッZn、ニュートリー社製)の物性を一定の条件で測定しました。
結果、餅に特徴的だったのはその付着性で、飲み込みサポートゼリーの約100倍もの結果となりました。
餅は飲み込み能力が低下したお年寄りにとっては、飲み込みが大変難しい食品といえます。

■補足説明:えんげ(=飲み込み)障害について

えんげ(=飲み込み)障害とは

食物などを口から胃まで運ぶ、「飲み込み」のことをえんげ(嚥下)といいます。高齢や脳疾患などのためにこの飲み込みがうまくできないことをえんげ障害といいます。

飲み込みを誤ると水分や食物が食道ではなく気管に入り、むせたりします。なかには気管に水や食物が入っても気づかない場合もあり、肺炎の原因になることがあります(誤嚥(ごえん)性肺炎)。

高齢者とえんげ障害
厚生労働省の発表によると、平成17年の段階で療養病床等の施設に入院されている方の約半数以上が何らかのえんげ障害を抱えています(厚生労働省、平成17年10月)。
特に高齢者にとっては特別な病気ではなく、非常に身近な状態といえます。

特別用途食品の基準改定
平成21年4月より厚生労働省が定める「特別用途食品」の「高齢者用食品(そしゃく・えん下困難者用食品)」が「えん下困難者用食品」に改訂され、新たに許可基準が設けられました。
この許可基準では食品の「硬さ」「凝集性」「付着性」が飲み込みやすさの指標となっています。


■今後の展望
飲み込みサポート食のニュートリーでは、自社製品を開発する際に用いる専用機器(硬さ・凝集性・付着性等を測定する機器)を使用し、弊社製品(ソフティアシリーズ)を導入されている全国の病院・介護施設などに対し、患者・入居者に提供中の介護食の飲み込みやすさ(物性)を測定するサービスを2009年11月より開始しています。

今後もえんげ(=飲み込み)サポート食のパイオニアとして、飲み込みにまつわる様々な情報をご提供してまいります。


調査に関するお問い合わせ・本件に関するお問い合わせ
ニュートリー株式会社 プロモートリレーションズ部 広報広告グループ
電話:03-3206-0107 FAX:03-3206-0108

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