NUTRI ニュートリー株式会社

医療従事者お役立ち情報

キーワードでわかる臨床栄養

第10章各疾患の栄養管理

10-2:バクテリアルトランスロケーション(BT)[bacterial translocation]

■バクテリアルトランスロケーション(BT)[bacterial translocation]
 重症患者の治療において絶食を余儀なくされることで,腸管粘膜の防御力の破綻,全身や局所における免疫力の低下,腸管運動障害による腸内細菌の異常増殖などの理由により,本来消化管のなかにとどまる腸内細菌が腸管粘膜上皮のバリアを越えて血流やリンパ流を介して体内に移行し,感染を引き起こす状態を指す.1979年にBergらによって提唱された概念であるが,最近では菌体の直接侵入だけでなく,菌体やその成分が腸管粘膜の免疫応答細胞に貪食されたり,リンパ節で捕捉されることで炎症性サイトカインが産生され,これらが全身に広がり炎症反応を引き起こすことなどもBTの一部とされている.
4-3:バクテリアルトランスロケーションの原因[bacterial translocation](https://www.nutri.co.jp/nutrition/keywords/ch4-3/keyword10/)も参照のこと.

おすすめコンテンツ