栄養不良に伴う医療費の増加は合併症が多く入院期間が長くなれば必然的に起こり得る。栄養状態の悪い患者は合併症が起こりやすく、回復が遅いので致命的になることが多い。合併症が起これば入院は延長し、手術・処置、薬剤など医療費は膨大になることはよく知られているが、統計的な検討はあまり行われていない。この理由は我が国での診療報酬が出来高払いなので、合併症が各病院に与える経済的な影響は少ないために関心が薄いこともある。
欧米ではDRGやHMO支払い制度のため治療費の増大は重大な問題である。一般病棟における100名の入院患者の検討で、栄養不良群は45%で入院期間は15.6±2.2日で入院費は16,000ドルに対し正常群では入院期間は10日、入院費は7,692ドルで、栄養不良群は2倍であった。ほかの報告でも待機的手術患者で、
体重減少の大きい栄養不良の患者は35%〜75%多く医療費がかかった(
参考文献1-2-6)。これらのデータは栄養不良は健康のアウトカムが悪く、多くの資源を浪費し医療費が増大することを示している。適切な栄養アセスメントを行い、栄養不良に陥る患者を識別し、速やかに治療を行うことにより、医療費を節減することが可能である。